初めて
高校生になり、初めてわたしのことが嫌いだと意思表示されました。それも多数。
まあ、嫌われて当然です。だって、わたしなんだもんね。
わたしは、よく誤解されます。無意識に、嫌がらせみたいな行動をしてしまうのです。
例えば、机から落ちた制服のリボンを拾ってもらったのにすぐ落としたり、「ごめんね」と謝ってくれた子の足を踏んだり、色々あった子が昼食の際に使っていた椅子を使ったり……思い出したらキリがないです。
わたし、そんなつもりないのに。嫌ってるわけじゃないのに。嫌われたくないのに。嫌われたくないのに!
わたしがんばってるよ。
いっぱい笑顔振り撒いているよ。同い年なのに、めちゃくちゃ気を使っているよ。すごい情けなくて屈辱的だけど、わたしがんばってる。
高いバス代を出してくれる親のために、勉強がんばっているよ。成績良くしようとがんばってるよ。
なのになのになのに!
わたしはあなたを嫌ってなんかいない! だからわたしを嫌わないで! 冷たい目ですれ違わないで!
冷たい。
どうしてこんなに高校生活が冷たいの。先輩が冷たいの。同級生が冷たいの。
名字にさん付けだなんて冷たいよ。
〇〇さんって、冷たいよ。
学校嫌い。だいきらい。
できるなら休みたい。不登校したい。退学したい。
でも、できないんだ。親に迷惑かけちゃいけないの。家の面子を潰しちゃいけないの。
「〇〇の娘、高校退学したんだって」
考えただけで鳥肌立ちます。お父さんの怒声、お母さんの必死に庇う泣き声、近所の冷ややかな視線、噂。
怖いです。人間って、逃げられないんですね。社会から逃げられないんだ。
だって、逃げたら人間じゃないもんね。そりゃそうだ。
とりあえず、これからもがんばります。
がんばらなきゃわたしじゃないもんね。ファイト、ファイト。
どうか誰からも嫌われないように、あの人たちと関係が修復されますように。