呪い54-種
代美は目が覚めるとATMが歯を磨いているのを見て
「今は止めておこ」
ボソっと言ってそのまま部屋に戻ろうとすると
「おや? 代美ちゃんか? ちょうど終わったから歯を磨い……」
「大丈夫でーす」
無視して、ご飯を食べに行った。
「あら? 代美さんおはよう、内のATMがいた? 全く、まあ今日から再来月辺りまでもう絶対に家に帰って来ないから安心して!」
「ありがとうございます! って……私はこんなことを目の前で奥様に言って良いんだろうか」
「言って良いの……そういうものだから」
「おお! 詠美の朝食だあ! ってあっれ? 代! パパの為に今日は朝一緒に居てくれるのかい! 嬉しいなあ! いつも不死身体質のせいで死んでしまうから学校には5時ぐらいに行くのにい! 嬉しいなあああ!」
「ああ、代美さんが送り向かいしてくれるからもう遅くて良いんだ……以上話終わり」
「ええ! もっと会話しようぜ! もっとパパママとの会話を大切にしようぜ! 久しぶりの親子の会話だぜ! パパは悲しいなあ?」
「いやいいよ、エロ話以外は聞くつもりないし、どうせ誰々救ったとか物凄く俺等にはどうでも良い事だろ?」
「こら! 代! 人の命をどうでも良いとか言うんじゃない!」
すると玄関が勝手に開き
「良いんじゃないか? それぐらいの人に対しての興味のなさが彼自身を守る……おお! 今日は目玉焼きか!」
バシ!
「あだああ!」
「あら? 鬼女さん! 朝ごはん出来てるわよ!」
「え! 俺のご飯は!」
「え? ATMってご飯いる?」
ATMは仕方なさそうにしながら携帯食料を食べた。
「うう……味気ない」
「いつもベッドで味気の良いもん喰ってるくせに」
「お前にとって女も男もガソリンだろ」
「適当に誰か抱けば?」
「お!! つまり代美」
「黙れ屑が!」
最早ATMに味方はいなかった。
鬼女は
「良ければ私の伝手で良い奴紹介できるけど? どうする? お前の優秀な種もある意味必要になるし……子供闇医者が欲しい」
「おお! つまり鬼女ちゃんが!」
「いや私はそういうのいい……この人なんだけど?」
すると、やたらデカい男の様な女が胸を曝け出して野性味あふれる格好をしていた。
「うむ、素晴らしい」
「こいつ……女なら誰でも良いんですかね?」
「自然治癒、医療知識、生命力過多、良い物件じゃない」
「鬼ヶ島って子供も育つの早いんですっけ?」
「ああ、一年で中学ぐらいの成長を遂げる」
鬼ヶ島組は人間とはかけ離れた存在の為、どんな異常も異様もおかしくはなかったのである。
「本当に鬼ってスゲええ」
それだけの感想しか答えられない代の語彙力はいつも低い。




