表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
触手さんは今日も這いずる  作者: トイレの花子
序触・触手さん原始編
46/82

触45・触手さん泳げない

は~あっちぃぃ~……


砂漠を移動して数日、物資の補給等も兼ねて神殿へ何度か戻りつつ、先を進んで行く私達。

如何せんこの暑くてカラッカラの状況には慣れない。

せめて海辺の砂浜ならな~、水っ気の一つもありゃしない。


まあ日本の夏みたいな、湿気で不快な暑さって訳ではないんでまだいいんだけど、

一応幌のお陰で直射日光は防げてるし。


水筒の中身をちゅうちゅう飲み暑さを紛らわす。

魔法でどうにかならんかなとも思ったんだが、絶えず出してると魔力が持ちやしないんで却下。

一瞬で出すのと維持し続けるのとでは消費量が雲泥の差なのだ。


幸い、あれから魔物の襲撃も無く平和に進んでるだけマシか。

暑いけど。


さて、水筒の残りも数本になり、また戻らないと駄目かなと思っていた矢先、空気が変わった。

うっすらだが塩の香りが風と共に漂ってくる。

これはもしや……?


小一時間程進むと、遠くに青い物が見えてきた。

う、うみぇだー!!


水面が日に照らされキラキラと輝いている。

そして強くなってくる潮風、これはまさに海だ。

ドンドン近づいてくる海に心がときめく、あ~思いっきり游ぎたい!!


……ん?何か潮風に混じって変な臭いすんだけど……気のせいか?


まあいい、海だ、今は海だ!!

逸る気持ちを抑え、早く到着しないかと待ちわびる。


……そして絶望した。


汚ねぇぇぇぇぇ!!!

何これ、あっちこっちゴミだらけ。


到着した海岸は無数のゴミ!ゴミ!!ゴミ!!!

大小様々なゴミで溢れている。しかも臭い!!


海も何か濁ってて泳ぐ気にもなれない、マジ何なん?


「いやはやこれは……」


「これは酷い」


クオとビノセも困惑している。

ノー!!私の海水浴がー!!!


思わず触手をぶんまわす。

くっそー海を満喫するつもりだったのに……

汚ない海に心底ガッカリしていると……何か聞こえてきた。


……争ってる?


騒ぎ声のようなものが聞こえてくる方へと私達は向かった。


先程の場所から数100Mくらい離れた所で戦闘が行われていた。

砂浜には沢山の人種達、そして海面には……


【……イカ?】


そう、イカが暴れている。


但しクッソデカい。

大型船くらいのイカが人種達相手に大暴れしているのだ。


「あれは……もしやクラーケンか?」


「そのようだね、私も初めて見たよ」


ビノセとクオがイカを見て口にする。

は~クラーケンか、ダイオウイカでもあそこまではデカくならないんじゃ?


クラーケンの触手による凪ぎ払いで数名が盛大に吹き飛ばされる。

だが人種達も矢や魔法で応戦、更には……あれは大砲か?

大きな筒状の物から爆発音と煙が出て、砲弾がクラーケンに直撃している。


どうやらクラーケンは劣勢のようで、押されてるみたいだ。

必死に触手を振り回すも人種達の攻撃は止みそうにない。


「ふむ、これはいかんな、あのクラーケンに助勢しよう」


【え?あれ助けるの?魔物と人種が争ってるだけちゃうの?】


「クラーケンは魔物じゃなくて、我々と同じでね、知性も理性も持ち合わせている」


成程、デカいイカの魔物じゃないわけだ。

となれば助太刀あるのみ、一気に近づいて攻撃開始だ。


メアリーとスケルトン達が先手を切って弓兵と魔法使いに切りかかる。

ビノセとパディカは砲兵を、クオはコンテナに仕込んでたらしい、銃器で援護する。

そして私はクラーケンに飛んでいく飛び道具を風で吹き散らす。


「な、何だこいつらは!!」


「援軍か!?ええい怯むな、迎撃しろ!!」


横から攻撃されてたじろぐ人種達。

海岸が一気に騒がしくなった。


そしてバッタバッタと倒されていき、優勢だった人種達は劣勢に追い込まれる。

更にクラーケンの攻撃で吹っ飛ばされていく。


「く、クソッ!て、撤収だ!!引け、引けー!!!」


隊長らしき男が叫ぶと、連中は逃げて行った。

やれやれ、泳げなかった鬱憤が少し晴れたぞ。


クラーケンは大丈夫かな。

そちらを見ると、クオが何やらクラーケンと話をしている、クラーケンって話せるのか。

暫くすると話終えたのかクオがこっちに歩いてきた。


「どうやら彼は私達を海底へと招待したいらしい、そこで詳しい話もしたいそうだ」


ほ~海底か、助けた亀に連れられて~って感じだ。

でもどうやって?


するとクラーケンが触手を一本高くかざした。

海面からボコボコと泡が立ち昇り、デカくてまん丸の球体が浮上してきた。


「これに入って潜るらしい」


コンテナでもすっぽり多い尽くすくらいのサイズがある。

接岸したそれに全員コンテナ事乗り込むと、それはクラーケンと一緒に海中へと沈んで行った。


さてさて、待っているのは竜宮城だろうか?

鯛や平目の舞い躍りに乙姫様か、期待が膨らむぜ。


しっかし海の中濁ってて何も見えんな~、どんだけ汚れてんのさこの海。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ