呪い29-証拠隠滅
桜は睨みながら
「何よその態度! 貴方はもう追い詰められているのよ!」
代は呆れんばかりの溜息を吐き
「あのね……別に契約を破棄する人間なんて今どき珍しくないしこの世の中には呆れる程沢山の約束や契約は破られているよ? まさか契約を破棄されるなんて! みたいな事を鬼ヶ島組が思うとでも? その程度で動揺するとでも? 寧ろ闇の世界では契約書を作ったとしても無意味に等しいんだよ?」
「奴等は私達の家族をそうやって襲うつもりでしょ? それを未然に防いでいる状態で何が出来るというの! 負け惜しみもここまで来ると苛立つわ!」
「もう苛立ってるじゃん……」
山本議員は
『分からんな……君はそれでも彼女らが助けてくれるとでも? 人質を取って君と交換を要求するつもりなんだろうけどそれが潰えた今君を助ける手段は』
「いやいや……俺の事なんて助ける訳ないじゃん……寧ろとんでもない事を仕出かすかもしれないのに……あーあ……助けられた命がきっと今どこかで消えている」
厭味ったらしい表情で嗤う。
山本議員は
『それは君にとって都合が良いのか?』
「お前等の無様な泣き姿を見れるならここで捕まるのも一興かなあって思ってさあ」
その時であった。
「大変です! 先程助けた女性が!」
『!?』
「ほーら……来た」
するとモニターがハッキングされて
『全く……君達が余計な事をするからこっちも余計な仕事が増えたじゃないか……』
そこには鬼女が映っていた。
主任は
「貴様! 一体なんだ! この少年はもうこちらの手だ! そして人質を取れない様にこちらとしても手を打った! もう終わりだ!」
その言葉に鬼女は
『ああ……好きにして良いよ』
「ほら来た」
するとモニターには一人の女性ともう一人男性が映っていた。
『ご来場の皆さま! お待たせしました! これより! 殺人ショーを開きます!』
鬼女はマイクで皆にアナウンスをすると日本の上級国民達は豪華ディナーと共にケタケタと嗤いながらその二人を見ていた。
「おい……貴様……貴様等……何をする!」
『簡単だよ……君達が契約違反で救った命を無かったことにする……そうすればこっちとしては何にも問題はないのだから』
そして、嗤いながらボタンを押す。
すると
ギュウウウルルルルルルルルル!
と回転する電動丸鋸刃が二人を襲い始める。
『いやあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!』
『お願いだ! 助けてくれ! どうしてこんな!』
『あはははは! 恨むなら君等を異質的な能力で救った山本議員を恨みな!』
そして、鋸は男の隣にいた女の両足を
ギイイイリリリリリリリリリ!!
『イアアアダアガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! いだい! イダイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!』
『ああ……ああああああ! せっかく助かったのに……どうしてええええええええええええ! こんなことをするぐらいなら最初っから助けるなあああああああああああああああああああ!!』
悲鳴と共に血が飛び散り、女の両足が床に落ちる。




