シーギャング
風魔視点
「日野!」
ウオォォォ!!!
何かの鳴き声がした。
「話は後にしてもらいますかね?鬼は少しずつここに閉じ込められてる事に苛ついてきているようです」
なかっちゃんがそういうと、日野さんはこちらに一度頭を下げて扉の向こうへ行く。
やまちゃんは日野を鬼の元へ行くことを阻止しようと日野の元へ行こうとすると、奇抜な服装の男2人が現れこちらに向かって棍棒のようなものを振り下ろしてきた。
「あぶない」
パン!
男2人組の1人が振り下ろしてきた棍棒を刀の腹で受け、左足を上げて棍棒を蹴って少し距離を離す。
今度は右側の男が棍棒を振り下ろしてくる。
それを右足で地面を蹴り上げて避ける。
「何なんだ、急に。危ないじゃないか!邪魔だからどいてくれないか?」
倒れた状態ながらもやまちゃんがすぐに立ち上がり叫ぶ。
「やまちゃん、こいつらには何言っても無理」
この2人組は悪いうわさが後を絶たない男たちのはずだ。坊主頭でスーツに棍棒。シーギャングとか名乗っていたはず。戦闘気質で何かと理由を付けてくるやつらだ。
後、すごくダサい。
「お二人さん、山本さんには危害を加えない約束でしたよ?」
「チッ」
「それぐらい分かってるよー、この女が居るから問題ないと思ったんだよねー。兄ちゃん」
「当たり前だろ」
なかっちゃんがそう発言するも一向に武器を下ろさない男たち。
「それに、この女の事は何も約束してないしねー」
「わかったなら退け、邪魔だ」
「わかったならおじさんも退いてね。あ、後ここから先へ行くなら手が滑っちゃうかもねー」
やっぱりこうなった。こいつらに関わるのはめんどくさそうだし2人居るし嫌だな。
「やまちゃん、鹿の防具使う。出して」
「は?だってあれは売りに出すじゃ?まあ分かった」
一度やまっちゃんがなんで?という顔をして反論をしてくるが、すぐに嫌々ながらも出してくれる。
「ありがとう」
ガンッ!
そう返事をした後に地面に刀を刺し祈る形で手を組む。気を高めて身体の頑丈さを上げるスキルだ。
タンッ
そう音が聞こえた頃には風魔は俺の前から消え左側にいる男を斬りつけていた。
「チッ邪魔するなよ」
「えー、いいじゃないか兄ちゃん、ゆっくり痛めつけていこうよー」
が、簡単に男たちの棍棒に受け止められた。斬りつけた時に重心を低くしていたためすぐにジャンプをし一回転しながら棍棒を持っている手首を蹴りつける。
コン、コロンコロン
男の手首側を蹴ったことにより、棍棒が手から離れ私の近くまで転がってくる。それを後ろに蹴っ飛ばし男から棍棒を離す。
「兄ちゃん、ゆっくりね、二人でやろう」
すかさずなだめに入る弟。
「許さねぇ、お前は下がってろ」
「あーあ、また僕の出番ないじゃん、まあ止めは頂戴ね、兄ちゃん」
「ああ、好きにしろ」
どう出てくるか様子を見たが、焦っている様子はなく、何処か余裕があるようだ。
その余裕、少し苛つく。
ただ、ここで手を出して2対1の状況は作られたくないと思い言葉を飲み込む。
その後、左側の男は空間からどこか底光りしているガントレットを取り出す。特徴的なガントレットだ。拳の内側には尖った歯のようなものまで生えている。それに肘の先あたりまで伸びていて腕を補助しているようだ。
ガンガンガンガン
腕同士を何度も合わせ音を立てた後にゆっくりと近づいてきて、急加速する。
刀で相手の事を真向斬りするも、腕まで伸びているガントレットに防がれてそのままの勢いでタックルをしてくる。後ろに飛ぶも片足が掴まれる。肉にトゲが刺さり血が出てくる。
「くっ」
空いてる右足でガントレット毎蹴り上げ掴まれてる足を離させる。ガントレットを蹴った足も傷つき血が出ている。
(あの武器は何?)
体を頑丈にしているにもかかわらず簡単に皮膚を貫かれ傷がつく事に冷や汗をかく。
「おじさんはここでおとなしくしておこうねー」
「なんなんだ、触るな!ぐあぁぁ」
弟の方にやまっちゃんが掴まれ壁の端まで連れていかれ床に座らせられる。座らされる時に少し痛がる素振りを見せながら少しぐったりとしてる。
何をしたの?少しぴくぴくと震えてる?電気?
「オラオラオラ!よそ見してる暇ねぇぞ!」
ガンガンガンとガントレットを振り回し、施設毎破壊しながらも暴れ続ける。
「くっ、馬鹿ぢから男」
足からはボタボタと血が滴り落ち、かなり痛々しい状態だ。再度男が突っ込んでくる。後ろに下がりながら相手の攻撃をいなしていた。
後ろに壁も迫っておりかなり不利な状況だ。
私は一度前蹴りをし、鹿の装備の力を利用して敵を蹴飛ばし距離を離す。再度剣を地面に刺し気をためて、今度は力を増すスキルを発動させる。2つまではスキルを同時に発動させてもそこまで負担が大きくはない。
敵に近づかれて壁を背にしないように今度は自分から近づき鹿の防具の力も使い加速する。姿勢を低くして低い姿勢から敵の目の前で真上にジャンプをしながら逆風斬りをする。
防御が出来るようにわざと初速を遅くし、真上に思い切る瞬間に加速する事によって相手にガントレットを使って防御させることに成功した。
逆風斬りと同時にジャンプをして勢いを増し、天井まで相手を吹き飛ばす。勢いは衰えず天井を壊して相手は飛んでいく。弟が遠くにいる間に動けない状態にするために天井裏まで飛んでいく。
そこには白い鬼がいた。
視点が変わりまくってしまって見づらくて申し訳ありません。今後改善していきたいです。