表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
隣人とは……適度な距離が必要!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

589/672

129.黒い影。

―ロープ視点―


子蜘蛛や孫蜘蛛から上がってくる報告に溜め息が出る。

今日1日だけで、黒い影に襲われた神は12柱。

怪我などはしていないが、徐々に神達の間で不安が広がっている。


「いったいあれは何なんだ?」


俺はまだ、黒い影を実際には見ていない。

蜘蛛達と一緒に神国を見回っているけど、なかなか目の前に出現してくれない。

そのため、蜘蛛達から上がってくる報告から予想するしかないんだけど。


「色は黒で影のような印象。でも見方によって煙のようにも見えるところがある。黒い影は、呪いに似ている力を持っている。神を襲うが神族は襲わない。そして黒い影に触れても今のところ、何も起こらない。追うと忽然と消える、か」


一番不思議なのは、襲っている黒い影に触れても何も起こらない事だよな。

蜘蛛達の話では、黒い影には不穏なものを感じるそうだ。

だから襲われそうな神を助けているのだけど、実際に黒い影が神に触れても何も起こらない。

それなら、黒い影はどうして神達を襲っているのか。

考えてもさっぱり分からない。

そして何も無いからと言って、放置していいのかも判断が出来ない。


「主も心配しているから、正体を掴みたいんだけどな」


「申し訳ない。俺の力がもっと強ければ、良かったんだが」


あれ?

振り返ると、創造神が扉から入ってくるところだった。

考え込んでいて、すっかり気を抜いていたな。


「焦らなくても大丈夫だよ。創造神の力は増え続けているでしょう?」


見た感じ、5日前よりまた増えているな。

ただ、増え方が少しゆっくりになってきている。

完全に神国を掌握するのは、まだ先になりそうだ。

そうなると、黒い影の正体を創造神が掴むのはまだ無理だな。


「確かに増えているが、以前に比べるとゆっくりだ」


本人も気付いているのか。


「成長したね」


「えっ?」


あっ、しまった。


「なんでもないよ」


つい、口から零れてしまった。

まぁ、成長したと思っているのは本当の事だけど。

最初の頃は、創造神が使う神力を捉える事も出来ていなかったからな。

今では自分の中の神力の量をしっかり捉えている。

うん、やっぱり成長してるな。


「それで、今日はどうしたんだ?」


創造神の言葉に、今日はお願いに来た事を思い出す。


「創造神に許可を貰いたいんだ」


俺の言葉に、創造神と一緒に部屋に入って来た神族が俺をチラッと見た。

彼は、フィオ神が創造神に付けた補佐。

信頼できる者だと、フィオ神から紹介された。

あの時の彼の表情には笑ったな。

まさか、呪界の関係者を紹介されるとは思っていなかったようで、目を見開いて固まっていた。

今では、結構仲が良い。

色々と相談に乗ったのが良かったんだろう。

恋愛相談された時は、「なぜ俺に?」と思ったけど。


「許可? 別に幾らでも許可は出すけど」


「こらっ。駄目だろう? ちゃんと話を聞いてから許可を出すか決めないと」


「あぁ、そうだな。それで何の許可を出せばいいんだ?」


許可を出す前提で話しているな。

まぁ、助かるんだけど。


「この道具を、神国で使用する許可が欲しいんだ」


ナインティーンが作った道具を、テーブルの上に置く。


「カメラ? カメラなら既に許可を出したよな?」


「うん。これはそのカメラの改造版」


俺の言葉に首を傾げる創造神。

まぁ、不思議だろうな。

見た目はほとんど変わっていないから。

でも1つ大きく違うところがある。


「これには吸収魔法が掛かった魔石が付いているんだ。黒い影専用だよ」


道具の裏を見せると、創造神が頷いた。

カメラの裏には、少し大きな魔石が組み込まれている。

そしてこの魔石が、黒い影の力を吸収する予定だ。


主は何とか黒い影の正体を掴みたいと、ナインティーンに相談。

ナインティーンは、黒い影が持つ力を魔石に吸収させる方法を考え、カメラを改造。

そうして黒い影専用のカメラが誕生したのだ。


何故カメラなのか。

黒い影を写真で撮ってから魔石を起動させると、逃げても追ってくれるらしい。


「黒い影専用か」


創造神を見ると、真剣な表情でカメラを見ている。

彼も、黒い影の正体を掴もうとしているから興味があるのだろう。


「これで分かるのか?」


「それはまだ何とも言えないかな」


上手く黒い影の力を吸収できれば、主が調べてくれるだろう。

でも、主が調べても分からない可能性もある。

まぁ、あまりその心配はしていないかな。


一番心配なのは、黒い影が出現した場に居合わせられるかどうかだろうな。

つまり、運任せだ。

蜘蛛達の中で一番運がいいのは誰だろう?


「分かった。許可を出す。俺も黒い影の正体を知りたいからな」


創造神の言葉にお礼を言う。

まぁ、許可が下りないとは思っていなかったけど。


「では、俺はこれで失礼するね。これから黒い影を探すから」


「うん。宜しく」


創造神に頭を下げてから部屋を出る。

さてと、黒い影は何処に出現するかな?


今までに出現した場所を思い出す。

創造神が住む星でしか出現していない。

他の星も調べてもらったけど、一度も出現していない。

でも、創造神の近くには出現しない。


「とりあえず、一番多く出現した場所に行ってみようかな」


それは、リースリア神が管理する建物がある周辺だ。

リースリア神は、今の創造神を送り出した派閥のトップ。

創造神を送り出したという事で、力をつけてきている派閥で警戒しているんだよな。

特に注意する点は、落ち神を輩出した派閥のトップ、ピスリアリ神と手を組んだ事だ。

2柱が手を組んだのは、創造神を傀儡にして神国で力を手に入れようとしたから。

まぁ、その目論見は創造神があっけなく砕いたけどな。

でも未だに繋がっているので、何かするつもりなんだろう。


「お疲れ様」


リースリア神の周辺を警備している子蜘蛛達に挨拶をして回りながら、様子を聞く。


「えっ? ピスリアリ神と会う予定?」


「うん。しかもボッティ神も来るみたいだよ」


子蜘蛛の言葉に、溜め息を吐いた。


「それは、呪いが詰まった黒い塊で何かするつもりという事だな」


ボッティ神は、呪いが詰まった黒い塊を持っている神の1柱だ。

ちなみにフィオ神と仲の良い神ではない。


俺の言葉に子蜘蛛が頷く。

そして前脚を万歳するように上げ、前脚の先だけをくるくると左右に揺らした。


「頭の中が残念だね」


どうやら前脚で、残念さを表現したみたいだ。

頭の中がくるくる?


「その踊り? 何処で覚えたの?」


「神族が神に向かってやっていたんだ」


あはははっ。

神族は面白い事をやるな。


「それにしても、創造神の警告はあまり効果が出なかったな」


創造神に、2柱から呪いが詰まった黒い塊を回収した時「他の者も監視中だ」と発言もしてもらった。

それなのに、動き出すとはね。

創造神を甘く見ているんだろうな。


「監視の強化をお願い」


「もちろん」


俺の言葉に右の前脚だけを上げる子蜘蛛。

おそらく、3柱の周りは既に監視が強化されているんだろう。


「黒い影の方だがどうだ?」


「朝方に襲われた者がいたけど、今なら落ち着いているかな」


「そうか」


声の時も思ったけど、黒い影も急に現れるため対処が出来ない。

予兆でもあれば、それを探すのだが。


「何とか数日中にこの魔石に力を吸収したいんだけど」


「どうかな?」


子蜘蛛の言葉に長期戦を覚悟する。

まぁ、ゆっくり待とうかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 誤字報告送信しました。今回はいつもより多いみたいです。 [一言] もうすぐ新刊発売ですね。楽しみにしています。 それにしても神国の問題はなかなか解決しませんね。 えーと、声、呪い、黒い…
[気になる点] 誤字?報告です。 「色は黒で影のような印象。でも味方によって煙のようにも見えるとこがある。~」 味方→見方 一番不思議なのは、襲っている黒い影に触れても問題が怒らない事だよな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ