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触手さんは今日も這いずる  作者: トイレの花子
序触・触手さん原始編
58/82

触57・触手さん最長老と謁見する

 倒れた熊を触手でベシベシ叩くも反応無し、よし死んでるな。確認が終わったんでスケルトン達がコンテナへと運んでいく、帰ったら解体するってクオが言ってた。何でもこいつ火には弱いらしくて、一旦毛を燃やしたら切るんだと。可燃物あれば楽だったってことか。てことは火でも吹いてそうなドラゴンなら余裕でコレ倒すのかな。


 熊も積み終わって更に北を目指す、どんどん景色が変わっていき、地面は全部雪に埋もれている、まさに銀世界だ。時おり狐のような白い小動物も見受けられる、そんな光景を眺めつつ雪中を行軍する。まーしっかし寒い、どうも暑さや寒さ、諸々に耐性があるようなんだが、火炎放射にも耐えたし。とはいえ寒いもんは寒いのである。今乗ってるコンテナは幌が付いてて風は凌げるし、ストーブも設置してあって外よりはかなりマシ。


 代わり映えのしなくなった雪中をゴトゴト揺られながら進んでいると、何か大きい影が目の前の地面を通過した、一瞬気のせいかなと思ったがまたやって来て、徐々に大きくなっていく。何だろうと幌から目を出し上を見てみると……でっかい鳥みたいなのが羽ばたいていて、それがゆっくりと降下して来ていた。雪煙を吹き上げながら着陸すると、そいつは声を掛けてくる。


「そなた達は何者だ?人種では無いようだが、この地に何用で入るつもりだ?」


 それは鳥等では無かった、煌めく鱗に爬虫類を思わせる頭と太い尻尾、そして大きな羽。これはドラゴンだ。それはもうこれ以上無いってくらいの容姿をしていて間違えようがない。


「ドラゴンよ、我々は御子様と共にあなた方を救う為、此処へ参った、ドラゴンの最長老との謁見を申し出たい!」


 ビノセがコンテナから降りてドラゴンと話始める。


「何?最長老と?それに御子だと……?」


 ドラゴンがこっちをチラッと見て視線をビノセに戻す。


「……良かろう、では付いてくるがいい、案内しよう」


 羽ばたいてゆっくりと上昇すると先導を始めたので追って付いていく、時おり此方をチラッと見ているのは速度を合わせる為だろう、置いて行かれる事も無く、山の奥へと進んで行った。

 道も険しくなり起伏も激しくなってきた頃、唐突に拓けた場所に出た。そこは雪が無く、草花や木々が生えていて、さっきまでとは別世界、しかもポカポカしてて暖かかった。先導してたドラゴンが降りてくる。


「ここが我々の暮らす集落だ、その辺にある巣穴の中が住居だ」


 周囲を見ると幾つか入口が大きい洞窟が見られる、あの中で住んでんのか。


「少し待っておれ、今最長老を呼ぼう」


 ドラゴンが空の方を向くと、大きく咆哮をあげる。空気が大きく揺れ周りの草花ががざわめき……空の向こうから別のドラゴンが飛んできてめのまえに着地した。先導してくれたドラゴンよりも更に大きく、鱗は真っ白で、日の光で虹色に煌めいていた。


「ついに此処へ訪れたか、予見はしていた、我がドラゴンの最長老キードだ、御初にお目にかかる、御子殿、歓迎しよう」


 予見してた?どういうこと?疑問が浮かぶが話は続く。


「此処で話すのもなんだ、我が家に参ろう、そちらも色々話があるだろう、さあ此方へ」


 キードがゆっくり歩きだし、それに付いて行く。少し移動すると大きな洞穴があった。


「此処だ、何も無いが寛いでくれ」


 中に入るとそこは巨大な空洞になっていて、食器棚に本棚が幾つか置かれていた。はて?ドラゴンのこの巨大サイズに普通のサイズの家具……?


「さて、このままだとお互い話し辛いだろう、少々待たれよ」


 言うとキードが光始め……何と、人間サイズにまで縮まっていった、すげー。


「これで良かろう、どれ、茶と菓子を用意しようか」


 キードが台所っぽい場所に行って、少しすると香りの良い湯気をあげるティカップと焼き菓子を銀のトレイに乗せて戻って来る。人数分、私とメアリー、ビノセ、パディカ、クオにそれぞれ手渡される。ドラゴンが茶をもてなす等早々お目に掛かれなそうな光景である。

 他のスケルトン達は外のコンテナで待機、流石に全員入れるのはね。


「さて、まずは何処から話そうか……」


 キードが少し悩んでいるのでここは先手を取るか。


【私達が此処に来るのを予見してたってどういうこと?】


 私は簡易ホワイトボードにササッと記入する。


「ふむ、ではそこからいこうか。これは今から千年も昔の話、まだ我も幼く、先代の最長老が存命して居た頃だ。ある日、その最長老が神託を受けた。【今より千年の時を経て御子が蘇り、彼の地より訪れるであろう】とな」


 神託……それをしたのは創造神か。


「そして実際、こうして御子殿が参られたということだ」


 成程ね神託によって前々から分かってたのか。あ、ついでだしアレも聞いておくかな。お茶を少し啜って次の質問に入る。


【後もう一つ聞きたいんだけどさ、人種ってなんで御子、つまりは私見たりすると恐怖発症すんの?水の大精霊が最長老なら何か知ってるかも知れないって言ってたんだけど】


「ふむ……それについては我も詳しくは知らぬのだが……先代の最長老がこう言っていたな。人種は元来この世界には居なかった、ある日を境に唐突に現れ増えていったのだと」


 元々居なかった……?どういうことだ……?


「そして人種は瞬く間に増えていき、人種以外の種族を排除し始めた、まるで世界を乗っとるがように。故に創造神は対抗として一つの生命を作った、創造神はそれをこう呼んだそうだ」


「アンチデヴィルス、と」

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