触54・触手さん切り刻む
電撃の激痛と火炎の熱さでのダブル攻撃、これは堪ったもんじゃない、朦朧としてくる中考える、どうすればいい?どうすれば防げる?網で動けないから風で移動は無理、水で火を消しても電撃がキツくなるだけ、ならば……
私は土の壁を形成して目の前に設置し、網を壁で取り込んでまずは電撃を遮断、ついでに火炎放射もこれで防ぐ。これで攻撃からは一旦耐えられる。さて次はこの網だが……と、一つ閃いた。
口から魔法で水を噴射する……但し超高圧の。まるでカッターの様になった水が金属製の網を圧し斬っていき、あっという間にバラバラにした。
「な、何だと!?」
それを見て隊長が驚愕の声を挙げる、よくもやってくれたな、今度は此方の番だ。また網で捕獲されると面倒なんで風の魔法で小まめに高速移動を織り混ぜていく、ジェット噴射し続けてるとあっという間に魔力が枯渇すんで低燃費に。試作一号機とやらも所詮は鈍足のゴーレムでしかないのか、腕を振り回して殴ってきたり、火炎放射を時折してくる程度で当たることはない。予備動作が見え見えで回避は余裕で出来る、とはいえ他にも何か攻撃手段を持っている可能性は充分にあるので注意は怠らない。
右腕を振り上げ叩きつけてきたそれを回避し、乙女汁ソードで斬りつけるが鎧で弾かれる。こいつ硬すぎじゃね?何で出来てんのこれ?何度か斬るも少々傷が付く程度、こりゃ駄目だな、やっぱドリル攻撃か。
一旦距離を取り風の魔法を発動、乙女汁ドリルを生成して自分事高速回転し突っ込んで行く、ガガガガガと派手な音を立てつつゴーレムを……削れない!?
接触している箇所から火花が散っているが攻撃が通っているように見えない、どんだけ頑丈なのよ?これも駄目なんかい、火炎放射をする動作が見えたので回避して離れる。
多少は傷ついてるし攻撃し続ければいつかは倒せるだろうが……そんなんこっちの魔力が尽きてしまう。こうなりゃいっそ他の同様に埋めちまうか。土の魔法を使ってゴーレムの足元に穴を開けようとした時だった。
「ゴーレム、高速形態起動!!」
隊長が叫ぶと、何とゴーレムの脚から煙が吹き出して……浮かび上がった。まずい、これだと落として埋められないじゃん!!
「試作一号機が今までのゴーレムと思わないことだ!!」
くそっ、落とせないのであれば壁で閉じ込めるか!
魔法で土の檻を作ろうとすると浮いたゴーレムの背中から火が噴射しこっちに凄い勢いで突っ込んで来た。
うお!?あっぶね!!予想外の行動に驚くも風魔法のジェットブーストでギリギリ左に回避する、アニメのロボットか何かかよ!!何その技術。
後方へ飛んで行ったが横に一回転すると再度突進してきたのでまた避ける。不味いぞこれ……あのでかさでロケットみたいな推進力、流石に土の壁で防ぎようが無いし、速すぎて捕獲も出来なさそう。これ詰んでない?何か良い方法ねーか……う~ん……
……と、ふと閃いた。アレならイケるのか?思い付いたら即実行、性懲りもなく真っ直ぐ突っ込んでくるゴーレム、動き単調過ぎなんだよなこいつ、流石にもう慣れた。さっき金属の網を斬った時のように水を超圧縮して口から噴射、やって来たゴーレムをすれ違い様にそれでぶった斬る、どうよ!!
ぶしゃああと水飛沫が上がりつつ通過して行ったゴーレムは……速度も変わらず再び飛んでくる。いやいやこれでも駄目とかもう打つ手ねーぞ!!
……と、良く見たら結構ザックリと斬り後が付いていた、今までの攻撃で一番大きい傷だ、どうやら一応はダメージが入るっぽい。そうと分かれば攻撃を繰り返すのみなんだが。
「よし、そのまま続けろ!!」
あの隊長脳筋なんだろーか、当たりもしない攻撃続行させるってお前……まあ楽でいいんだが、そろそろ魔力残量ヤバそうなんで決めさせて貰うぞ、疲れたし。さて、ずーっと攻撃繰り返す訳にはいかなくなってきたんで時間かけずに済ますにはどうすればいいかね、普通に斬ってるだけじゃ無理だしなー、威力もっと上げる方法……これ以上水圧上がんないし……ん~……あ、そうだ、チェーンソーなんてどうだ?普通に斬るよりダメージ入りそうじゃん?
えーっと、こー水で長い楕円作ってー、何ヵ所か水の刃噴出させてー、んで高速回転!!どうよ!!
盛大に水を撒き散らすチェンソーが私の口先に出来上がった、うっしゃー、バラバラに切り刻んでやらぁー!!神みたいになれやー!!!
馬鹿の一つ覚えみたいに突進して飛んでくるゴーレムを右に回避しつつすれ違い様に斬りつけると、水飛沫がブシャアアと音を立て撒き散らされる、どうだ!?
振り返って見ると腰の付近が大きく抉れている、そのせいか動きが不安定になって左右にガタガタ揺れながらまた突っ込んできた、うっし効果有り!!
「怯むな!!攻撃を止めるな!!」
いいや、悪いが止めさせて貰う、次で決めるぞ。
抉れた箇所を再度斬りつけ……ゴーレムの腰がゴリゴリと削られていって、切断される。上半身と下半身が分断されて、姿勢を大きく崩し、盛大に音を立てながら地面に転がった、推進部分が壊れたのかまた浮いたりはして来ない。
「し、試作一号機がやられただと!!?う、動け!!動け!!」
残念だがもうそいつは動けんよ、ジタバタともがいて当たりもしない火炎放射をする腕を超水圧チェンソーで斬り飛ばす。一応バラしとくか、変な事されても困るしね。
さあ、ゴーレムの解体ショーの始まりだ。




