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呪い16-救う? 救わない?

山本議員は代と詠美と代美に語り聞かせえた。

全国には報われない者、病に苦しむ者、大人になる前に死んでしまう子供達がいる事を、人々の飢えや戦争により傷つく心と体、そしてそれらによって死んで逝く者達がいる事を。

犯罪者によって大切な者を失う者や苦しむ者、そしてそれらの幸せは全て奪われてしまう者の苦しみを語っていた。


それらの説明を聞き桜と主任は涙を流していた。

代はそれらの話を聞いて引き攣った表情でソファーに胡坐をかいていた。

詠美は睨み着ける様に山本議員を見ていた。

代美は迷った表情にもなるが、それに後悔し代と詠美を心配するように見た。


そして、山本議員の話は終わり、主任と桜は拍手喝采した。


「素晴らしい」

「なんて崇高なんでしょう」

『どうだね? 代君、君の心も少しは動いたんじゃないか?』


代は顎を触りながら


「そうですねえ……ここまで嗤いそうになったことは無いですねえ……ああ! こんなにも爆笑しそうになったのは久しぶりだ……こんなにカルトじみた集団は久しぶりだ」

「何ですって……動かないって言うの……あなたの心はこの話しを聞いても何とも思わないって事……」

『無理をするな……いつまで意地を張るんだ……』

「そうだ! 君だってこの話を聞いて救いたいという心を少しでも思い出したはずだ! 我々は身勝手な人間とは違う! 分かるはずだ! 純粋だった頃を思い出すんだ!」

『さあ! 手を取って! これは救済だ! 君の力の正しい使い方だ! どうだね! 分かってくれるかい?』

「知らねえな……俺が手伝わないと死ぬ人が確実にいるのかあ……仕方ないなあ」

「なら!」

「その人達には死んでもらうしかないね……俺が救う事はない……だから誰も救われない……だから誰も幸せになれない……残念でした……また来世でね!」


とニタっと嗤って手を振った。

その姿に桜は


「くそ野郎があああ!」


そのまま胸ぐらを掴んだ。


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