呪い66-罠かあ……
代は何とかゴミ収集車から這い出た。
中には代の出血による血と体の一部がぐちゃぐちゃになって残っている。
止まることなくプレスしてくるので、代は体を残して這い出る事で新しい体を呪いで再構築する事が出来た。
「全く……酷い目に合ったぜ……自転車までめっちゃ遠いじゃねえか! ちくせう! 仕方ないから彩夢にお願いしよ」
そして電話をしていると
「フン、どうやらまた死んだらしいな」
「あ?」
聞いたことのある声が代の耳に届く。
「やあ……実際に会うのは今日が初めてかな?」
「ああ……何かの議員さん」
「山本議員だ……君は人の名前も覚えられんのか……」
呆れ返る山本議員に対して代は鼻で嗤い
「糞興味ねえ議員の名前なんて覚える気もないしお前なんて意味があるのかないのかわからんことを掲げて地位と名誉を貰い、大したことをせずに市民の血税から大量の給料を貰う有象無象の政治家と変わりはしないんだから……俺等からしたら結局誰が誰だか分からくなって国会中継でも一体どこに誰がいるのか分からなくなるんだから……覚える必要ある?」
全く持って政治に興味のない、現在の若者としては明らかに将来と日本の未来を舐め腐った態度……だが、代には選挙権がないという言い訳を連ねて今憶える必要はないというしなくていいという大義名分を使いサボる事ばかり考える精神がガキな年齢である、難しい事を言われても全く分からないのではなく、全く興味もなければ知りたいやりたい覚えたいという気力がないのである。
しかし世の大人からしたらそんなことは関係がない。
言ってしまえば学生は勉学に勤しむべきという時代の考え方に固執している、更に山本議員エリートである為、一般でサボり癖のある代とは価値観が完全に違った。
「全く、これだから最近の若者は……」
と当然このような呆れ返り方をする。
代は面倒くさそうに
「で? どういうつもりでこんなことを? 何かあるから俺をこんな目に遭わせたんでしょ? だって自転車の前輪が突然外れるとか……」
しかし山本議員は
「偶然だよ、これはただの偶然だ……君は事故を起こして勝手に血まみれで死んだ……だがそこにある血や肉片はもったいない……我々が有効活用しよう」
「うわあ……」
あからさまな態度に代は引いた。
すると
「まあ後はコイツを好きにすると良いよ……私はただ回収するべきものを回収したからね……君達がこの後何をするか後は知らないよ」
そう言うと何処からかバッドや鋸やチェーンソー、さらにはロープやバイクを持ってくる男達がいた。
「ハハハハ! 好きにして良いんだ!」
「楽しみだぜ!」
「はあ……」
代は溜息を吐いた。




