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呪い63-欠かせない悪

高美は当然の様に、鬼ヶ島組に捕縛された。


「糞を! 貴様等! 世界をどうするつもりだ!!」

「どうする? 今まで通り世界に必要な悪を顕在させ続ける事だ……暴対法もその為に作ったのだからな!」

「はあ!」


高美は意味が分からなかった。

暴対法とはそういう反社会勢力である暴力団関係の戦力や悪行を止めるための法律だ。

それを暴力団であろう鬼ヶ島組が作った様に言った。


「不思議そうだな! 当然のことだ! 暴力団が暴対法を作った事に対して不思議に思うのはなあ! だが俺達は違う! ハングレは自分達は違うと思っているようだし海外勢のマフィアも違うと思っているようだがそれも違う! 我々のいる国という檻に餌を置いて招き入れた! そして小童な人間共とは明らかな力の違いを見せつけることで奴等をこちらが利用する! 海外に四二杉代の情報が回らないのはそれが原因だ! 奴等とて大事な者はいるんだからなあ! そして命はある」


編集長である鬼ヶ島組員は最初に言っていた、情報を操るのも武器になると。

いわば海外勢のマフィア達は信頼できる人間に日本への入国もしくは密入国を行って拠点に置いている。

その信頼できる人間からの情報を疑う事はなかなかない。

しかし、鬼ヶ島組はその圧倒的な力と権力で奴等を捻じ伏せている。

それこそが彼らの強さであり、恐ろしさであった。


「貴様等……何処まで悪党なんだ……そんなことが許されつとでも……」

「言ったろ? 世界にとって必要な悪を顕在させるとな……悪とは常に必要とされているんだ……貴様はこの世から悪を消す為にあぶり出すと言っていたがそれは違う、人間にとって悪が欠かせない存在だから存在するんだ」

「そんな訳があるか! 悪が必要だと! 人間にとって欠かせないだと! ふざけるのもいい加減にしろ!」


怒り狂いながら高美は絶叫する。

しかし、組員は落ち着いた様子で


「君に編集長として最後に教えよう、この世界は元々強い者が勝ち弱い者が負ける仕組みとして動いている、例え強い者の心が破綻していたとしてもそれは強者による特権によって許され続ける、だからそれは悪じゃないし正義でもない……云わば生きている生物のただの本能に過ぎない……だが負ける者やそれで恨みを持った者はそれでは納得いかない……だからそれに対して否定しないと自分を保つことが出来ない……だからこそそれを悪と罵る事により自分を輝かせているようにしているんだ……」

「そんな……そんな訳ない!」

「そんな訳ある……誰もが自分の人生の主人公……それってつまり自分を不幸にする奴は皆敵で悪党と結びつけることを必要としてそれこそが欠かせないと心の奥のどこかで理解しているからこそ生まれた……そう思わないか?」

「違う! 人間は心に思った確かな正義という道を進む為に……」

「それこそが君が悪を必要とし、欠かせないと思っている証拠だよ……講義終わり」


パアアン!


銃声と共に高美の人生は終わった。


「嫌ああああああ!」

「ああああああああああ!」


奥さんと子供は、後を追わされた。

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