呪い35-モテない陰湿ゴミ屑野郎
救いでもあった様な顔をする春郎に涼子は少しずつ心が冷める様な感覚に陥る。
森瀬も二人のやり取りに顔を引き攣らせていた。
しかし、そんなことを無視して二人は会話を続ける。
「いつもはお前はゴムを使っていた……だが無くなってしまったから外で出すって言ったんだよな? それなのにその告げ口をした奴のせいで今こんな不幸な目に合っている」
「はい! その通りです! 全くその通りです!」
「不幸って……」
「……」
目に希望の光が灯し出す春郎とは違い、涼子は顔を蒼くする。
森瀬は二人を止めようと
「その……もう少し言葉を……」
「五月蠅い! お前も原因だろうが! 教師としてどうかしてるぞ!」
「……」
当然の様な顔で坂本は森瀬を一喝する。
「きっとその屑野郎はこの年になって恋人が出来ない社会にとって何の役に立たない陰湿野郎だ! そうやってリア充爆発だとかふざけたネット造語を使ってお前の様な勝ち組に一矢報いたいとか下らんことを考えているんだろうな!」
「全くいい迷惑ですよ!」
二人は代がエロ目的で二人を見ていた事と、嫌がらせでなくエロに対しての敬意を込めた告げ口だと思い込んでいることを知らない。
「別にこの年で恋人がいないのは不思議ではないのでは……」
「どうした涼子? 何か言ったか?」
「いや……もおいい」
冷めた目でそっぽを向いた。
不思議そうにしながらも春郎は坂本の話だけを聞いていた。
「安心しろ! そいつを見つけ出して落とし前は付けさせてやる! 俺に心当たりがある!」
「本当ですか!」
「ああ! そいつを断罪してお前等の苦しみを断ち切ってやる!」
「いや私は別にいいです……」
「何を弱気になっているんだ! 頑張ろう涼子! そんな陰湿ゴミ屑野郎に負けちゃダメだ! 大丈夫俺が付いている!」
「はあ……」
「いや……さすがに問題だろう……告げ口した人を断罪するとか……」
森瀬は坂本の言葉に反発するが
「お前は本当に新人だな……呆れてモノも言えん」
「うそでしょ……」
呆れてモノも言えなくなった。
そして、坂本は
「言え! お前だけだ! 告げ口をした人間を知っているのは!」
「さすがにダメですよ……」
もう森瀬は代を庇った。
その言葉に坂本は
「お前……本気で言ってるのか……今まで何を聞いていた……」
信じられないと言わんばかりの表情で森瀬を見る。
春郎は失望したように森瀬を見る。
涼子は最早二人を見てはいなかった。
森瀬は涼子の手を取ると
「神土さん、二人で相談しましょうか? 女同士」
「はい!」
森瀬の優しい言葉に引っ張られるようについて行く。
「待て!」
「おい! 涼子!」
二人の静止を聞かず。




