呪い90-意見
そもそも代は父親似だ。
父親は自分の欲望の為なら大胆な行動が出来るような男で、その為に医者になった。
欲望を解放する為には皆から信頼できる人間になり、尊敬される人間になる為に勉強とコミュニケーションを欠かせなかった。
学生時代の恋人数は学校教師坂本の10倍である。
プレイの数や行為の数はその40倍であった。
しかし、母親に似た部分は冷静に必要じゃないことをことごとく拒否するところである。
欲望の部分を大きく引き継ぎ、母親の少しの部分を引き継いだ代は
「俺はきっとハイブリッドだ……だからモテモテ男になれる」
そういう自信が大きかった。
しかし、当然二人の悪いところも似た。
一つは思慮判別がつかない部分、一つは母親と同じ妙に自分の意思が強い部分が似た。
その上、何故かイケメンの父や大人しそうな母親の顔とは違うやつれた様な不気味な顔と呪いの不幸による白髪は最早代のオリジナルの部分であった。
人間であれば母親と父親と全く似ていない部分は少し程度ある。
その少し程度が思いっきり出てしまったのが代であった。
「で……先生? 結局俺はもうゴールデンウイークの我儘を叶えて貰えないから黙って授業を受けろってことで良いの?」
「まあ……そういう事だけど……私の言った事の殆どを無視するのは悲しいぞ……教師であればこういう事慣れてるけど……」
溜息を吐きながらしかたなさそうにする。
そして、代は取り敢えず反省文を書く処分を下された。
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「全く……俺は全く悪くないのに」
誰も代に対して何かを言うと考えていない。
しかし
「オイ! 四二杉! ちょっと裏まで来い!」
「うるせえ……休み時間に話し掛けんな……面倒くさい」
代は当然の様に春郎の言葉を無視する。
すると春郎は近くにあった鉛筆を掴もうとすると
「おい! 何俺の鉛筆を勝手に使おうとする! ふざけるなよ!」
当然勝手に使われそうになった男子生徒は威嚇しながら春郎を見る。
「こいつが言う事を聞かないからだろ!」
「そうやっていつも四二杉の責任にすれば自分を正当化出来ると思ったら大間違いだぞ!」
春郎は見下す様に
「おい……まさかこいつの味方をするつもりか?」
皆に聞こえる様に春郎は声を出す。
しかし、男子生徒も負けず
「いや! 全然味方するつもりはない! 全く友達にもなりたくない!」
「だったら!」
「だったら何だ! そうやっていつもこいつの責任にすればなんでも解決できると思っているのか! 違うな! 俺はそうやってこいつの責任にして元来責任を感じるべき人間が逃げられることが物凄く嫌いなんだ!」
「はあ? 意味分かんねえよ!」
「そうやって人の責任にすればムカつく奴は当然の様にいつもの日常を送るだろうけどそれじゃあ俺の気が収まらねえんだよ! ふざけやがって! モテるからって調子に乗るなよ! 糞が!」
春郎は物凄くプライドを傷つけられて
「皆聞いたか! こいつの意見どう思う!」
皆に意見を聞いた。




