触50・触手さん開拓会議をする
海底都市から帰還魔法で戻ると、ピヨ彦がピヨピヨ鳴きながらこちらに走って来たので抱き上げる。
…………何かでかくなった?一回りくらい大きいような、つか重い。
コカトリスって成長早いんだろうか、まあそれはさておき。
神殿から離れた所に大きな建物が出来ていた、木造5階建てのマンションぽい。
「ほっほっほ、とりあえず一棟建てておきましたぞ」
後ろから声がしたので振り替えるとドワーフの一人が髭を弄りながら立っていた。
中々いい感じに出来てるじゃん、グッジョブ!!
「で、今後のことなんじゃが、皆で色々考えましてのう。居住者が増えてくると、どうしても何かと足りませんでの、なら周囲一帯を開拓するのはどうじゃろうかとなりましてな」
ほ~開拓か~、確かになぁ。畑作ってはあるけど限度あるしなぁ。
あ、そういや今畑どうなってんだろうか、見に行ってみよう。
とりあえず開拓の件は許諾して伝えると、ウンウン頷いてドワーフはマンションの方へと歩いて行った。
【私はお食事の支度に参りますね】
「我々は自室へ」
「私も荷物とか置いてくるよ」
メアリー達が各々散って行ったので私は畑の方へと這いずっていく。
別に急ぐ訳でないので風魔法で飛ぶ必要もないし。
畑ではスケルトン達が農作業をしていた。
何か色々植えてある、え~っと小麦粉にトマトに、人参ぽいのと……
これサトウキビか?よく見たらトウモロコシもあるな。
…………?はて?ルーデ海行く前ってまだ芽も出て無かったような……
まだ一週間経ってないが?
『ふっふっふ、どうだい?見事に育ってるだろう?』
頭に?マークを浮かべていると、土の大精霊が唐突に左横へ現れた、うおビックリした!
『普通はこんなにも早く育つことは無いんだけどね、そこはこの僕、土の大精霊の力でちょちょいと成長力を上げたのさ』
両腕を組んで自慢気に説明してくる、ほ~、便利なもんだな。
何か、さあ褒めるが良いって顔してるんで適当に褒めといた。
周辺を見て回って神殿へ入ると片付けをしているクオに呼び止められた、一時間くらいしたら食堂で今後の会議を行うらしい、次の行先の件や、さっきの開拓話をするとのこと。
了承して自室に戻りだらだらと時間を潰し、そろそろかなと食堂へ行くと料理が既に並べられていた。
本日の昼食は、貰ってきた折り詰めに加え野菜の煮物とカブの浅漬け。
……そういやメアリーの料理ってちょいちょい和食混じってんだよなぁ、何処で覚えたのやら、しかもちゃんと醤油が使われていたりする。
海底都市で寿司食った時も醤油出てきたんだけど、普及してんのかね。
「あ~、皆、この後会議を行うから、食事が終わっても全員そのままで待っていてくれないかな」
クオが大きな声で食堂内に居る全員に声をかけた。
皆が頷くと、ありがとうと手を挙げて食事に戻る。
カブをポリポリ齧りながら、どんな内容かなと想像する。
うん、このカブいい塩梅で旨いな。
食事を終えて寛いでいると、メアリーが大きなホワイトボードをガラガラと運んで来た。そしてその前にクオが立つ。
「皆食事は済んだようだね、ではボチボチ会議を始めようと思う」
食堂内にはメアリーとスケルトン達少数、ビノセにパディカとクオ、そして数人のドワーフにオーク。それといつの間にやら土の大精霊。
ピヨ彦は外で遊んでいる。
「それでは今回の題目は、今後増えるであろう住人に対応した開拓だ」
進行役のクオがホワイトボードへ、つらつらと書き記していく。
「まずは現在の住人の数、それから住居と食料事情、そして余っている敷地面積…………ざっとこんな感じだ」
ふ~む、まだ神殿周囲は土地余ってるけど、そこまで余裕は無いのか。
「食料確保も考えると、畑はもっと必要だな」
オークの一人から意見が上がる。
「住居も、縦に伸ばすにしても限度があるしのぅ」
ドワーフからも助言が入る。
「そこでだ、神殿周囲だけではなくこの『揺り籠』の外、周囲の森も開拓範囲にしようと思う」
食堂内がざわつく、あの森か、確かに面積広そうだったけど。
「そして、いずれはこの地を村から街へ、いや国に発展させようと思う、人種への対向として」
より一層ざわめきが大きくなる、国……国か、とんでもないこと言い出したなクオ。
でも、面白そうじゃないか。
「く、国か、随分と規模がでかいのぅ、しかしそうなると色々足りんなぁ……その辺はどうするんじゃ?」
確かに、何が足りないって人手である。
「そうだね、これに関しては考えがある。一つはメアリーのスケルトンだ、増やす事が出来るとのことなんで彼女に協力して貰うことにする。これは既に了承を得ている」
言われてメアリーが頷く。
「もう一つは、各地に居る者達の収容だ。放って置けば人種による被害は増える一方だ、被害をこれ以上拡げない為にもなる」
皆が口々に意見を交わし始める。
「そうなると今のやり方では時間がかなりかかりそうじゃのう」
うむ確かに、各地って言うけど、これ多分世界規模だよな?どんだけ広いか分からんけど、数十年でも全く足りんよなぁ……
「そこでだ、まずは救助及び収容する為の部隊を増やす。メインを御子様含めた主力部隊、そして、有志による副部隊だ。これにはメアリーの補充するスケルトンに加えて、救助収容した者達も加える事にする。強制はせず、協力してくれる者に頼むことになる」
成程ね、ただこれでも相当時間がかかるよなぁ、モル大森林にウチャデ鉱脈、ルーデ海ですら片道一週間ザラだし。
「後は、移動方法の速度アップだ、今のままでは到底間に合わないからね。まずは今使ってるコンテナの大型化及び大量生産、そして……飛空船の建造を行う」
飛空船!!作れるのか!!?
ファンタジーのロマンである飛空船を!!!
「実は前々から設計はしてたんだけどね、大量の物資が必要だったのと、人種のせいでウチャデ鉱脈が占拠されてしまっていたからね」
あ~、あの状態じゃあねぇ……
「でも今はそれも解決したからね、こちらに移住はしたものの、ウチャデ鉱脈での採掘は続けていくつもりだ。最大限警戒を怠らずにね」
まあスケルトン部隊をつけておけばそうそう危険なこともないか。
「以上が開拓についてだ、どのように広げるかは都度相談しよう。外はゴブリン達が既に畑を幾つか作っているからね。さて次なんだが」
ホワイトボードに書いた内容を消すと一枚の地図と、何か書かれた紙を数枚貼りつける。
「まずはこの地図だ」
貼られた地図には何ヵ所か丸と三角のマークが書かれている。
「これには人種の前線基地と補給拠点が記されていた、丸いのが前線基地で三角が補給拠点、これがエシータスク山脈にまで続いて点在している、これを叩きつつ山脈へ向かおうと思う」
エシータスク山脈、ドラゴンが住んでるんだっけ。
「……でだ、こっちの資料なんだが」
クオの顔が曇る、どうしたんだろう?
「……正直、非常に良くない事が起きていてね」
「……人種が恐怖を克服しかけている…………」




