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73 はっきりとした記憶


 橘のストーカー事件の後、

梅澤が撮っていた、橘が襲われそうになった動画を警察に見せると、

すぐに動いてくれることになった。


 警察も流石にあんな動画を見せられたら、

動くだろうな。


 それでもう安心、という訳でもなく、

橘は出来るだけ一人で外を出歩くなどは辞め、

アルバイトの駄菓子屋に行くのも必ず俺と一緒に行くことになった。


 そんな日々が続いて数日。

やっと警察が動いてくれるといっても、すぐにストーカーは捕まらなかった。


 ストーカーもあの事件から、

もう懲りたのだろうか。


 季節は2月に入り、

3年生の卒業の時期が近づいてきた。


 HRの時間。

担任の先生がみんなに向かって言う。



「もうすぐ3年生が卒業だ。お前らは1年だから初めてだと思うが、毎年この時期は3年生を送る会っていうのをやってるんだ」



 もうそんな時期か。

3年生を送る会なんてあるんだな。



「で、クラスから2人を代表として出さないといけないんだけど・・・誰にする?」



 俺はこういう時は、選ばれないように黙って時間が過ぎるのを待っている。

それは他のみんなも同じだ。



「まあ、立候補がないなら勝手に決めるぞー。・・・じゃあ加藤と橘!」



マジか。



「え、嫌なんですけど」



すぐに橘が反抗する。



「別にいいだろ?お前ら付き合ってるんだし、2人なら大丈夫だって」



 先生がからかい混じりで言う。

それに合わせて、他の生徒も賛成!と声を上げる。



 結局、俺と橘が3年生を送る会のクラス代表として集会に参加することに。

放課後、集会が行われるという教室に2人で向かう。



「なんで選ばれたんだ・・・」


「別にいいじゃん。2人ならなんとかなるよー」


 めんどくさがる俺に対して橘が気楽に答える。

集会の教室に到着する。


 ガラガラ、と扉をあけて中に入ると、

机が何個も並べられて、一つの大きな机になっていた。


 他には誰もいない。

俺たちが一番乗りみたいだ。



「一番乗りだ〜」



 橘がそう言って、

スキップでガラガラの机に座る。


 俺たちが座ったと同時に、

他のクラスの代表が2人、入ってきた。


一人は女生徒で、もう一人は・・・



「橘、集会はいいから帰ろう」


「え?なんで?」


「いいから!」



俺の突然の焦りに橘が驚いている。



「どうしたの?急に」



 蓮がストーカーにタックルし、後から駆けつけた俺がストーカーを捕まえようとした。

寸前で逃げられたが、

俺はあの時、一瞬見えた顔をはっきり覚えている。


 そう、教室に入ってきたもう一人は、

あの日、橘をストーカーしていた男だった。



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