呪い87-お勉強時間
皆駄々を捏ねる代に対しては最初こそ鬱陶しそうにしていたが、春郎の論破に対して寧ろイライラしていた。
「大体お前はいつもやる気のない姿を見せやがって! サボらないからそれで良いと思ってんのか!」
「いつもちゃんと学校来てんだろうが! 遅刻もせずによおお! 成績だって取り敢えずは赤点回避してんだよ! それでいいだろうがよ!」
「そんなのダメに決まってんだろうが! お前は生まれるべき人間じゃないんだ!」
その言葉に教師は険悪な表情になり
「おい、その言葉はさすがにダメだぞ! 青野!」
と注意するが春郎は手で遮りながら
「先生……貴方は甘すぎる! こいつにはこれぐらい言わないと自身の無価値さが分からないんです!」
「は?」
皆、春郎の言っている意味が明らかに問題であること以外理解出来なかった。
しかし、何か言えば面倒くさい事だけは分かった。
だが教師だけは止めないといけなかった……その責任があるからである。
「せんせえーい! こいつ俺の人権侵害しましたああ! 録音したので訴えて良いですかあ?」
「止めなさい、どうせお前の場合は相手して貰えないだろうが……青野……後で職員室に来なさい」
「行くべきは四二杉です! 僕じゃない!」
「いやお前だろ」
春郎は無視して代に掴み掛り
「いいか! お前の様な苦しんでいる人を目にして嗤うような人間こそ悪であり僕はそんなお前を許さない! そうだろ皆!」
皆冷めた目で春郎を見ている。
しかし、
「ほら! 皆お前に呆れてるんだ! 分かるか!」
「うん、分からん……」
そう言って代は思いっきり膝を上げて、春郎の股間に攻撃を仕掛ける。
「させるかよ」
春郎は近くにあったペンで代の眉間に突き刺す。
「いたあああああ!」
「ああ! 僕のボールペンがああ!」
近くにいた眼鏡の少年は涙目でボールペンを見ている。
「うわあ……」
「ヤンキーや坂本があんなことしているのたまに見るけど……ああなったら人間おしまいだねエ」
自分の倫理観念を確かめ合いながら皆冷静さを保つ。
代を忌み嫌うのは呪いのせいで不幸があるのではという恐怖もあるが、ガラの悪い人間が代に対して行う行為を見せられて自分の倫理観が狂ってしまうというのも入っていた。
将来自分が犯罪関連に対して遠慮がなくなることを恐れたのであった。
だからこそ、皆四二杉代を避けていた。
しかし、目の前でのこれはさすがに
「おい……もういいだろ? さっさとお勉強したいぜ」
「そうだそうだ! そんな奴等叩き出してお勉強しようぜ!」
「俺等は来年受験生なんだ!」
「未来が掛かってるの!」
「受験は大切! お勉強大好き!」
一丸となってお勉強したくなっていた。




