1 しぬのはこわくない
不良や、化粧が大好きな女子、頭が良くないという理由でそこにいる生徒、そんな人たちがいる高校を無事に卒業した私は、学費は高いが将来がほぼ望んだ職業につけると名高い美術大学へと進学することになった。
両親や親戚から反対されたが、「学費は奨学金と自分がバイト代で稼いだお金で何とかする」という援助がほとんどない条件で進学が認められた。
やっと自分の好きなことができる大学へと進学して、嫌に課題が多かったが友達にも恵まれ大学ライフは順風満帆だった。
しかし、そんな生活は長くは続かなかった。
奨学金というものには、機関保障と人的保障というものがある。機関保障に反対を受けた私はやむなく人的保障になったのだが、今度は連帯保証人と保証人、そして親権者を書く欄が出てくるのだ。最初にネットを通して入力するところまではよかった。そこで終わってくれたなら大学生活はこのまま続けられただろう。だがそうはいかなかった。
返還誓約書というものがある。そこには連帯保証人、保証人、親権者の実印と署名が必要になるのだ。
最初から、出来レースだったと、私は泣いた。
親からも親族からも反対されていた私に実印も署名もなかった。
機関保障にしようとしても奨学金貸与開始からの今に至るまでの月額分を一気に支払うだなんて無理だった。
私がその大学にいられたのは、たった半年だけのことだった。
絶望した。死のうかと思った。バイトをこのままし続けて自分の趣味をちまちましていく人生なんて嫌だったから。家が元々裕福なほうではなかったから親に土下座しようとも大学に払えるお金はなかったから。諦めるしかない人生になったから。
「死にたいなあ…」
静かに、呟いた。光る画面は自殺サイト。今の自分はベッドの中。時刻は午前2時を迎えようとしていた。
けれど私は今日も静かに、その画面を閉じて眠りについた。
夢を見た。よくわからない、焼け野原のようなところだ。空は夕方か明け方か、とにかくオレンジ色で、茶色の地面までもを明るくさせた。そんな中真ん中に一人、少女がいたのだ。白く長い髪はオレンジ色に部分部分に染められて、小さな背中からは翼が生えていた。微かに見えた頬からは涙が流れて見えた。
その涙のわけは、この焼け野原と関係しているのだろうか。
私にはそれがわからず、気が付けば真っ暗な世界が視界に広がっていて、私は目覚めた。
目が覚め、視界は男をとらえた。寝ている私にまたがりナイフを掲げてそこにいた。男は、夢で見た女の子のように白い髪で、短くて、瞳は吸い込まれるような蒼だった。零れる涙は何なのか。そんなことはわからない。私を殺すことに対して罪悪感があるのか。それもわからない。整った顔立ちをしている、と冷静に私は思った。殺されそうになっているのに怖さなんて感じない私は狂っているのか。私はただ死ぬ間際までそんなことを考えて、静かに振り落とされたナイフを受け入れて、人生に終わりを迎える。
だから、せめて最後にナイフが刺さる直前に聞こえた声を、忘れないように頭の中で思い出させてちょうだい。
しぬことはこわくないよ。
あなたはいきかえる。
わたしのせかいへきて。
そうすれば、あなたは
のぞまれるあなたになれるわ
拙い文章ではありますが、ここまで読んでくださってありがとうございます。
もともと乙女ゲームが好きなこともあり恋愛要素のある小説を書くことにしました。
しょっぱなから主人公がお亡くなりになられましたがこれからも続くので読んでいただけたら嬉しいです。