呪い20-不幸による利益
鬼女は取り敢えず二人のくだらない言い争いを止めて
「さてと、貴方達ももしこの能力を使いたいならば彼に許可を取って頂くかと言ったわけですが……連れ去ろうとはいったいどういうつもりで? 契約書としてタブレットを見せていたみたいですけど……それもこちらの立ち合いの元で行う事とお話ししたはずですが?」
山本議員は冷汗を掻きながらも鬼女を睨む。
主任は血が垂れる指から片方の手を放して銃を向けた。
「ふざけるな! 貴様等の契約はお前等にとっての都合の良い! 国を腐らせている奴等にとっての都合の良いだけのことだろう! そんなことではこの国も世界も救えない! この国を真に救いたいならば世界の不幸! 人間の不幸を取り払う事こそがこの国の為になるとは思わないのか! 恐怖や不幸が人間を狂わせるんだ! だからこそこの異常な能力を正しき道を示す為に使用するべきだ! そうすれば君だって不幸になる事はない! 人を救う事が人としての正しき道である人の降伏なんだぞ!」
代は鬼女の方を見て
「なあ、契約って俺にとっても都合良い者に出来る?」
「おおお! おお! 出来るともさ! 君にとっての都合の良い状況は生活の安定とその為の資産だ! 君の様な者が幸せな生活を享受する事だ、この計画は今も尚進みつつある! 国も君には何もして欲しくないし何も成し遂げて欲しくない! こちらにとって都合の良い事ならいくらでも遊んでくれていいけどそれ以外の救いも世界平和も君には我々は望んでいないから安心してくれ!」
「何だと……」
そして、鬼女は別のタブレットを懐から出して
「これこそが本来君らが我々と共に交わすべき契約だ……四二杉代と交わす契約でもあり君らが能力を活用できるかもしれないチャンスだ」
「!! 聞いていたのか……貴様等の契約書は貴様等にとっての都合の良い契約だ! そんなことで世界が救えるか! 苦しみが消えるか! 違う! 何故救いも世界平和もだれも望まないんだ! 皆それを必要としているはずなのに!」
鬼女は呆れたようにしながら
「望まないだろ? そんなもん……だってそれだと利益にならないんだから」
「は?」
「世界が救われたり平和になればなるほど価値が上がり利益が高まる……利益を上げるには誰かが苦しみ不幸になったり絞り取られるからこそ物の価値が高騰するんだ……必要性が高くなればなるほどこちらの利益になる……国にとって必要なのは他社の不幸であり幸福ではない……君達は世界を平和にしたいようだがそれらは決して皆が望んでないんだよ……不幸や差別がないと世界は動かないんだから」
冷たい目を見て山本議員は苦しそうにしながらも
『糞野郎が……分かった……契約書を見せろ悪魔共』
そう言った。




