61 年末
年末真っ只中。
もうあと数日で年は明ける。
リビングにあるこたつに入る。
何枚も服を重ね着してストーブを点け、
部屋はぬくぬくであったかい。
こたつの上には大量のお菓子にジュース。
それらを楽しみながら、パソコンで動画を見る。
これこそ冬休みの、年末の醍醐味だ。
ああ最高だ。
もう一度言います、最高です。
普段はできない深夜までの夜更かしや昼まで寝ることなんて当たり前。
年末はテレビも面白いものが多い。
年明けまでこの天国を楽しもう。
そう思った時、スマホが鳴った。
あ、橘から電話がかかってきた。
「もしも〜し」
「・・・一馬くん、なんか声がふにゃふにゃなんだけど」
天国のような環境についつい、ふにゃふにゃした声が出てしまう。
「あー、そんなふにゃふにゃしてた?」
「めっちゃしてる!今もしてるよ!」
「ごめんねー」
「それはいいんだけど、12月31日って空いてる?」
「・・・忙しい」
絶対初詣に行こうとか言うだろ。
もう橘の考えることはわかるんだよ。
「もー、嘘でしょ?忙しいわけないじゃん!」
「年末のテレビ見ないといけないから」
「そんなの録画してればいいでしょ!」
これは逃げられないだろうな。
「一応聞くけど12月31日、何するの?」
「そんなのパーティーしてからの初詣に決まってるじゃん」
はい出ました。
やっぱり思ったとおりだ。
「あっそう、じゃあ遠慮しとくわー。じゃあねー」
「ちょ、ちょっと!電話切らないで!」
「・・・蓮と梅澤は?」
「蓮と里奈は家族と過ごすみたいだよ」
「そうなんだー、橘は家族と過ごさないの?」
「パパは今年は1人でハワイの別荘に行くらしい!」
・・・ハワイの別荘?
「す、すごいな」
さすが金持ち。
「ねぇ、大晦日は私の家でゆっくりしようよ〜」
「えー、どうしよっかなー」
橘と過ごすのもいいけど、
家で家族とゆっくりするのもいいよな。
「あ、そうだ。言い忘れてたけど、使用人さんも休みだし2人きりだよ?」
「・・・やっぱり行こうかな」
ということで12月31日は橘と過ごすことに。
今年の大晦日は騒がしくなりそうだ。




