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呪い11-保護

桜はキッと睨みながら


「だったらどうするんですか! 今彼女が最も近い立場にいるんです! 彼女の協力を得ないでどうするんですか!」

「しかし! 彼女はまだ新人だ! もしもの事があっては!」

「だからってこのままだと奴等の好き勝手にされますよ!」


と突然喧嘩を始めた。

戸惑いながら代美は


「あの! 勝手に話を進めないでくださいよ! 一体何があったんですか! またあのヤクザが昨日現れたと聞きましたが一体何があったんですか! どうしてあのヤクザ達はこの研究所を!」


勝手に喧嘩をする二人に割って入った。

すると二人はハッとなりそして主任は


「く……仕方ない……分かった! 話そう! ここまで来てしまったら君も無関係ではないかもしれないからな」


と言って真剣な表情で代美を見る。

桜は代美に


「ねえ、貴方今四二杉っていう人の家に居候しているでしょ?」

「!!」


その苗字を聞いて代美はゾクッと震えた。

そこには四二杉代がいる。

死んでも生き返ってしまう子供がいる。

その子供の苗字が出てきたことに少し罪悪感を覚えた。

もしかしたら自分が関わったせいでその家族の人生を狂わせてしまうのではないかという恐怖が湧いた。

すると主任は真剣な表情で


「大丈夫だ、君が思うような事はない! 安心してくれ!」


その言葉を聞いて代美は表情を曇らせながら


「思うって何のことですか? 主任や桜さんは何に対しての話ですか?」


と質問をした。

桜は表情を険しい表情になり


「あんたいきなり何を!」

「いい!」


そう言って主任は桜を止める。

そして、主任は優しそうな表情で


「君は死んでも死なない少年事はもう知っているだろう?」

「それをどこで知ったんですか?」

「国だよ」

「国ですか?」


国という言葉を聞いて代美はギョッとした。

「どうして国が……」

「当たり前だろ、このような少年がいるのに国が関知していない事はない」

その言葉に少し俯きながら代美は自分の考えが甘かった事を認知し、それを代が知っているのか不安になった。

「確かにそうですが……」

「そして、我々はその少年を保護しに来たんだ」


その言葉を聞いて代美は


「ほッ保護……いったいどうして」

「そこからはこの方に話をして貰おう、きっとその方が君も納得するだろう」


そう言ってあるモニターを一人の男が運んできた。

そして、そこには

ビビビ!

と音が鳴りモニターが面に一人の中年の男が現れた。

キッチリとしたスーツを着ている男であった。

その男に代美は見覚えがあった。


「この人って!」

「そうだ、議員の山本 貞夫だ」


代美はテレビで何度かその議員を見ていた。

日本の為、平和の為、恵まれない子供達の為に悪徳議員と戦っているというテレビでは有名な人物であった。

そして、様々な研究機関に資金を援助して不治の病に侵される人々を助けようとしていることも取り上げられていた。

そんな善人代表の様な議員がモニターに現れて代美は緊張が走った。

山本議員は代美を見て


『君が姫島代美さんかね? 話は聞いている……あの四二杉代君と呼ばれる死んでも生き返ってしまう少年の家で居候しているそうだね』

「は! はい!! そっそうですけど!」

『うん、なるほど……こうなるとやはり君にも手伝って貰った方が良いかもしれないな』

「?」


代美は警戒しながらも話を聞くと


『鬼ヶ島組には昨日会ったようだね?』

「はい……奴等は一体何なのですか?」

『奴等が昨日来た理由はその少年の件なんだ』

「!!」


その言葉を聞いて代美は顔を青くした。

山本議員は神妙な表情で


『奴等はその少年の事を狙っている、君だってそんな危ない連中の手に少年が渡ってしまえばどうなるか想像はつくだろう?』


と問い掛けてくる。

それを聞いて代美はヤクザがやりそうな事を想像してしまった。


(海外に売り捌かれる代の姿や臓器を売り飛ばされる代の姿や事故に見せかけて賠償金を奪わせる姿とか、どれも代を不幸にする未来しか見えない、もしかしたらその呪いを利用してヤクザの構成員にして鉄砲玉として利用され続ける人生に放り込まれるかもしれない!!)


そんな事を考えると恐怖が頭を過る。

代美はもはや冷静な判断を出来る状態ではなかった。

代美は顔を青くしながら


「ドっどうすれば! どうすれば代君を守れますか!」


と山本議員に聞いた。

山本議員は冷静な表情で


『先程彼も言っていたが彼を保護しないといけないんだ……しかし、いきなり我々が四二杉家に向かいそんな話をしても信用して貰えないだろう……そして彼の保護をすることが出来ない、怪しい人間に息子を渡そうとはご家族もきっと願っていないだろう』


その言葉を聞いて代美は頷いた。


『そこでだ、君はその家族と少なからず関係を持った……そして君の誠実さが伝わったのか居候しているとも聞いている、確か君の住む予定であったマンションが火事になって住む場所に困っていたところを助けてくれたようだね?』

「はい、そうですが……」

『だからこそ君に彼を保護することを伝えて交渉して欲しいんだ……もしかしたら君ならば彼を連れ出してくれるのではと我々は思っている』

「そんなこと言われましても四二杉家と出会ったのはたった2日前です、簡単ではありません」

『それは分かっている、だが時間がないのも事実だ……このままだと鬼ヶ島組によってその少年は奴等の思い通りになってしまうかもしれない、そうなればその少年の未来だけでなくこの日本の未来すら危うい、大きな力は悪しき者手に渡れば恐ろしい事態を引き起こす可能性もある』


その言葉を聞いて代美は俯く

その姿を見て桜は


「しっかりしなさい! 貴方だけが頼りなんだよ! 貴方が今ここで決心してくれないとダ

なの! 分かるでしょ!」


その言葉を聞いて代美は震えながら


「わか……りました……やってみます」


と言われるがまま引き受けてしまった。

それを聞いて山本議員は


『おお! そうか! 良かった! 安心してくれ! 失敗したとしても誰も君を責めない!』


と代美を安心させるように宥める。

そして、代美はまっすぐ山本議員を見て


「いえ……代君の人生が掛かっているんです、何も責任を取らないなんてそんな事は出来ません」

「代美……君」


と主任は悔しそうにしながら代美を見る。


『そうか……分かった、こちらも君の交渉を信じる、そして連れてきてくれたら少年には何不自由ない生活を約束しよう』

「ありがとうございます、あのお母様も連れてくる方が?」


その言葉を聞いて山本議員は


『それは止めておいた方が良い、もしかしたら鬼ヶ島組の者が何かを仕掛けてくるかもしれない、そう考えると一緒に連れてくるのはまずい』

「ですが! 彼はまだ中学生です! 危険かもしれないですが一緒にいた方が」

『気持ちは分かる、だが彼は死なない事を良いことに奴等がそのような攻撃を仕掛けた時彼の母親はどうなる? その時目の前で親が死んだら少年はどう思う?』

「そっそれは!」

『だからこそ、先に少年を保護して、その後母親の生活を守った方が良い、そう方が母親の命は守りやすいんだ……分かってくれ』


その言葉を聞いて代美は黙ってしまった。

その説得に納得してしまった、そして代美は


「分かりました……代君だけを連れてきます」


そして、急いで四二杉家に向かった。

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