呪い122-為す術ない
虎次郎は目から血を振り払い、代を獲物を見る目で涎を垂らす。
「卑しい糞猫が……一匹で無様に飼われておけばいいものを……傲慢にも人様を喰ったんだ……そのまま処分されろよ!」
その心無い言葉に観客達は
「ふざけるなアあ!」
「僕は虎次郎に勇気を貰ったんだ! 沢山の夢を貰ったんだあああ!」
「私は子供が死んで苦しんでいた時に産まれたと聞いたのがその虎次郎だ! 私にとってその子は我が子も同然! そんな子供がお前を喰う事で命を守れるなら本望だああ!」
「お前が喰われろよ!」
「子が親を喰うなんて悲しい事があってはダメなのだああ! それが分からんのかああああ!」
代のツッコみに対して、正論の様な表情で言い切るオッサン。
他の者達の虎次郎を思う気持ちを大声で叫ぶ。
「死なないでええ! 虎次郎!」
「お前はまだまだ生きるべきだ! そいつを喰って生きるんだ!」
「私は虎次郎が好き! 昔から!」
「私だって襲われたけど虎次郎が死ぬのは嫌! ちょっとじゃれただけだもの!」
そんな応援の言葉に代は
「ファック!!」
と中指を立てて観客を侮辱した。
そして、虎次郎を見る。
「うわあ……めっちゃ喰う気……」
「ぐらあああああ!」
言っている間に目の前に立った虎次郎にたじろぐ。
そして、血を出して目潰しをしようとするがそのまま圧し掛かられる。
「ぐぐがあああ! 重いいい!」
「っぐがああああ!」
そのまま体重をかけて足を
ボギイガギイイ!!
「いyが!」
へし折って逃げられないようにした。
「ぐがあああ!」
そのまま首筋に噛み付いた。
ブシャアアアアアアアアアアア!!!
血を噴射させながら代はもがく。
しかし、虎次郎の重さと動物の力強さの前に代は全くなすすべなく
「ぐぐあぐあうあがあ!!」
血を出し続けながら爪や牙に切り刻まれて行く。
そんな様子を見て
「いけえええええ!」
「やれえええええええええええ!」
「くええええええええええ!」
「生きてくれええええええええええ!」
その言葉に館長は涙を流す。
「虎次郎……お前は皆から愛されている……良かったな」
嬉しそうにしていた。




