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触手さんは今日も這いずる  作者: トイレの花子
一触・触手さん魔大陸編
68/82

触67・触手さん城へ行く

 下船後、桟橋を通って港へとコンテナで入っていく。此方の港でも漁船やら商船が停まっていて色々荷物を運んでいる。そんな光景を見つつ港の出入り口まで行くと、衛兵が二人立っていて通行のチェックを行っていた。一方通行のようで入口と出口で分かれているので出口の方へ行くと声を掛けられる、鎧着てるんだけど顔が犬、獣人ってやつだな。


「船旅お疲れ様でした、船長から話は伺っております、この港町を北門から出て街道を進むと魔王都が御座いますのでそちらへお向かい下さい。向こうの門兵には通達してあるので到着後彼方で案内してくれるでしょう。それではお通り下さい」


 右手を胸に当て衛兵はお辞儀をする、触手を振って返しコンテナが発進して、港を出ると露天が大きな通りに建ち並び人々で賑わっていた。港の真横に街があるせいか、この付近は商店が多いのかね、しかし色んな人が居るな。さっきの犬の獣人だけでなく猫や虎に狼、果ては象まで。

 また、獣人だけでなくエルフやドワーフもちらほらと混じってて、向こうで見たのはほぼ居る、流石にクラーケンみたいなデッカイのはおらんが。後、肌が青かったり角や羽が生えてるの、これもしや魔族なんか……?

 にしても活気で溢れてて皆生き生きとしてるな、此方ってもしや人種居らんのだろうか?

 人が多いんで徒歩程度にまで速度を落としてコンテナが通行して行く、今通ってる通り、線で区切ってあって、歩道、車道が片道二車線で計四線、車道は左側通行となっており、歩道側の車線は荷馬車がちらほら止まっている。

 つまりは日本の道路まんまである、速度標識まであって馬車等は徒歩程度と書かれてる。ちなみに駐車時間も有り、一時間までと記されていた、大分緩いな時間規則。


 コンテナの中から露天を眺めてるとこれまた色々商品が並んでいる、果物や野菜に肉類から始まり飲食系の屋台に雑貨類、何かの角や羽とか良く分からんのに貴金属等々。フランクフルトに焼きそば……綿飴に……かき氷まで有るんだが、って夏祭りか何かかよ!!

 創造神よ、ちとやり過ぎじゃね?また「てへ★」って聞こえてきそう。もう何出てきても驚かねーぞ。


 ところでさっきから私の後ろに座ってるビノセとイーラが「おお、あれは何でしょう?」とか「食べてみたいですね!」とかエッライはしゃいでるんだが……完全にお上りさんである。パディカは何時も通り一言も喋らずに居るんだが何か凄い勢いで屋台とメモ帳交互に見て何か一心不乱に書いてる、お前もか。

 クオは至って普通、元日本人の事はある、只気のせいだろうか?魔族見たときだけ何か目が光ってるような……まあいいや。スケルトン達は特に反応無し、コマンダーも。

 もしかしてメアリーの教育のせいか?普通のスケルトンはともかくコマンダーは元エルフだからビノセとパディカみたいな反応してもおかしく無いのだが。


 ちーとばっかし後ろがうっさいので10分くらい駐車して各々自由にさせた。


「いやいや、そんな滅相もない……」


 とか言いつつウッキウキでビノセ、パディカ、イーラ三名は露天に散って行った、子供か!!時間になって帰ってきたら手には三種三様、各々違う食物を携えている。完全に縁日のガキンチョである、ヤレヤレ。


 露天での買い物も終えて北門からコンテナが出ると街道を走って行く、此方も車線が街中同様に配置されている、この街道は少し速度を出しても良いようである。まあつっても馬車程度なのでそこまで速くはない、ジョギングより速いくらいだ。

 拾遺の馬車に速度を合わせてコンテナを走らせて行く、大体1キロ間隔くらいだろうか、馬車の駐馬場と公衆トイレや商店が有る、パーキングエリアだ。こんなもんまで有るとは大したもんだ、魔大陸はインフラの充実度合いが相当高いっぽい。

 五つ目のパーキングエリアを通過すると、前方に街並みが見えてきた、一番大きいのが城だろう、近づくにつれ城壁も確認出来る。城門まで着くと数台の馬車が順番待ちをしている、港町同様に出入管理を行っている様である。

 一台、また一台と中に入って行き、私達の番になると銀色の鎧を着た管理の衛兵がチェックをして声を掛けてくる。


「港町の方から報告は受けております、此方の者がご案内致しますのでご同行をお願いします、それでは後は頼んだよ」


「はっ!では城へ参りましょう、此方へどうぞ付いて来て下さい」


 別の衛兵に連れられて城門を通過して中に入ると、中央には港町以上に広い道路、そして数階建ての建築物がみっしりと歩道側に並んでいる、こりゃ相当大きな街だ。

 衛兵が門横にロープで繋いでいた白い馬に乗ると歩かせて私達を先導する、左車線を通って行くと、もう一つ城門が有る、この中が城のようだ。

 そのまま城門を抜けると庭になっており、横にある広いスペースで衛兵が降りた。


「此処からは徒歩となります、これより王室へとご案内致します」


 私達はコンテナを降りると衛兵の後を追って行く、城内の床や壁はは磨かれた白い大理石で出来ており、高そうな調度品が鎮座していた。正に王宮、赤いカーペットの敷かれた廊下を進むと大きな黒い扉が有って衛兵が二名立っていて、両名が右手を胸に当て敬礼すると扉が音を立て開かれた。


 奥には赤く金色で装飾された大きい玉座、そして傍らには黒いスーツ姿の女性が一人、深紅のドレスを身に纏う女の子が一人片足組んで座っている、そして

 フハハハハと不敵に笑うと立ち上がり漆黒のマントをバサァっと翻すと右掌を開いて前に突き出し、こう告げたのだった。


「良くぞ参った、我が魔王城へ!!」

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