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触手さんは今日も這いずる  作者: トイレの花子
序触・触手さん原始編
53/82

触52・触手さん陣取る

「う~食った食った……」


下層で手当たり次第にスライムを叩いては食べ、叩いては食べ、腹一杯になったので神殿へ戻ってきた。

もう食えんわ~、とりあえずこれで暫くは乙女汁も大丈夫でしょ。

神殿の門の外ではクオがコンテナへと積み荷を運ぶ作業を行っていた、スケルトン達がバケツリレーのように次々と品を流してくる。


「お帰り、これが積み終わったら出発しようか」


クオに軽く手を振って自室に戻る。

特に持っていくようなもんは無いしな~、と、壁掛けフックに吊るしてる麻袋に目が止まる。

そういやここんとこ、この袋使ってないなあ、食い物とか詰める必要性今無いからなぁ……干しとくか。

麻袋を手に取るとベランダの外にある柵に引っ掻けておく、雨降っても濡れんしこれでいいだろう。


それとピヨ彦は今回もお留守番、というか今後の戦闘考慮すると連れて行けないんだよなあ……いうてデカいとはいえ雛だし。

時間見つけて遊んであげるから許せピヨ彦、不甲斐ない母親で御免よ。


ん~っと、他には何も無いしこれでいいかな。

自室から出て門の前に来ると、コンテナが6台と、本隊であるメアリー、スケルトン達、ビノセ、パディカ、クオ、分隊のスケルトン軍団が揃っていた。

こうして見ると増えたなぁ。


「よし全員揃ったね、では分隊は各地へと赴き活動を開始、くれぐれも無理はしないように。私達は第一補給拠点へ向かうとしよう、健闘を祈る」


メアリーの合図で分隊が移動用の魔方陣に次々と乗っては消えていく、下の溶岩地帯通って行くわけにもいかんし。

分隊が全部移動したのを確認して私達も追従する。


下層の洞窟を抜け森を抜け、分隊は方々へと散って行った。

それを見送ると私達は北へと向かう、まずは第一補給拠点だ。


キュルキュル音を立てながら草原をひた走るコンテナ、私が乗るとその時点で結構ギッチギチだったんだが、拡張されてかなりゆったり、その上もう一両後ろに連結されて二両編成になっている。


先頭に私とクオ、後続にメアリー、スケルトン部隊、ビノセ、パディカが搭乗。

遠くの方ではオエー鳥が編隊を組んで吐き散らしながらドタバタ疾走している姿が見える。


「ゴブリン達によると、第一補給拠点はここからもう少し先にあるらしいが、地図で見たよりかは遠くないようだね。どうやら割と新しく建造されたみたいで、人種のエシータスク山脈侵攻開始はここ最近なんだろう」


クオがコンテナを運転しながら説明をしてくる。

てことは、山脈に着いたら人種がドンパチ繰り広げてる可能性もあるのか。流石にドラゴン相手に楽勝何てこと無いだろうしなぁ。


ところでこのコンテナ、運転操作がまんま自動車である。

円形のハンドルで方向切り替え、シフトギアにアクセルとブレーキ、ハンドルの奥には照明レバー。

日本人だった時は免許でも持っていたのだろう、ドライブ感覚でクオは操縦している。


日が少し傾きかけた頃、草原の中に建物が幾つか建っているのが見えてきた。

あれが第一補給拠点だろう、コンテナで移動してたせいか以外と早く着いたようだ。


「さて、どう攻めよう……おや?」


クオが懐から何か取り出してそれを覗く、双眼鏡だ。

少しの間観察しているとクオがふむふむと呟き降ろす。


「補給拠点へ物資を運び込んでいるようだが、気になるものがあった。大きい檻なんだが数名捕らわれているね……よし、あれの救助を最優先、それから拠点は占拠してしまおう」


救助と占拠ね、そうなると正面から殴り込みかける訳にもいかんか……あ、だったら調度いいのあるわ。

私の作戦を皆に伝えるとコンテナを近くにあった、岩場へ隠して実行開始。

この辺り、何せ開けてて身を隠せる場所がほぼ無い、つまりこっそり近寄るのが無理である。じゃあどうしようかって~というと。


新しく使えるようになった水の魔法で大量の霧を発生させて、それを風の魔法で撒き散らした。霧はあっという間に分散し、私達を隠す。


充分広がったのを確認して拠点へと進んで行った。

さて、拠点の入口までやって来たが、結構静かだな……この辺濃霧発生珍しくないんかね。まあ調度いい。

視界が遮られていて数M先も見えないんだが……ここで久しぶりのサーモアイである!!

フッフッフ、見える、見える、槍持った兵士が二人。

メアリーに触手伸ばしてタッチで合図を送ると、メアリーはスケルトン達に指示を送って兵士の首をかっ斬って音も立てず倒す。

そして拠点内へと侵入、各々分散して内部を制圧していった。


方がつくまで然程かからず、あっちゅー間に完了。


【制圧、救助、共に完了しました】


拠点の入口で全員集合、メアリーの後ろから救助された者達がついてきていた。


「いや~助かったッス!!」


上半身は人間だが、背中に大きな鳥の羽根と両腕にも小さな羽根、下半身は鳥。

これ、ハーピーだよな?


「牢屋にスケルトンが入って来た時は何事かと思ったッスけど。あーしはハーピーのピィって言うッス、この群れのリーダーッス」


ピィが右手を出してきたので私も触手の一本で握手する。


「皆さんは何故ここに?あーし達を救いに……って訳じゃないッスよね?」


「私達はここを含め、人種の拠点や基地を潰しながらエシータスク山脈へ向かっていてね」


クオが説明に入る。


「成程ッス、人種はあちこちに色々作っては広がって行ってるッスからね、皆困ってるッス」


「それでだ、それに伴って保護も進めていてね、もし良ければ君達もどうだろうか?」


「ほんとッスか!?実はあーし達の集落が人種に襲われて行く場所が無かったんッス、ここに居る皆以外とは散り散りになるしで、お願いしたいッス!!」


「では神殿へ案内しよう、今日はここで宿泊しようと思うけど、どうかな御子様」


私的には問題ないのでOKを出す。

メアリーは一旦ハーピー達を連れて神殿へ、残った私達は倒した兵士の死体の片付けと、返り血等で汚れた箇所の掃除にあたった。


まずは陣地拡大の一歩達成だ。

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