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触手さんは今日も這いずる  作者: トイレの花子
序触・触手さん原始編
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触56・触手さん北へ

 翌日、ぐっすり眠って朝食を済ませ庭でピヨ彦と遊んでいた。朝食は半熟エッグトーストにソーセージと野菜サラダ。……あれ?今更だが、そういや家畜居ないのに卵とソーセージは何処から……?野良でも居んのか?まあいいか。

 ピヨ彦も順調に育ってんねぇ、また大きくなっている。触手の一本を猫じゃらしの様にして戯れていると、メアリーがやって来た。


【御子様、出立の準備が整いました】


 お、皆の準備も終わったか。ピヨ彦をスケルトンの子供達に預けてメアリーと一緒に神殿の門の前へ行くと、何時ものビノセ、パディカ、クオ、これに加えてスケルトン部隊と移動コンテナが10セット、集合していた。


【それでは、前回の前線基地から北上してエシータスク山脈へ参ります、出撃!】


 メアリーの号令と共に移動魔法で飛んでいくスケルトン部隊、全て見届け私達も移動する。一瞬で視界が変わって無事到着、基地に常駐してるスケルトン達が出迎えてくれた。


「お疲れ様です、ここ数日偵察をしていましたが、人種達に大きな動きは見られません、この基地に何度か攻めてきましたが、全て撃退しています」


 ハーピーの一人が報告を上げる、どうやら彼女もここに常駐しているようだ。ふむ、撃退出来てるってことは、ゴーレムとかは来てないっぽいな、流石にあれをどうこうするのはスケルトンだけじゃ厳しいだろう。近いうちにこちらもゴーレム作って対処するってクオが謂ってたけど。


「此処からエシータスク山脈までは人種を見ていないので戦闘は発生しないと思いますが、山脈では人種とドラゴンが争っているのを確認していますのでご注意を」


 ドラゴン、最強の種族って言ってたよな、そんなもんにまで喧嘩ふっ掛けてるとか何考えてんだか。若しくは何も考えてないのか果てさて……まあ行けば分かるか。

 基地用に積んできた物資を卸し倉庫へと運び終えると、私達は出立して一路北を目指す。遠くには白い山々が小さく見える、雪でも積もっているのか。


 何時もの様に進軍と帰還を繰り返すこと三日目、気温がグッと下がって吐く息が真っ白になり、あちこちには雪がうっすら積もっている。私やスケルトン達は平気なんだが、生身であるビノセ、パディカ、クオの三名は分厚い冬着を纏ってる。まあ、そりゃ普通寒いよねここまで冬景色じゃあ。


 ついには降りだし、進めば進む程増えていく雪の中、遠くで何か白くて大きな物が動いている。それはゆっくりと此方に向かって来ていた。


「あれは……もしやデスポーラグリズリーか、厄介なのが出てきたな……肉は旨いらしいんだが、問題はその強さだ。ドラゴンにも匹敵すると言われてるんだが……」


 名前も物騒だがドラゴン並み!?大丈夫なんかそれ……って、こっちに突進して来たんだが!?

 デスポーラグリズリー……長いから熊でいいわ、が雪煙を巻き上げ舌を出しながら狂った様に襲い掛かる。目標は私のようで、他には目もくれない、随分と熱狂的ですこと!!


 六本もある前足を豪快に振り回して怒濤の攻撃を繰り出してくる、全部大振りなんで避けられるとか思ってたら、その振る速度がやたら早い、ビュンビュンと鋭い風切り音を立てて鋭い爪で私の肌を傷付ける。こんな化物だとは、普通だったら即死するレベルだ。今までのゴーレムとは明らかに違いすぎる、これパワーだけでもこいつの方が上だろ。

 手数が文字通り多くて防戦一方、だが「手の数」ならこっちが上だ!!


 攻撃を防いでる以外の余っている触手で顔面をぶん殴ってやる……が、効いて無いのか猛攻が止む気配は無い、更に数発叩きつけてやるが効果無し、クッソ頑丈だなこいつ……ならばと顔面目掛けて乙女汁をぶっ掛けてみたが熊が常に腕振りましてるもんで上手く掛からず散らされてしまった。メンドクセー!!

 じゃあこれならどうだ、乙女汁ソードなら効くだろ……って効かねー!?何か剛毛で防がれてるし、脂肪が分厚いのか衝撃も伝わってる様に見えない。ドラゴンと戦ったことないけど、マジでドラゴンレベルなんじゃ?ゴーレムも硬いが違う方向で硬いぞこいつ、硬さに加えて柔軟性と弾力がある。

 もう後は魔法しかないが……風のスピンドリル……駄目、毛で何か上手く回転しないで相殺されてるぽい、土……駄目、デカいくせして俊敏で目標が定まらない上に気配で察知してんのか尽く穴を回避してきた。水もやっぱ駄目、ゴーレムすら易々と切り刻んだ超水圧チェンソーが毛で散らされて斬れない。


 ……いや、何こいつ、おかしいでしょ。しかも自分で判断して動いてるから単純じゃなくて、フェイントまでしてくる、厄介なこと極まりない。どないしよっか……


 ……よし、もう残ってる手段アレくらいしかねーや。腕あんだけ生えてんだ、多分効くだろ。そうであってくれ。


 熊が腕を振り上げた瞬間、風のブーストで背後を取ると組み付いてガッチリと四肢……いやもっとあるけど、をホールド。振りほどこうとジタバタもがくのを必死こいて押さえ付ける、絶対に離さん!!


 腕を触手で絡め縛ると、関節と真逆に目一杯捻ってやる。これは流石に効いたのか苦悶の叫び声を上げて一層暴れるが構わず続けるが、まだ大人しくならんので、首も絞めてついでに乙女汁で終わらせてやる!!


 腕を拘束されて防ぎようがなくなった顔目掛けてありったけの乙女汁を噴射すると、首絞めと乙女汁の硬化により窒息して、数分後、ようやく熊は盛大に音を立てて地面に大の字でぶっ倒れてくれた。


 ……倒せてマジ良かった、これで駄目だったら逃げることになったからな……すっげー疲れた。

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