触66・触手さん魔大陸に立つ
ベッドから起き上がると私は全触手から大きく欠伸をしつつ身体を伸ばす、あ~良く寝た。出港して早28日目、如何せんずーっと船の中のせいで流石に飽きもくる、快適ではあるんだけどね、慣れてきちゃうとどーしてもなー。
さてどうしよっかな~ソロボウリングでもするか……?あ、そうだカジノ行くかカジノ。
此処のカジノ、コインを景品だけじゃなくて通貨にも変えられるんだけど、その通過が魔大陸で流通してる物だそうで、要するに此処で増やせばあっちで買い物が出来るってー訳だ。
今回私達は特別ゲスト扱いされてるんで、コインを数十枚貰っている、これで自由に遊んで下さいって事らしい。じゃあ通貨稼いでおくかってーことでちょいちょい通っている。
部屋を出て二階にあるカジノへ到着、さてどれで遊ぶかな……スロットにルーレット、ポーカーにブラックジャック、他にも色々あるが……と、ふとスロットコーナーを見るとイーラが座ってえらい熱心にプレイしている。
何か「つ、次こそ!!」とか「アーッ!!」とか言ってるが……お前さんそんなキャラだったっけ?ギャンブルって人変わるって言うけど本当なんだなー、イーラはドラゴンだが。
それを余所目に私はルーレットの席に、身体でかいから椅子は無しで、ディーラーが親切に席を動かして退けてくれた。
さて何処に賭けようかね、ルーレットという物は賭ける場所で倍率が変わる、しかもタイプが複数あるんでどのタイプによるかで微妙に当選確率が違ってくる。これはルーレットに0だけか、0と00両方あるかである。当然ながら0のみの方が確率は上がる、此処のは0のみでヨーロピアンルーレット、シングルゼロってやつ。
0のみはもう一種あって倍率とかルールが微妙に違うんだけど省略しよう。
まずは手堅くODDにコインを一枚、これはオッドイーブン、奇数か偶数か、マスの一番下にあるODDとEVENってやつ、倍率は二倍。コインを置くとディーラーがベルを鳴らしてベットの終了を告げる。ベット前にルーレットを回っていた白球が速度をドンドン落とし……見事に21番にIN!!コインが二枚になって返ってくる。
ちなみに必勝法なんて言われている物があるが、そもそもどう足掻こうが胴元が勝つように出来ているのがギャンブルであり、賭け方工夫しようが還元率は100%未満である、よって絶対に勝てる訳は無い。そんなんあったらカジノが潰れる。
さて次は1st12にしようかな、これはダズンベット、12区切りで1st、2nd、3rd、になっている。倍率は三倍。ルーレットの前に置かれているパネルには過去十回分の数字が表示されていて、1stは一回も出ていない、つまりそろそろ来てもおかしくないってことだ。ベットして白球は2番へ、よそよし良い感じだな。
二枚ベットしてたんで、これで六枚、んじゃそろそろストレートアップに賭けようかね。ストレートアップは数字の一点賭け最大倍率の36倍である、これを6箇所にベット……おおお、見事に5へ的中!!
いやー今日はついてるなー、その後もトントン拍子で当たり続けて気がついたら千枚を軽く越えていた、ふー儲かった儲かった。んじゃこの辺にしておこうか、ここで欲かいて更にとか言うと全部失うのが鉄板である、引き際が一番重要なのだ。
席を離れてチラリとイーラ見ると、ガックリと項垂れている、どうやら全部飲まれたっぽい、お疲れさん。
カジノを後にして、んー小腹減ってきたし何か食うかね、起きてあんま空腹じゃなかったんだよな、そう思って食堂へ向かおうとした時、船の汽笛が鳴って館内放送が流れる。
「当船は間も無く魔大陸に到着致します、到着後は数日港に停泊しますのでごゆるりと下船頂けます」
どうやら結構な猶予があるっぽい、んじゃ飯食ったら全員集合でもいいか。食堂に入って席に着く、私用にセッティングされた特別席で、椅子がデカイ。メニューを見て、牛丼を頼む、もう昼近いんでこれで良かろ。
しっかし牛丼有るのは驚いたよな~、この食堂大衆食堂っぽいんだけど、料理のラインナップに日本食が妙に多い。各種丼物や定食等に麺類、うどんやソバまで有る。まあ、創造神が元日本人だしもう何出てきても不思議じゃないか。
出てきた大盛の牛丼に七味振って口にかっ込む。ん~コレよコレ、前世では良く仕事帰りに牛丼食ったな~、OLがスーツ着て夕方に牛丼屋で牛丼大盛食ってたから結構他の客からジロジロ見られてたが。
セットの味噌汁啜りつつ黙々と平らげる、ふー、ごっそー様、旨かった。ふと食堂の丸い窓を見ると、街が結構近くに映る、ボチボチ到着みたいだ。食堂を出て各部屋に回り、下船の準備を促す。
後片付けを済ます為部屋に戻ると、船が少し揺れて汽笛が鳴った。
「お待たせ致しました魔大陸に到着です、ご乗船ありがとう御座いました。当船はこれより三日間停泊し、早朝に出港します」
どうやら港に着港したようなんで身支度を終えて部屋を出る、船内に駐車してるコンテナには皆集まっていて、客船の船長を含め船内スタッフが並んでいた。
「ご利用ありがとうございました。船員一同、またのご搭乗をお待ちしています」
一斉にスタッフがお辞儀をする中、私は触手を振って皆を乗せたコンテナが船を出ていく、さあ魔大陸に上陸だ。




