6 秘密の関係
主人公目線の時に橘はどう思ってたのかを書いているので、先に主人公目線の6話 二人だけの秘密 を読むことをお勧めします。
夏がやってきた。
外に出るとサンサンと太陽が照っている。
夏は日焼けするから嫌だけど、今年は、いつもと違う。
教室に到着する。
まだ加藤は来ていないみたい。
私は加藤と仲良くなった。
絵を破ったことも許してくれた。
いじめていたことは許してくれなんて思っていない。
でも、前よりも、少しだけ、関係が良くなった。
前に進むことができた。
これからもっと仲良くなって、友達になれたらいいな。
「お!おはよう」
「おはようー」
加藤だ。
加藤から挨拶してくれた。
挨拶をできるぐらいの仲になることができた。
「明日の数学の時間、小テストあるらしいよ」
「まじ?私全然勉強してないわ」
前なら加藤から話しかけてくれるなんてありえなかったな。
嬉しいな。
「梅澤たちって、あの後に俺のこと何か言ってた?」
やっぱり気にしてるみたい。
「怒ってたみたいだけど」
加藤が青ざめた顔をする
慌ててフォローする
「まあ、大丈夫だよ。私がなんとかするから」
放課後、加藤に勉強を教える。
私は自分で言うのもあれだが、頭がいい。
見た目でバカっぽいって判断されがちだけどね。
加藤が教室の窓から夕日を眺めている。
「ねぇ、聞いてる?」
「あぁ、ごめん」
せっかく2人なのに私のことなんてどうでもいいみたい。
急に、
「京子!全然来ねぇと思ったら何してんだ?」
教室の入り口から声が聞こえた。
里奈たちだ。
「お前・・・」
やばいかも、里奈と加藤が鉢合わせちゃった。
「おいおい、こんなとこで何してんだ?あの時以来だな?」
まずい、喧嘩になりそう。
そうだ!
加藤の肩を組んだ。
「私の課題やらせてたんだー」
「それと大丈夫!私があの後ボコボコにしといたから」
咄嗟に嘘をつく。
「あと、こいつは私専用ってことに決めたから」
これなら里奈たちも手が出せないはず。
「ふーん」
里奈が加藤を睨んでいる。
「まあいいわ、京子、こんなやつほっといて行こうぜ!」
加藤がホッとした顔をしている。
里奈たちと一緒に教室を出て行く。
里奈たちにバレないように加藤に手を振る。
加藤も手を振ってくれる。
里奈たちが知らない私たちの関係。
なんだかバレないようにするのはドキドキして楽しかった。




