触63・触手さん原始を理解する
…………ちょ、え、おまっ、宇宙が破壊されたあぁぁぁ!!?どういうことだよ!!何でそうなるんだよ!!
意味が分からなすぎて頭がおかしくなりそうだぞ、半ばパニックになりかけそうになる私を他所に創造神は続ける。
『あ~、訳が分かんないよね、うんうん、ちゃんと話すから落ち着こうね』
こちらの行動が完全に読まれているのか宥められる、ハー、取り乱しもするわ、んな事言われたら。
『なんで破壊されちゃったのか、その前に人種とその根元について話そう。もう知ってると思うけど、人種は人間じゃない、アレは人間を模倣して作られた物なんだ、『デヴィルス』によってね』
デヴィルス、最長老はアンチデヴィルスって単語口にしてたよな……
『人種はデヴィルスの元と言える物でね、姿は人間そっくりだし思考も独立して持ってるんだが、振る舞いや性質は殆どウイルスさ。爆発的に増えてドンドン他者を排除又は乗っ取っていく。
お互い争い始めるのは人間に似せたせいかもね、とにかく救いようが無い代物だ、都合によっては当然の如く何の躊躇いも無しに我が子を手に掛けたり見棄てるなんてしょっちゅうだ、そしてそれを誰かが咎めたりなんてしようともしない。
で、元と言ったのは、人種は時折突然変異を起こすんだ、これがデヴィルスになる』
成程、キードも言っていたが、これはウイルスとだと断言出来る、突然変異を起こすとまできたもんだ。
『そしてこのデヴィルスは成長すると全てを破壊する、その星はおろか、宇宙そのものまでね。で、それが君の居た所でも起きたのさ、デヴィルスが発生したのは地球よりも遥かに遠い星系だけどね。んで、破壊されたのが君が寝てる間だよ』
……合点がいった、だから記憶が寝る前までしか無かったんだ、ゲームして寝た後気付く事無く宇宙毎消えたのである。分かるかんなもん!!!あーくっそー!!
『その後はもう大変でね、新しい宇宙や星々諸々、神達総出で急拵え。で、この星を作ったのが私さ。
それがざっと一万年前、なもんでこの宇宙出来立てホヤホヤみたいなもんだよ、急いで作ったから色々かっとばして前の宇宙同様にしたけどね。普通は数十億年は掛かるけど』
あー、まあ星ですら気が遠くなるくらい時間掛かるもんな。
『んで、最後デヴィルスは自分すら破壊して粉々になるんだけど……これが厄介でね、その後亜空間に撒き散らされるんだけど、別宇宙に入り込んで来るんだ。
そして何処かの星で又デヴィルスとして再合成して人種を幾つか作って完全に消滅する、以後はループさ。今まで延々とこれを繰り返してる。
今回は選りにも選って私が作った星でデヴィルスが再合成したって訳、これはこの星に色々な種族が繁栄していった頃で、今から三千年前くらい、実に面倒な事をしてくれたもんだ』
ああ、唐突に現れたってのはそういうことか、人種は最初からこの星に居たんじゃ無かったんだ。
『このまま放っておけばまた宇宙が破壊される、普通は作った星に神が介入しない取り決めがあるんだけど緊急事態でね。対デヴィルスとして、アンチデヴィルス、つまりは君を作った。いや、この時点ではまだ君の魂は眠ったままなんで、前の触手さんさ。
ただこの触手さんちょっと失敗作で、自我が無くて本能の赴くままに行動しちゃうんだ。人種以外には手出ししないように調整はしたんだけど、下手に攻撃機能付けると他種族を巻き込みかねないんでね、本質的に精神構造が違う事を利用して人種の「恐怖」を極限まで増幅させる事にした。
人間を模倣して人種作ったのが裏目に出たってとこだね。
これによってデヴィルス対策を行った、効果は順調で人種はドンドン死滅していった。ここまでは良かったんだけどね……』
それが人種に封印されたと。
『その通り』
あ、また先読みしやがった。
『これは盲点だったよ、戯れに人種が異種交配して恐怖耐性持ったのが、潜伏状態で隔世遺伝して、封印に利用されるなんてね。流石にこれは気がつけなかった。ただこれも結果裏目に出たけどね、彼女がこちらに付いたから』
メアリーのことか、そう、メアリーが前の触手さんを封印してメアリーが私を封印から結果解いたのだ。
『封印されてる間にも、前宇宙の消滅でまだ割り振られていなかった魂も順に振られて行ってね。で、君の番になったんだけど、条件にピッタリだったのさ』
…………どういうことだ?条件にピッタリ……?何かすっげー嫌な予感してきたんですけどぉ?
『君、「触手さんとショタ王子様ぬるぬるぐちょぐちょ編」プレイしてただろう?』
……待てえぇぇぇぇい!!!何でそれ知ってんだあぁぁぁぁぁ!!!?プライバシー!!!プライバシー!!!
『まあまあ落ち着いて』
こんなん落ち着いてられっかぁぁぁ!!!思わず憤るわ!!
『君の従者はずっと落ち着いてるぞ?』
言われて横に居るメアリーを見ると静かに佇んで一部始終聞いている、つか見てる風に言うなそれ先読みだろ、どうなってんだよ。
『何で知ってるかと言うと、まあ事前に調査して出来るだけ生前と似た環境へ送ってるんだけど、前の触手さん、実はあのゲームの触手さんが元なんだ、テヘ★』
………………は???何て???つか『テヘ★』じゃねーよ。
『この星、私の趣味全開で作っててね?言語や文字は日本語弄った物だしファンタジーだらけなのも、寿司とか和物あるのも、触手さんも、私が元日本人だから』
………………開いた口が塞がらない。え?何?クオがこの世界は日本人が創ってるかもしれないって言ってたけどマジかよ、どうやらゲームの世界では無かったようだが。
『何で日本人だった私が神になってこの星を作ったのか、さっくりとだけど話しておこうかな、知りたそうだし』
まあ、気になるっちゃー気になる、聞かせて貰おうか。
『それはまだ私が花の女子校生だった時だね、地球や宇宙が破壊される一年前。ある神のちょとした手違いで死んじゃってね、お詫びとして神にされたって訳。……いやアレは単に仕事押し付けたかったからだけだろうな、まあいいや。
で、下積みしながら神として働いてたところでデヴィルスによる宇宙の破壊が起きて、猫の手も借りたいってんで私にも星作りの仕事が回って来たって訳。
何で触手さん知ってるかってーとプレイしてたからだよ』
お前もプレイヤーかい!!通りで似てる思ったらそういうことかよ。
『色々カスタムしたらちょっと変わっちゃったけどね、まあそれは置いておいて。そういった事情で神になり君を触手さんにしたのさ。触手さん好きでしょ?』
いやいやいや、触手になりたいんじゃねーよ!!触手がショタとイチャイチャしてるのが好きなんだっつーの!!
『如何せん触手さんは制御効かないからね、此方も最低限しか関与出来ないし、丁度良かったね。後は君の知っての通りさ、新たな触手さんとして目覚めた』
そしてあの場所からの話になるってー訳か……全く、とんでもねーわ。あってーことは、元の世界には帰れないってことか。消滅してるんだもんな。
『そうだね、流石に神の力でも一度消滅したのは元に戻せない、この星で暮らして貰う事になるよ』
まあ、そこまで未練も無いしいいんだが、結構楽しいしなこの世界。ここまでの話はクオにも後で話しておこう。彼なら受け入れられそうだし。
……ん?アレ?一連の話を聞いて唐突に疑問が生まれた。デヴィルスが人種作って人種がデヴィルスになるんだよな、んでまた人種作って消えて、又人種がデヴィルス……どっちが先なんこれ、つまりは卵が先か鶏が先か。
『いい所に気がついたね、結論から言うとデヴィルスだよ。遥か太古、一番最初に生まれた宇宙。そこで何の前触れも無しに宇宙空間で生まれた、最初は本当にウイルスだったんだ。
それが成長して人型知的生命体の居る星に漂流した。その星では既にある程度高度な文明が築かれていたらしい。その後デヴィルスは彼等を模倣して、人種を増やしたようだね、そして現在まで至る』
成程、鶏が先だった訳だ。
『とまあ、これがデヴィルスと人種、君とこの世界についてさ。私含め神達もデヴィルスの完全消滅対策は続けてるけど上手くいっていないのが現状だね、如何せん今回は君に任せるしかない、出来るだけの事はするから、頼んだよ』
何か大事になったなぁ……とはいえまた破壊されるなんて真っ平御免だしやるしかねーか。
『それじゃあ最後に今後について。正直今の君ではデヴィルスには勝てない、倒せるだけの力が足りていないんだ、前の触手さん、つまり御子の封印後、人種は増えに増えて何時デヴィルスになるか分からない。
だから君には各地に有る、此処と同じ神殿を巡って貰いたい。其処には神の力の断片を封じておいた、分散させているのは人種に悪用されない為なんで了承してくれると助かるな、結構手間も掛かるけど、宜しくね。
まずは魔族が住まう大地、魔大陸に向かうといい、一番近いから。行き方は水の大精霊に聞いておくれ、詳しく教えてくれるよ。
……おっと、もう容量が一杯か。それじゃ、また会おうね、以上っと』
音声が途絶えると蛍●光が流れてくる、どうやらこれで終わったらしい。……話が濃密過ぎてすっげー頭が疲れた、突っ込み処満載だったが、放っておくと宇宙がやばい、魔大陸に向かえ、と。まあやるしかねーんだよなぁ……
【……正直、聞いていて驚きました。御子様の事、世界の真実。……ですが御子様への忠誠心は揺るぎません、今後も誠心誠意、尽くさせて頂きます】
横でずっと一部始終を見守っていたメアリーはそう言うと深々と頭を下げた、そうだよな、前の触手さんと私は違うんだもんな、相当ショックだったはずだ。でもそれでも仕えてくれるという、ありがてぇ、今後も宜しくね。
【うっし、それじゃあ帰るか】
【はい】




