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64 アイドルオーディション


 冬休みも終わりに近づいてきた。

あと数日で学校が始まる。

俺は残り短い休みの時間を大切にして過ごしていた。


ゴロゴロこたつに入ってテレビを見てみると変わったCMが流れてきた。



「アイドルになってあなたの人生を変えてみませんか?」



 どうやら女性アイドルグループの新メンバー募集のCMのようだ。

どうせアイドルになるって言っても、もともと可愛い子しか受からないんじゃないか?

まあ橘だったら合格できるだろうな。

アイドル並みのルックスで背も高い方でスタイルもいいし。


 CMでは「一次審査は自撮り写真を送るだけで応募完了!」と流れている。

・・・勝手に応募してやろうかな。

いや、別に橘にアイドルになってほしいとかじゃない。

ただ橘レベルだと、どこまでいけるのか気になっただけだ。


 そんな悪い好奇心に踊らされ、

橘に内緒でカメラロールにあった橘の自撮りを応募専用サイトに送信し、

簡単なプロフィールを入力して応募してしまった。


 橘は芸能人みたいに綺麗だけど、世の中には美人は数え切れないほどいるし、

どうせ落とされるだろう、そう思っていた。




 数日後、冬休みが終わって学校が始まった。

今日は始業式とホームルームだけですぐ帰れる。


 教室に到着して席に座る。

橘はまだ来てないみたいだ。


 教室はガヤガヤ騒がしい。

みんな年末の思い出などを話しているのだろう。

楽しい声がそこらじゅうから聞こえてくる。


 そんな時、ピコン!とスマホから通知が鳴った。

メールだ。

珍しいなメールなんて、迷惑メールか?

そう思ってメールを開く。


 件名には「一次審査合格のお知らせ」とあった。

嘘だろ?

メールの本文には二次審査として、この日にこの場所に来て欲しいと書いてあった。

二次審査は歌やダンス、自己PRもあるとのことらしい。


 おいおいまじか。

まさか一次審査を通るなんて・・・

やっぱり橘ってずば抜けて可愛いんだな。


 そんなことよりどうする?

辞退するか?

それか橘に勝手に応募したこと打ち明けてみるか?



「おはよー。何みてるの?」



じっとスマホを見て考えている俺に橘が話しかけてきた。



「おわぁ!・・・お、おはよう」


「ん?何その反応。・・・なんか隠してるでしょ」


「いやいや。ま、まあまあ座りなよ」


「変なの〜」



 橘が隣の席に座る。

いや、せっかく一次審査が通ったんだ、こんな機会滅多にないぞ?

橘に正直に言おう。


 橘は席に座って色の白くて細い足を組んで、

机に肘をついてスマホをポチポチしている。



「あー、ねえ橘?」


「ん〜?」



橘はこちらを向かずにスマホをいじって生返事を返す。



「この前さ、CMで女性アイドルグループが新メンバー応募って言ってたよ?」


「へー、そういえばそんなCMやってたね。なんか自撮り送るだけみたいなの」


「そうそう!・・・橘も応募してみたら?」


「えー、いいよ。応募したら受かっちゃうし」



 すごい自信だな。

流石です橘さん。



「そ、そっか。でも落ちるかもしれないよ?」


「私が落ちるわけないじゃん」


「だ、だよねー」


「ほら!こんなに完璧な顔なんだから」



橘がこちらを向いてあざとく頬杖をついて笑う。



「時間の無駄だからそんなオーディション受けないよ〜」



橘はそう言ってまたスマホをポチポチいじり始める。



「あのー・・・勝手に応募したって言ったらどうする?」


「・・・は?」



 橘がバッっとこちらを向く。

顔がどんどん険しくなっていく。



「いや、好奇心がそうさせたっていうか・・・ごめんなさい」


「もう!受かったらどうするの?」


「あー、もう一次審査通ったっていうか・・・」


「・・・」



 橘が無言でこちらを鋭く睨んでくる。

怖いです・・・



「まさか次は二次審査で歌とかダンスがある・・・とか言わないわよね?」


「その通りです・・・」


「辞退するわ」


「いやいや橘!せっかくだから受けてみようよ!どこまでいけるか気になるじゃん!」


「さっきも言ったじゃん!私みたいに可愛い子、この世にいないんだから絶対受かるんだって!」


「わかんないよ?もっと超絶美人がいるかもしれない!お願い!二次審査受けてみようよ!」


「・・・もし合格しても辞退するからね!」



ということで俺が勝手に応募したことで橘はアイドルオーディションの二次審査を受けることになった。



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