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触手さんは今日も這いずる  作者: トイレの花子
序触・触手さん原始編
1/75

触1・触手さんは洞窟の中に居る

薄暗く、湿った感覚にゴツゴツした岩肌が広がる空間に私は居た。


鍾乳洞か何かだろうか、天井から垂れた岩からはポタポタと水が滑り落ち床に小さな水溜まりを形成して、岩に生えた苔のような物からはうっすらと光が漏れていた。


「...何処だここ?」


う~ん、確か寝る前までゲームしてて眠くなったからベッドに寝転んだはずなんだが、私の部屋はこんな陰気臭い洞窟の中では決してないぞ?


「...とりあえず起きるか」


そう呟いて身体を起こそうと思ったのだが...うん?起きれない...?というか起き上がってる感覚がする、が、何か変だ。


足の感覚が無いっていうか、正確には『二本足』の感覚が無い。

なんつ~か、尻で立ってる感覚に近いか。


後、声がちゃんと出ない、「ぐぼぼぼぼ」とまるで詰まった配水管のようだ。

風邪でも引いたのかと、おもむろに右手を口元に持っていきそれに気付く。


「...何か手丸くね?」


やはり声がまともに出ないが、それよりも右手だ。

手先がえらい丸い、丸いっつーか字で表すと「つ」よーく見ると指が一本も無い、

正に「つ」


「なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁ!!?」


え?寝てる間に指もげたの?マジで?

慌てて左手も見るがそちらにもやはり一本も無い、つるっつる。

慌てて両手をぶんぶん振り回していると、更に気付く。


うん...?気のせいかな、今視界に手が複数見えたような...?


えーっと?...1、2、...3?...4...???


一本一本目の前に持っていき数えていく。

...うん、10本あるぞ?指じゃ無いね、多分手...いや、指無いし腕...?


それぞれ動かしてみると、こー、腕を振り回してるように全部動く。

指動かしてる感覚に近いんだが関節が無いようでウニョウニョ動く。

あれだ、ゴム手袋に水入れて、指をゴム手袋の第二関節辺りまで突っ込んで、指プルプル振る感じ、あれっぽい。


「なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁ!!?」


まてまてまて、私の身体どーなってんの?

どー見ても人間じゃねーぞこれ!!?か、鏡、鏡無いか?


慌てて周囲を見渡すもそこは洞窟、そんな物は有るわけも無く...ん?あそこ、水溜まってる?


良く見ると奥の方に、鍾乳洞から滴った水が池の様になっていた。

...あれで身体見れるかな。

私は尻(多分)をずりずりと這いずらせながら移動していった。


..まさかあんな姿になっているなんて、この時の私は思いもしなかったのである。

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