呪い24-手に余る不死身
鬼女はモニターを切ると
「まあそういう奴等程考えていることが狂気に満ちていることは良くある、奴等みたいな強すぎる正義は時に相手にその考え方を押し付けるという相手の気持ちを考えようというとてつもなく単純で小さい子供なら誰でも教えられたことが出来なくなる」
そして、鬼女は代を撫でる
代美は鬼女聞いた。
「それより、貴方は一体何なんですか? どうして代君の味方をしてくれるんですか? それに作戦的に契約が必要ってどういうことですか!」
と質問をすると鬼女は代美に
「ああそうだね、作戦っていうのはこの子を完全に隠して生活させる事かなあ?」
「え……それってどういう? どうして貴方達がそんな事を?」
代美は鬼女の言っている意味が分からなかった。
「まあ彼が表沙汰になると困る人間がいるってことだよ、この子はこの国にとって手に余る存在なんだ」
「手に余るってどういう?」
「不死身の呪い事だよ」
「呪い……その呪いは一体何なんですか? 代君からこの本は借りましたけど……」
と言って代から受け取った本をカバンから出した。
鬼女はそれを受け取って
「ああ、確かにこの本なら基礎的な事は乗ってるけど……まあそれでも崩し字のせいでほとんどが解読不可能なのよねえ」
と言って本を見ていた。
そして、鬼女は
「まあ軽く説明するとこいつの呪いは他の人間の体を不死身にすることはない」
「え! そっそうなんですか! だったらさっきどうして契約を! そのことを伝えれば彼を研究しようだなんて!」
「そんなの誰が信じるの? 研究しないと分からないよ! 君の能力はそんな物じゃない! まだ能力をコントロール出来ていないだけだ! 怖い気持ちは分かるよ! そんな人沢山いたけど?」
代がニタっと嗤って説明した。
その言葉を聞いて代美は自分の考え方が浅はかだとすぐに恥じた。
「まあそういう訳であの契約は必要なんだよ、それに彼の呪いは君も見てきたと思うけど生き血を使えば傷も病気も治る」
「生き血ですか?」
「そう、彼の臓器や血は数秒の間だけ呪いの効果が出るんだ、それで物や人の傷とか病気を治す事は出来るには出来るけど、永続的なものではないよ、数秒を過ぎると呪いの効果が切れてその後の傷や病気を治す事は出来ないんだよねえ、ややこしいでしょ? まあ昔あった人魚伝説の劣化版だよ! 生き血を飲めば不老不死になれるって!」
「ええ、まあ……でも呪いの力で再生機能を調べることは?」
「? 俺別に再生なんてしてないよ、呪いが俺の魂を設計図に体を再構築してるだけだから」
「はあ! ていう事は祖の体って……まさか」
「本当に俺の体なのかも俺も知らない! 呪いの力が足りない部分を作って俺の破片を戻してるだけだよ」
その言葉に代美はゾッとした。
「まあ呪いっていうのは大体昔から色々とややこしいのが多いから困りどころなんだけど」
そして、本を返した。
代美は本を見つめながら
「そもそも、呪いって何なんですか? 不死身って一見すれば便利にも思えますが?」
その質問に鬼女は
「君は見て来たんじゃないのかな? 散々代が酷い目に遭ったことを……昔に出来た呪いではあるんだけどその呪いを作り上げたのが人間が不死身になることを反対する団体だったんだよ」
「え! それって! 矛盾しているんじゃ! 逆に呪いなんて作ろうとしないのでは!」
「まあ団体の事を聞けばそう思うけど、昔人間は不死身の生物を喰って不老不死を目指そうとしたんだ、そしてその団体はその不死身生物と仲が良くてね……奪い合いの果てにその生物は絶望して心が死んでしまったんだ……」
「心が……死んだ……」
「それに怒った団体がその生物の心を殺した元凶達に不死身の呪いを掛けてね……それで彼らはその生物の苦しみを一生味わう様になったよ、心を無理矢理回復させられてね……」
代美にはどちらも哀れに思えた。
結局争いによって傷つく者が出て、傷つける者が現れてしまうという連鎖は止めることは出来ないという事に、そして代美は
「呪いを解く方法は?」
と聞くと鬼女は俯いて
「ないよ、解く方法はない……そういうふうに作られたからね、私も戸惑ったよ……現代にこの呪いが現れるとは思ってもみなかったからね、呪った奴は他の子供にも呪いを掛けたとも言っている」
「な! それって危ないんじゃ!」
「ああ、危ないよ……だからこそ私らが先に見つけないといけないんだ……まだ代君以外見つけれてないからね……手遅れになって無ければいいんだけど……日本的に……」
すると今まで黙っていた代が
「まあ呪いは解かないで欲しいけどね」
と軽く言ったのを聞いて代美は
「え、どうして? 呪いが解ければ君だってもっと自由に……」
「なれるわけねえだろうが! 寧ろ殺されるわ! 呪いが解けたとか言っても信じずに俺を殺す奴ぐらい大体見当つくだろうがああ!」
とキレられてしまい代美は俯いた。




