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研究で見た事

山本視点

「あー、もう!こんな状態じゃ研究が全然進まない!」


 研究室はあるが、逆を言うと研究室しかない。研究が終わったものに関してはこちらに渡すと言う約束だったが、そもそもそんな不思議な物質の研究が早く終わるわけなかった。騙されたな。


 今までの研究やそれを含めて出来そうな事をまとめて居るが研究材料がないから進まない。一通りまとめた上で帰ることにする。


 帰る途中で他の研究員たちが未知の物質を好き放題研究してるのが見える。


(どうせ、お前らは大した研究成果はあげられねぇだろ)


 羨ましくも憎くもありで捨て台詞を思い浮かべるぐらいしか出来ない。


 帰りの自販機でバニララテを購入し、エレベーターに乗り込んでバニララテを飲む。この研究所のエレベーターは飲食禁止、禁煙だ。山本辰哉やまもとたつやだ。


「やっぱりいい匂いで美味いねー、お前は」


 研究とバニララテを飲むことがいつも至福な時だ。口に出して言う。そうでもしないと今の状況はやってられない。


 エレベーターも着き裏口から抜けて出る。軽く雨が降っていた。残り少なくなったバニララテをもう一口飲んで至福の時を過ごす。


「ん?」


なんか美味しくない。最後の一口飲む。


「やっぱりうまくない……」


 ストレス発散にもなる至福の時が思い描いたように行かず気分があまり良くないまま外の自販機の近くのゴミ箱へボトルを捨てようとして気づく。


(飲みかけのレモンの炭酸ジュースが捨てられてる?このジュースを飲むのは確か秘書の日野ぐらいだ)


ブ、ブブブ、ブー。ブ、ブブブ、ブー。


携帯の着信が入ってくる。非通知だ。


『助けに行くのじゃ、あ、ヒノはタカギの所に居る。あ、さ、攫われたのじゃ』

「は?日野?日野貴之ひのたかゆきが?」


『そうじゃの』

「は?どこに?というか、声も聞いたことないし嘘つくぐらいなら電話してくるなって言うの!迷惑なんだよ!ただでさえこっちは忙しいって言うのに!」


『うるさいのぉ!ん、わかったわかった。じゃあメールで状況送っておくから確認してくれるとたすかる、りま、す。ってなんでわしが!』


ピッと電話を切るボタンを押して電話を切る。


 いたずら電話なんて珍しい。なんなんだいったい。それに攫われたって?ありえないだろう。


 でも、このレモンジュース……。まさか本当に?いや、ないだろう。あんな軽い調子で言われて誰が信じるっていうんだ。


そう言いつつ携帯を取り出し、日野に電話をかける。


ピッピッピ、プルルルル。プルルルル。


『山本社長、いつもお世話になっております。沖津研究室おきつけんきゅうしつの社長の沖津啓太郎おきつけいたろうです』

「は……?沖津、なんでお前が……?」


『おや?もう分かっているかと思いましたけどね、意外と周りを見ない人なんですかねぇ?』

「日野を攫った事か?それと喋り方どうにかしろ!ウザい!」


 今聞きたくない声のやつが電話に出た。こいつはいつも勝負事をしたがる。それに自慢をするときに手段を選ばずに事を進めることが多い。


それにしても遂に人にも手を出し始めたか。


『ウザい、ですか…。まあ許しましょう。今私は気分が良いので!まあ研究室には来てもらってますよ、仕事をしにね!』


「仕事?まさか、日野に危険なことをさせようとしてるんじゃないだろうな!」


『いえ、日野君はモンスターのステータスが分かるそうじゃないですか。それをしてもらうだけですよ、そうしたら帰します。あなた方が頑固だからちょっと強引にはなってしまいましたが、日野君は了承してくれましたよ』


 仮りにも部下に無断で手を出されて許さない気持ちを伝えるも、そこまで心配だったらこちらに来てみては?と言って一方的に切られる。


 日野は10年前に起きたモンスター襲撃事件で俺が警察をしている時に助けた子供だ。モンスターに襲撃されて親は何処かに連れ去られたとのことだった。警察署で預かることにし、しばらく襲撃が続いては同じような人がを警察署で面倒を見ることになった。不幸か幸いか、そういった人は少なかった。家族含め全員やられてしまっていることが大多数だ。


 だが襲撃するモンスターの数はそこまで多くはなかったが、強力なモンスターは一人二人では抑えれるほど弱いものではなかった。その為戦う手段のない人間たちは逃げ惑い混乱状態になる。そんなモンスター相手に安全な場所はなかった。警察署もモンスターに襲われ、どうにかしようとしたが俺ができることは限られてくる。預かっている人達を下がらせながら持っている拳銃で応戦していたが弾もなくなり、預かっている人達がモンスター達によっていとも簡単にやられてしまった。眼の前にいた子どもだけは命に変えても守ると決め、怪我をしても足を止めずにがむしゃらになって逃げ、無事逃げ切ることができた。そんな子どもが、日野である。


 警察の時から今まで一緒に過ごしてきたことにより一層愛着がある日野が、またあの日のような思いをして欲しくないと研究者になってモンスターとは遠ざけていたのに勝手なことをされて相当頭にきている。


 絶対に連れ戻すと強い意思を持って沖津のもとへ向かうことを決意する山本であった。

んー、人間同士の会話や流れを作るのが難しいです。

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