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新しい世界

ケン視点

「ハッ!」


「ギィィシャァァ」


 研究所からある施設に向かう途中でモンスターに襲われてはやっつけての繰り返し。強くなれる相手なら良いけど、外に出てるモンスターは弱い。基本邪魔なだけ。


「時間がないっていうのに、鬱陶しい!」


 車での移動は目立ってしまい予期せぬモンスターを呼び寄せてしまうということで徒歩での移動になったが、予想以上にモンスターが多くてなかなかたどり着けないでいた。


「ハッ!」


 鹿の魔物を倒す。こいつは鳴き声もでかく気持ち悪い。それによく逃げる。あちこちから鳴き声がするのはこいつのせいだ。それに今日は多い。


あ、これはラッキーだ。


鹿の腰当て(ユニーク)

防御力:49

スキル:跳躍力強化 野生の勘 


「ちょっと待って、ユニーク出た」


 そう伝え、山本に鹿の角が生えている腰当てを渡す。ユニークアイテムは1%ぐらいの確率で出るらしい。そのせいであまり効果が良くなくてもコレクターに売れる。見た目も多少変わるし。


「これを売りに出してほしい。売れたお金の7割くれるなら今日の警護代はいらない」


 山本は苦笑いをして防具を受け取ったあとに、安物の収納袋に入れる。


 研究所が見えてきた。遠くからでも黒い物質に覆われていてすぐわかる。カバンから紙に包んだベルを取り出して鳴らす。


チリンチリン


音を立てずに、黒色で覆われた施設の扉がゆっくりと開いていく。


「いつ見ても不思議だな」

「うん、無駄遣い」

「ははは、良いこと言うねぇ。これからもよろしく頼むよ!いつか本名も教えてくれると嬉しいねぇ」

「うるさい、一緒に仕事をしたいなら依頼ならしてくれれば良い」


 いつも本名を聞いてこようとする。少し前に本名のまま冒険するのが当たり前だったけど、事件があってからは皆、冒険者名を作るようになった。


 でも、山本は悪いやつじゃなさそうだし教えても良いのかな?


「ようこそいらっしゃいました。ようやく決心してくれたんですね。山本さん」


「ああ、そうだ。日野はどこにいる?まだ鬼とは会わせていないだろうな?危険な目に合わせていないだろうな?」


「ええ、そこはご安心を。あと十分遅かったら先に研究を進めてしまうところでしたけどね。約束なので、待ちましたよ、ええ、ありがたく思ってくださいね、私の優しさですから、貸しにしてくれてもいいですよ」


 してやったという顔をしながら中津は山本へと契約書と封筒を渡す。


「これは…」

「それでは案内させていただきますので、付いてきてくださいね。今日は気分が良いので私が直々に案内させていただきますよ!」


 封筒の中には日野のサインが押してある契約書と、お金だ。中津は先頭を歩きながら研究での成果や自慢話を延々としながらどんどんと進んでいく。


 どんなところかと思っていたが、中は至って普通の研究所だ。珍しい鉱石で研究所の周りを囲っていることだけが異常だ。


「この奥に居ますよ」


 そう思っていたらここも門と同じ鉱石で作りており異質だ。この鉱石自体が黒色で反射しない素材だからこそ、より黒色が目立ち異質な空間に見える。


「日野!」

「山本さん…なんでここにいるん──」


ウオォォォ!!!


地響きが鳴るような音が響く。


「話は後にしてもらいますかね?鬼は少しずつここに閉じ込められてる事に苛ついてきているようです」


 大きな声で会話を遮ってきた中津はそう言うと運ばれてきた台車に焼いた肉と野菜を分けて用意した。


「これを鬼のもとへ持っていってくださいね」


 モニター越しに映る日野にマイク越しに話しかける中津。


 日野は俺がここに来たことにびっくりしていた様だが、台車が用意されるとこちらにお辞儀をした後、すぐに台車を押して向かう。


その時の日野の顔は何処か満足そうな顔をしていた。


 扉を開けて先へ向かう準備をしていると、ドン!と大きな音が後ろでした。モニターを見てもモニターは既に切れており、社長が居た所で何が起きているかはわからない。ただここの所長と話しをした感じ、山本社長とは仲が悪いわけではなさそうだった。

日本全国回ってみたいです。

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