呪い23-正義の為ならば
代美は唖然としながら
「えっと……これで終わり?」
「終わりみたいねエ……ああ!」
「どうしました!」
代美は詠美が大きな声を出したので反応すると
「包丁が血まみれ」
「いや……それは貴方の責任では?」
「それはこちらで回収しますし新しいのを渡しますよ?」
その言葉に詠美は
「ではあれで」
『こちら! 凄くするする切れるんです!』
『まあ本当! 素晴らしい切れ味ですね! 新鮮なお野菜や固いカボチャがこんなに簡単に!』
テレビ番組の包丁を指さしてねだると
「大丈夫ですよ! 仲介料として奴等に請求するので用意できます!」
「やった! ちょうど欲しかったのよねえ!」
「良かった良かった……めでたしめでたし」
「!? 今のめでたいの! 何か凄い終わり方しましたけど! もはや最後とてつもなく詐欺と暴利で相手を貶めたみたいな!」
「俺の人生を貶めようとしたんだ! 自業自得だああ!」
「まあそうなんだけど……でもそれでも……」
と何か腑に落ちない状態であった。
「あ、それはそうと君あいつ等に嵌められてたけど? それでも庇う?」
「え?」
鬼女はいきなりとんでもない事を話したので呆気に取られる。
「君が代君を轢いたのは奴等の故意だからね?」
「え?」
「え!」
「マジかよあいつ等」
詠美も恐怖で顔が歪み、代美は眉間にしわを寄せる。
代は引いていた。
「そもそも奴等が代を目当てに研究所を作ったのに接触を故意で作らないとでも? まああれはさすがに引いたわ……ヤクザも驚愕! 政治家による自動車事故を起こさせる!」
その言葉に代美は震えながら
「証拠は……証拠があるという事ですか?」
「うん、あるよ?」
そう言ってタブレットを使って映し出した。
主任達が代美の行動を地図で確認して代が信号を渡ろうとする瞬間を監視している姿が映っていた。
『主任! 今です!』
モニターには桜の声と共に主任がボタンを押している姿が見えた。
そして、モニターには代美が代を轢き殺してしまう瞬間が映っていた。
そして、山本議員の声だけが
『これで第一段階が終了した』
『はい、後は彼女が彼と彼の母親に接触した後、今日引っ越し予定のマンションを放火する予定です』
その映像を見て
「うわ」
詠美がガチ引きした。
代は嗤いながら
「あからさまあ……」
代美はその映像に
「そんなことの為に……私はあんなに悩んだのに……」
俯いていた。
詠美は背中を摩りながら
「世間なんて……自分達の目的の為ならばどんな手でも使わないといけないとか正義の為には手を汚さないといけないとか自分に酔った言葉を使って正当化する生き物なの貴方も大人なら分かるわよね?」
「そんな大人の事なんて分かりたくなかった」
代が苦笑しながら答えた。




