呪い15-興味のある事と無い事
代の血を顔面と体に直撃した二人は睨み着ける。
「ふざけないで! なんてことをするの!」
「そうだぞ! いくら何でも非常識すぎる!」
「おいおいおい! お母さん! こいつら人を誘拐しようとして常識語ってんだけどおお! どう思う??」
「そうねえ……常識の通じない人には非常識でしか対抗できないのに……まさか常識を持ちだすなんて……自分の行動こそが全て常識的だという固定概念に縛られた押し付け型の人間よ……会話もきっとカルトじみているわ」
と血まみれの二人を異様な目で見ながら代に伝える。
代は血の噴射によって驚いて落とした自分の腕を拾ってくっつける。
すると黒い靄の様な物が代の腕を完璧に修復した。
「凄い……」
「これなら」
二人は驚愕しながらも代の再生に目を奪われる。
そして、主任は少し落ち着きを取り戻し、タブレットの山本議員を向ける。
『四二杉代君……君はその能力をどう扱おうと思っている?』
「金儲け」
『そんなことをすれば君の魂は腐り、澱んでいくだけだ……そんな事の為にその能力があるわけではない……もっと人々の為にあるんだ……分かるね?』
「知らん……そんなことは……他人が何千何万と死のうがしったこっちゃねえよ……」
代の目は一切の動揺もなく罪悪感もなく言い切る。
そして、
「やっぱり俺の保護何てただの詭弁か……きっしょ!」
と見下す様に山本議員を見る。
桜は代の頬を
パアアアアン!
と引っ叩く。
「さいってい! 貴方は山本議員の心遣いが分からないの! この綺麗な心が分からないの!」
代は頬を撫でながら桜を見る。
すると突如指を二本立ててそのまま桜の目に思いっきり突き刺す!
「ッギガアイアアアアアア!」
代は中指を立てながら
「クッセエエ手で叩くんじゃねえよ! 加齢臭が移んだろうが!」
と嫌悪の目で罵倒する。
主任は怒りを感じながらも
「君は! なんてことをするんだ! それにこれは絶対に保護だ! 君の体がバラバラになって売り飛ばされても良いのかね! そんな事をするならば君を我が研究所で保護すべきだと思わないか!」
「金くれんのか! 俺に自由はあんのかよ! 無料で保護されるだなんて真っ平だぜ! そういう納得のいく条件なら協力してやってもいいぜ!」
その言葉に山本議員は呆れ返る。
『君は自分の立場が分かっているのかね? 君の状態はこの世界にとって異質的存在だ……それを放置すれば君はどこかの機関に捕まり戦争の道具にされるかもしれないんだぞ? そんなことで良いのか?』
「金と自由を貰って楽しく過ごせるなら別に……」
『金と自由があれば君は多くの人が君のせいで死んでも何も感じないというのかね!』
「興味すらないなあ……どうせ今もどこかで人は死んでるんだ……そんなことを考えたって面倒なだけだしそもそも俺が直接手を下す訳でもなしに……だから殺すなら勝手に殺せばいいし死ぬなら勝手に死ねばいい……人間はそうやって文化を発展させたり宗教を築き上げたんだから今までと大して変わらんだろうに」
その言葉に三人は嫌悪の目で代を見るめる。
しかし、代は話を続けた。
「やっぱり俺を使って人救いか……糞下らねえ」
『くだらないかどうかは話を聞いてから判断しないか』
「したくもないが……まあ今日は休みだし糞下らねえ話を聞けば眠くなって眠れるかもな」
バカにするように代は三人を見た。
代美は代の言葉にドン引きしていた。




