触55・触手さん村を見て回る
「あ……あああ……そんな馬鹿な……」
隊長が呆然と立ち尽くし見ている中、私はゴーレムを超水圧チェンソーで斬り刻んでいく。胴体と片腕は既に切断したんで、もう片方の腕、両足、首も切り離す。
「や、やめ……やめろ……」
こんだけやればいいかな、と思ったんだが、念には念を入れとこうかね。分解した各パーツを今度はサイコロ状に細かく寸断していく。あ、サイコロステーキ食べたいな、今晩それにして貰おうかな、海底都市で貰った醤油まだ残ってるよな?白飯と一緒にかっこみたい、くぅー堪んねぇー!!
なんて涎垂らしつつ斬ってたらゴーレムのサイコロが出来上がった、こんなもんかな?良い仕事したなーっと。
「ゴ、ゴーレムが……あの方から賜ったゴーレムが……あ、ああ……御許しを!!御許しをぉぉぉ!!ひいぃぃぃー!!」
ぶった斬られていくゴーレムを見続けていた隊長が震えて叫び始めると何処かに走って逃げて行った。あの方……?まあいいか。
他の皆はどうなったかなと思っていると、あちこちからスケルトン達が出てきた、向こうも終わったぽいね。
メアリー達も集合して点呼を取り始めている、遅れて来たクオはさっきバラしたゴーレムが気になるのか何やら色々調べてるようだ。
【全員揃いました、基地内に残存兵力無し、制圧完了です】
暫くしてメアリーから報告が入る、うっしミッションコンプリートだ。逃げてった隊長は何か半狂乱で襲い掛かってきたらしく、ビノセが仕留めたらしい、ありがとうビノセ。
【ではここに一部を残し一旦撤収しましょう、他の箇所同様に今後は我々が使用、防衛に当たります】
二部隊程スケルトン達を残して私達は帰還、この先に連なるエシータスク山脈へは此処からのスタートになる。
【では、撤収!!】
メアリーの号令の元、各スケルトンコマンダー達が帰還魔法を発動させ次々と神殿へ戻っていく。残ったスケルトン達の敬礼を見届け私達もメアリーと共に帰還した、最早軍隊だなぁ……
我が家に戻ると住人達に出迎えられる、周囲を見るとハーピー達が建築作業の手伝いで丸太を掴んで飛んでいる。この勢いだとすぐ敷地埋まりそうだ。
そういや畑はどうなってんのかな、メアリー達と別れてそっちの方へと向かってみると、スケルトン達が収穫をしていて、新しく出来ていた倉庫に運び込んでいる真っ最中だった、結構出来てんな~……って、今稲が見えたような……え、もしや米作ってらっしゃる!?……あ!!良く見たら水田出来てる!!やった、白飯食える!!日本人ならやっぱ白飯でしょ!!
運ばれて行く稲をウキウキしながら見てると……はて?ドワーフが運んでるの、トウモロコシと……サトウキビかなアレ、それだけ違うとこに運んでんな、何だあの小屋?
なんか気になったので、倉庫横にある小屋にドワーフが入って行ったのを追って入口から覗いて見ると……何じゃこりゃ。
中にあったのは沢山の大きい樽、これ酒樽か?何やらスモーキーな香りが漂っている。中を見ていると、別のドワーフがトウモロコシを運んでやって来た。
「お、戻られましたか御子様、此処が気になりますかの、中で酒を今作ってましてな、酒精の強い酒がそのうち出来ますぞ、待っていて下され」
そう言うと中に入って行った、酒作ってたんかい、何時の間に……
何か色々作り始めてんなぁ、後無いのって牧畜くらいか?家畜居ないしなぁ、牛とか豚見たことないし、オークは居るけど種が違うし、人間扱いだからな。人種じゃないよ人間な。
あ、そういや畑もそうだが森どうなってんだろ、そっちも見に行ってみっか。森切り拡げる言ってたしな。
魔方陣を経由して下層に降りて洞窟の外に出ると……おお、切ってる切ってる、ドワーフとオークそれにスケルトン達が混じってノコギリや斧で木々を伐採していた。
「おや、これは御子様、敷地も手狭になりつつあるんで森の木を切って土地を拡げているところですよ」
作業中、此方に気がついたオークが斧を担いで声を掛けてきた。
「洞窟の入口を境にして左右に拡げてましてね、片方は建物、もう片方は畑とかにするつもりです。この森だいぶ広いですからねぇ、やろうと思えば国も出来るでしょうね、では」
オークは軽くお辞儀して他の作業者達の方へと歩いて行った。国かぁ……そこまでいくと色々大変そうだけど……ちょろっと見て回って神殿に戻る。しっかしスケルトン達増えてきたなぁ、もう村レベルになってて、あちこちで作業をしている。端から見るとホラー過ぎるが。
空を見るとうっすらとオレンジ色に染まりだし日も傾いてきた、もう夕方か。と、あちこちで白い明かりが灯りだす。え、何だこれ、街灯!?
建物の入口や道に何時の間にか取り付けられていたランプが煌々としている。……あ、これウチャデ鉱脈で見たランタンと同じだわ、原理分からんけど、明らか火じゃないし。蛍光灯の様に輝くそれを横目に自室に戻っていく、今まで蝋燭だった照明が全部外のランプになっているのは心底驚いた、スイッチまで付いてやんの。




