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呪い19-武力行使

手を上げない代とは違い、詠美と代美は手を上げていた。


『悪の道に行くというならば私達が今ここで止める……たとえ武力行使になったとしても君の道を正して見せる……方法を間違えてでも往く道は正して見せる……それが私の正義だ……』

「フーン……ならこっちも武力行使をしても問題はないよね?」


すると代は指をパチンと鳴らした。


「うぐ!」

「ぎゃ!」

「ぐばああ!」


銃を向けていた隊員達は突如小さな悲鳴と共に倒れていった。


「!! 何が!」

「これは!」


主任も桜も隊員達が、仲間達が倒れていく様を目で見て呆気に取られる。


「そうだな~色々時間は掛ったが証拠も武力も間に合った……君らは正義は必ず勝つという信念で戦い頑張ってきたようだが……お前等正義共は最後に勝つだけであって、過程の段階ではずっと悪に負け続ける、犠牲を出し絶望を生み自分の無力さに憤慨するよな! 最後にお前等の考える平和が訪れても失った者は絶対に戻らないし傷ついた心も治る事はない! そして正義の勝利条件はその心が続く限りでその心事態をへし折ってしまえばお前等の正義も勝利も完全に消え失せる……それまで私達の与える絶望に耐える事は出来るかなあ?」


ニタリと嗤いながら隊員達が持っていた銃をへし曲げて鬼女は立っていた。


「あ、遅いっすよ! 鬼ヶ島さん! 待ってたですから! 時間稼ぎも楽じゃないんですよ?」

「ごめんごめん、証拠を掴む事と必要な物を用意するのに少し時間が欲しかったんだよ! でももう大丈夫! 君の呪いを平和の為なんかに使わせない! 国の都合の為にある! 君の都合の為にある! 人々の苦しみも悲しみも絶望も君みたいな子供が気にすることなく裏で起こる最悪を無視して平和な世界を享受する事をこっちは約束しているし金になる方法も用意してある! だから君は我々鬼ヶ島組が守り切るよ!」


鬼女は代の頭を撫でて嗤う。


山本議員は怒りの表情で


『貴様等か! その子を誑かしたのは! 子供に何てことを! なんてことを教えているんだ!』

「あらあ! 山本議員様ではありませんか! 小童がよくもまあ勝手世界情勢無視でこんなことを仕出かそうとしましたねエ! 困るんですよ! 彼に正しい道を教えようとするのは! 彼には世界に同情も慈悲を与えるのもこっちはして欲しくないのに!」

「何ですって! どうしてなの! この子の能力を使えばきっと世界は平和になるわ! 傷つく人間だって! 病気で苦しむ人だっていなくなるわ! 誰も傷つかない世界を作るにはこういう能力が必要だって分からないの!」

「いやいやいや、能力に頼っても結局絶望は生まれるし悲しみは生まれますよ? だって人を傷つける事って楽しいじゃないですか? だから皆人を傷つける行為が止められないんですよ?」


その言葉に山本議員は戦慄した。

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