呪い106-録音証拠
代はそんな春郎の言葉を聞いて
(いや、ナニはしただろう!)
「ぶふう!!」
と吹いてしまった。
その瞬間を里美は見逃さなかった。
「ちょっと! 四二杉! あんた今笑ったでしょ! まさかあんた何か知ってるの!」
そのまま代が笑ったことを問い質した。
代は面倒臭そうにしながらも
「いや、ただなんかあるだろうなあって思っていた青野が明らかに知らないふりをしたから笑っちゃっただけだよ、それ以外に何もないよ?」
と答えると里美は睨んだまま
「本当に? あんたは何も知らないって言うの?」
と話し続ける。
代は鬱陶しそうな表情をしながら
「いや知らんけど」
と二人の事については正直に話そうとしなかった。
そんな様子を見ていた春郎は
(そうだ……あいつの責任にすればいい……あいつは……四二杉は俺に比べれば皆から忌み嫌われている……人気者の俺とアイツの言葉なら俺を信じるに決まっている! それにあいつは変な奴等とも関りがある! 自分の不死身の能力であいつは好き勝手に生きている部分もある! それを利用してあいつに擦り付ければ俺の名誉は傷つかない! きっと涼子も分かってくれる! 後で話を合わせておけば何も問題はない! 行為見てたのも森瀬先生だけだ! それにそれが絶対とは限らないんだからいくらでも誤魔化せる!)
そう考えて春郎はすぐに動いた。
「お前! ふざけるなよ! 涼子にあんなことをしておいて! 俺は知らないだと! 最低だな! お前のせいで涼子は汚れてその事で悩んでいるんだぞ! アイツの名誉の事も考えて言わなかったが我慢ならない! それにお腹には……それなのに……糞野郎がああ!」
と代に向かって絶叫した。
それを聞いた里美や他の女子は
「あんた……そんな酷い……」
「最低……ケダモノ」
「しらばくれる気だったのかよ……」
とそれぞれに代を侮蔑の目で見ていた。
代はそんな様子を見て
(ああ、俺のせいにするのねエ……なるほどねえ……そういう事するんだあ……俺が気を遣って先生にそれとなく伝えたり、今ここで質問されても誤魔化してあげたのにそういう事するんだああ……なら俺だって抵抗してやる)
と春郎を見ながら代はスマホを取り出した。
「ちょっと! 何をしてるの!」
「あんた話聞いてるの! 遊んでんじゃないわよ!」
春郎も代に向かって
「お前! まさか誰かに電話して今のことを隠蔽でもする気か!」
と言って代のスマホを取り上げようとするが
「ボイスレコーダーアプリなんだけど? どうやって電話するの?」
と言って女子にもその画面を見せた。
「!! そっそれは……」
と春郎はたじろぐ。
そして、代は一つの音声を再生した。
『ああん!! 春郎君! ダメだって!』
『大丈夫だって! ここにはだれも来ないから! しようぜ!』
『ああああ! そんなア! 入ってるうう!』
そんな卑猥な声が入っており、涼子と春郎の声が聞こえて来た。




