表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/22

初めて



高校生になり、初めてわたしのことが嫌いだと意思表示されました。それも多数。

まあ、嫌われて当然です。だって、わたしなんだもんね。


わたしは、よく誤解されます。無意識に、嫌がらせみたいな行動をしてしまうのです。

例えば、机から落ちた制服のリボンを拾ってもらったのにすぐ落としたり、「ごめんね」と謝ってくれた子の足を踏んだり、色々あった子が昼食の際に使っていた椅子を使ったり……思い出したらキリがないです。

わたし、そんなつもりないのに。嫌ってるわけじゃないのに。嫌われたくないのに。嫌われたくないのに!


わたしがんばってるよ。

いっぱい笑顔振り撒いているよ。同い年なのに、めちゃくちゃ気を使っているよ。すごい情けなくて屈辱的だけど、わたしがんばってる。

高いバス代を出してくれる親のために、勉強がんばっているよ。成績良くしようとがんばってるよ。

なのになのになのに!

わたしはあなたを嫌ってなんかいない! だからわたしを嫌わないで! 冷たい目ですれ違わないで!


冷たい。

どうしてこんなに高校生活が冷たいの。先輩が冷たいの。同級生が冷たいの。

名字にさん付けだなんて冷たいよ。

〇〇さんって、冷たいよ。


学校嫌い。だいきらい。

できるなら休みたい。不登校したい。退学したい。

でも、できないんだ。親に迷惑かけちゃいけないの。家の面子を潰しちゃいけないの。

「〇〇の娘、高校退学したんだって」

考えただけで鳥肌立ちます。お父さんの怒声、お母さんの必死に庇う泣き声、近所の冷ややかな視線、噂。

怖いです。人間って、逃げられないんですね。社会から逃げられないんだ。

だって、逃げたら人間じゃないもんね。そりゃそうだ。


とりあえず、これからもがんばります。

がんばらなきゃわたしじゃないもんね。ファイト、ファイト。

どうか誰からも嫌われないように、あの人たちと関係が修復されますように。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ