呪い95-何事も面倒
代は送り迎えの車で
「部活って……別にプロになるわけでもないのに……どうして真剣になれるんだ?」
とふと疑問に思ったことを口に出す。
代美はそんな代に
「そんなことを言うなら部活動をしてみれば良いんじゃないの? まだ若いんだし……色んなことに挑戦してみれば良いじゃない……」
と提案するが
「分かってないなあ……疑問に思うが何故それをしないのか……答えは簡単怠い面倒くさいダラダラする時間が欲しいからだ」
「そうやって時間を無駄にすることに何の意味と何の希望があるの? そんなの後々後悔しか生まないんじゃないの?」
至極真っ当な意見を代にぶつけるが代は
「やだなあ……人間は今までにだって分かり切った後悔をし続けて来たじゃないか? 目を瞑ってただけで……だが危機的状況になってやっと数人動き出す始末……しかも全員じゃないんだぜ? ごく一部だ……しかもそれを利用した経済もあるぐらいだ……人間の心の隙間に入り込む様に環境問題を掲げてそれに優しい物が売られるとそれが売れる……危機的状況になっても尚それを利用して儲けを出す様な世界なのに俺が危機的状況になるまで怠い面倒くさいダラダラしたいのだよ!」
代美は呆れ返る。
「貴方の怠惰と人類の進化での犠牲を一緒にしない! 貴方はそれを引き合いに何とか自分の意見を捻通そうとしているだけでしょ! そんなことを誇らしげに語らないの!」
代は舌を出しながら
「糞……バレたか」
「最初は騙されたけど今あなたとの生活が慣れ始めた頃から何だか誤魔化そうとしているのが何となく理解出来て来たわ……思ったより貴方との生活が私を成長させていたんだと思うの……だから私は貴方と出会えてよかったと思っているわよ?」
その言葉を聞いて代は
「その成長は本当に成長?」
「どんなことでもどんな人でも自分がそう思えば自分を高めてくれるものよ……自信を持つことが最も大切だから」
「ええ……」
自信を持つ事すら面倒くさそうにする。




