呪い25-四二杉と鬼ヶ島と国
そんな代美を見て鬼女は話題を変える為。
「まあまた色々と教えたいけど、まず先にこの子の呪いは他の奴等にバレるとどうすると思う?」
代美は戸惑いながらも
「えっと……奪い合いになるとか?」
と答えると鬼女はニンマリと笑い
「そんな生易しい話じゃない、消そうとするんだよ、色々は方法で……」
「!!」
「特殊部隊や核や爆弾や掃討作戦を使って滅ぼそうとする、そもそも不死身自体人間の手に余るものだ、自分達で手に入れようとは思わない者も多い、破壊して消そうとする、だがこの子は死なないし殺されることはない、あるのはただただ寿命が尽きて死ぬのを待つだけだ……だから日本がそのせいで他の国々から壊される可能性があるんだよ」
「それって……」
「まあその後は勝手に戦いが始まって戦争でもするだろうよ、それは私達にとってどうでも良い、私は日本を守る様に命令を受けているしねえ、この子は隠し通す為に普通の生活もさせているし保護何てしていない、そんな凄いのが普通に生活しているなんて誰が思う? 逆に誰が思う? それにその方が色々とやり方はある」
「例えば?」
鬼女は一つの雑誌を取り出して
「都市伝説にして広めるとかね」
その内容にギョッとしながら代美は
「いや余計に危ないでしょう!」
と注意するが鬼女は
「逆にこれを見て信じる奴なんてかなりの物好きだよ、そういう奴ほど我々の口止めが効くんだよ、ヤクザの私らにとって危ないのは訓練された奴等と出くわしてしまった場合だよ、それならオカルトマニアの奴とか興味本位で近づく奴等を相手にするんだよ、まあ他にも事件性にしない為に病院に行かない様にしたり診断書作って裁判とか警察沙汰とかしない様にしたり」
「それって暴力を振られたり殺されても文句を言えない様にするあれですか?」
「そうそう、そういうの! しかもこんな特に目立つことのない都会だと注意されることもないんだよ」
その説明を聞いて代美は
「でも実際話を聞いていると研究者みたいな人が近づいたみたいだけど?」
「そりゃ私が見つける前は情報を途絶えさせることは難しくてねえ、その呪いが理解出来るまで彼はずっと病院とかでお願いをされてきたんだよ」
「その時はどうやって逃げれたんですか?」
「君も見てたんじゃないの? この子がどうやってさっき拒否をしてたか?」
それを聞いて代が先程の断り方を思い出した。
「まさか……代君……今までの断り方って……」
「そうだよおお、今まで興味がないとかどうでも良いとか言って皆をキレさせていたよ、どうして怒るんだろうか? ドナーだって意思確認が優先なのにどうして俺は普通に断ったら怒られるの? 意味分かんないよ」
その言葉を聞いて代美は
(本当にこれで良いんだろうか?)
と先程の煽るような突き放し方を見て代が心配になった。
すると鬼女は
「君がこの子のやり方に思うところがあるのは分かるけど、寧ろこの方法が一番なんだよ、そうでないとこの子は私らが見つけられずに研究所のモルモットになってたろうね」
「えっとそれって……」
「まだ分からない? この子を攫おうとする人間は皆人の善意に漬け込むんだよ! そうやって研究をしようとするんだよ、君の能力は人を救うことの出来るんだと言って病人を見せてこの子らを救ってくれと言うんだ……普通の子供ならそれで了承してしまうだろうな、だって自分と同じぐらいの子供が苦しんでるんだから助けたくもなるだろう、だがこの子は違った……私が見た事を伝えるとこの子は医師に何て言ったと思う?」
「興味ないですか?」
「惜しい、そうか頑張って治してあげてねとだけ言ったんだ、まあ当然医師はカンカンに怒っていたけどその後私達が医師を押さえて何とか彼の不死身の呪いの情報を絶ったってことだよ」
それを聞いて代美は代を見ながら
先程から黙っていた詠美も
「まあ私としても他人より自分の事を何とかしてほしいとは思っているけどねえ」
「な……なるほど」
その言葉に代美少し納得した。
「つまり、彼は人助けに興味がないから助かったってこと?」
「まあそうだね、正しく言えば欲望が満たせる以外の事に対しては無関心って言ったところかな? まあ欲望に見合うお願い事でもかなり確実性のある報酬じゃないと全部断ってたみたいだけどね、結構この子疑い深いから」
そして、代は嗤いながら
「まあそんな感じで善人な事をいう奴ほど俺は全く信用していないし、そもそも人助け自体にあまり興味はない、まあ、したとしても119番通報するぐらいだよ」
代美は呆れながら
「まあ貴方の様な人の方がその不死身になる呪いと付き合いやすいのかもね……」
と溜息を吐く。
「まあまあ、取り敢えずはこの子はこれで良いってことだよ」
と鬼女は代美を見ながら話していると代美は次の質問をした。
「それで、今回はどうしてこの子の研究契約を必要とするんですか? まだその部分が聞けていないんですけど?」
「それは研究させることによって何の成果も得られなかったことを証明するためだよ、彼には人を救う力がないと分かればこっちとしてもこれからの隠蔽も楽にしたいんだよ、上の政界もそれが狙いだよ、彼らだって日本での地位を失いたくないんだから」
「地位ですか……まあ確か日本が滅ぼされて他の国でも同じ地位を保つことは難しいだろうけど……それより何で貴方達が政界に頼られてるの? そこがよく分らないんだけど?」
その質問に鬼女は
「だって私達鬼ヶ島組は政界での賄賂や脱税や犯罪や汚職の隠蔽を任されてるもの」
「な!! それって!」
「当たり前じゃない! 政治家の闇を揉み消すのに金と権力だけで消せるわけがないじゃない! だからこそ私達鬼ヶ島組が専任のヤクザとして政界を裏で守ってるってこと! つまり日本の闇が明らかにならないのは私達が原因ってことだよ!! イヒヒヒ!」
「物凄く胸糞悪い事ばかりしてますね」
「まあ他にも年金を貰っているご老人から詐欺したり犯罪で稼いだ金をその金を上納金として国に渡したりとか色々かなあ……」
「もういいです……」
「そう? ならいいけど」
「それより鬼女さんのその力ってなんですか? 手榴弾を使っても破壊できなシャッターを壊すって!」
「突然変異って知ってる? 私達鬼ヶ島一族は昔からそんな突然変異を起こして凄い力で国に雇われていて村人や町の人から金や金品を奪ってみかじめを貰ったりして国の財力にしてたんだよ、昔から力は国に頼りにされてたからね」
「まるで桃太郎の鬼ですね……村人からお金を巻き上げて溜め込んでいたところを桃太郎に懲らしめられて……」
「懲らしめられたよ」
「え……本当にあった話なんですか……」
とゾッとしながら代美はこれ以上何も聞けなかった。
「その後は……フフフ……」
「もういいです! 話さないでください! これ以上はもう怖いですから!」
「そう? 分かった!」




