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呪い55-お遣い

学校では相変わらず、研究所での提供はほぼ適当、彼はそうやって何事に対しても舐めて掛かることで、何とか乗り切ることの出来た土曜日。

彼にとって日曜日が唯一の休みになった。


「糞おお! あいつ等! 勝手に土曜日を提供日にしやがって!」


提供日とは、契約にもない研究者の主任と桜と山本議員が勝手に決めた事である。

数回、学校帰りに鬼ヶ島組の元立ち合いを設けて話し合った結果、代の都合の良い日にだけであると絶対来ないという可能性を示唆に入れられてしまい、鬼ヶ島組もそれでは自分達の目論見が叶わないという事で取り敢えずは試用期間として数カ月の間代が決められた日に絶対に研究所に行くという事になった。


「まあ良いじゃない……あの2人にはまだ貴方の呪いに対しての理解はまだないし……その数カ月で結果を出させないって鬼ヶ島の人も知ってるんでしょ? 研究所もきっと相違工夫はしてくるでしょうけど人の再構築って貴方の体内から取り出して何秒までなの?」

「一秒」

「え! 早! 取り出して直でしないとダメじゃん!」

「だから管通っている間に意味ないよ……一番良いのは俺から直接頂くことかな? 知ってるのは鬼ヶ島組と愉快な仲間達だけだよ?」

「……」


という事で代は土曜日に研究者たちに無意味な事をさせる為に通う羽目になった。

しかし


「まああいつ等の泣き叫ぶ声が当分の楽しみかなあ……土曜日俺の血とか臓器を渡すときのあいつ等の表情ときたら! プククククウウ!!」

「悪趣味ねえ」


代美は呆れたように見ていると詠美がやって来た。


「代……ごめんだけど買い物行くならこれあの子に届けてくれない?」

「え……」


ショックを受けたような表情で代は詠美の手にある重箱を見る。


「マジで言ってる? 正気? 俺が運ぶの?」

「良いじゃない……私これから家事なの……主婦って色々する事あるのよ?」

「代美さんに頼めば?」

「いや……さすがに代美さんに頼むのは……」

「え?」

「じゃあ鬼ヶ」

「ダメでしょ……考えて?」


とマジ顔で代を睨んだ。


「仕方ないいなあ……まあ別に問題はないか」

「ほら……お金1万あげるから」

「うーん、まあそれならいいか」

「え? ちょ? どういう?」

「いや……これから行くところは俺も今思ったけど何と言うかあまり紹介するのが難しいというか……代美さんテレビ見るでしょ?」

「え? ああまあ見るけど……」

「どんなの見る?」

「音楽番組とかニュースとかバラエティー番組とか?」


代は溜息を吐きながら


「まあそういう訳だから無理」

「それ……テレビ関係のお仕事の人に持って行くの?」

「ミーハーになるでしょうに」

「……」


それを言われて代美はさすがに自分が興奮してしまうという事を想像した。

人は、例え大人になっても羽目を外す事もあるうえ、ちょっとしたことで興奮して冷静さを失う。

外で芸能人を見つけると勝手に写真を撮るなど本来して良い事ではない非常識を当然の様に行う。

そう考えると、自分がそれに該当しないとは限らないと判断した代美は冷静に


「行ってらっしゃい」


とだけ代に伝えた。

冷静になれるものが行くべきお遣いだと代美はそう判断した。



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