表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
隣人とは……適度な距離が必要!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
546/672

86.まともな神

「初めまして、これから宜しく」


「こちらこそ、宜しくお願いいたします」


もの凄く緊張した面持ちのカルアタ神に、ちょっと吹き出しそうになる。

それにしても、どうしてそんな緊張しているんだろう?

リーダーが何か言ったのかな?


「彼に何か言ったの?」


俺の言葉に首を振るリーダー。

よく見ると、リーダーも不思議そうにカルアタ神を見ている。


「あっ、私だ」


原因はアイオン神なのか?


「カルアタ神に、何を言ったんだ?」


「ちょっとふざけて、呪界王は創造神よりはるかに強いから、カルアタ神の態度によっては神国が窮地に追い詰められるかもしれないなぁって」


「……はっ?」


「ただの冗談だったんだけど。まさか信じるとは思わなかった」


呆れた様子のアイオン神に、カルアタ神が唖然とする。


「嘘なのか?」


「はははっ」


アイオン神の態度に、カルアタ神が俺を見る。


「嘘だよ。他の世界の事に口を……」


ロープが色々やってるな。


「こちらに攻撃しない以上は、俺は何もしないから」


嘘は言っていないよな。

「俺」は、何もしないんだから。


「アイオン神!」


「あはははっ。いや、だって信じるなんて思わなくて」


2柱の言い合いに、リーダーが肩を竦め俺を見る。


「終わるまで、ゆっくりしようか」


「そうですね。では、お菓子を用意しますね」


ウッドデッキでお茶をしながら、言い合いをする2柱を見る。


「あの2柱は、仲良しなんだな」


俺の言葉にリーダーが首を傾げる。


「仲良しでは無いと思います」


「えっ。そうなのか?」


言いたい事が言える関係みたいだから、仲が良いと思ったんだけどな。


「彼らはそれぞれ属している派閥が違うので、深い関わりは無かったらしいです。とくにカルアタ神の方は、神を調べる機関に属していて、他の神とはあまり関わって来なかったそうですから」


神にも派閥があるんだ。

面倒くさそうだな。

それに神を調べる機関?


「調べる機関があるんだな」


「全く機能していなかったよな」と言いたくなるが。


「はい、あります。ただ落ち神のせいで、名前だけの機関だったようです。呪界が誕生した頃に、機関のトップが代わってようやく機能し始めたと、アイオン神が言っていました」


また落ち神か。

たった1柱の存在で、神国は長い間おかしな状態だった。

力が強いというのは、それだけ影響力があるという事なんだよな。

俺も気を付けないとな。


「悪かった。もういいだろう?」


全く悪いと思っていないアイオン神に、カルアタ神がため息を吐く。

あっ、どうやらカルアタ神の方が諦めたみたいだな。


「お茶とお菓子をどうぞ」


俺の言葉に、微妙な表情をするカルアタ神。

あれ?


「甘い物は苦手だった?」


「いえ、カルアタ神は甘い物が特に好きですよ」


リーダーの言葉に、眉間に皺を寄せるカルアタ神。


「どうして、それを?」


カルアタ神がアイオン神を睨むが、彼女は首を横に振る。


「ある方からの情報です」


リーダーの言葉に、不思議そうな表情をするカルアタ神。

アイオン神も首を傾げている。


「どうぞ」


2柱の前にお菓子とお茶を出して、頭を下げるリーダー。

情報源は明かしてくれないらしい。

というか、神国について詳しいのはロープだな。

個々の趣味嗜好まで調べているのか?

あまりやり過ぎないように注意しておこう。


「そういえば、呪界で育っている植物を見たいんだったよな?」


リーダーから聞いた、神国で問題になっている命花の状況。

のろくろちゃんが調べた結果、命花自体が呪いを生んで枯れているらしい。


「はい。良ければ一度見て見たいです」


「別にいいけど、花は付いてないよ」


いまも葉っぱだけが勢いよく育っている。


「それは聞いています。その状態でいいので、宜しくお願いいたします」


カルアタ神は丁寧だな。

アイオン神も最初は……どうだったっけ?


「あぁ、そうだ。命花について、新たに分かった事があるんだ」


アイオン神を見ると、少し複雑な表情をしていた。

分かった事が、いい事ではなかったみたいだな。


「何が分かったんだ?」


「命花をあんな状態にしたのは、神だった」


「そうなのか?」


俺の言葉に、頷くアイオン神。

カルアタ神は、下を向いて表情が分からなかった。


「ある神が、魂を生み出す場所に呪いが閉じ込められている魔石を大量に置いた事実が分かったんだ」


そのせいで、命花が呪いを生み出したのか?


「命花の役割とは何なんだ?」


魂を生み出す場所があるなら、命花は必要ないよな?


「魂を育てる場所だな」


育てる?


「命花は、魂の欠片を持って生まれ、ゆっくり花を咲かせる事で魂を育てるんだ。魂の欠片に呪いが含まれていたから、魂が育つと同時に呪いの力も強くなってしまい、命花に影響を及ぼしたんだ」


それで命花が枯れてしまうのか。

そして残ったのは、呪い。

命花自体の意思ではなかったんだな。

あれ?

のろくろちゃんが「みずから、ぐちゃ~」と言ったと聞いたけど……解読は難しいな。


「魔石を置いた神は、何がしたかったんだ?」


「おそらく、魂を守りたかったのだと思う」


んっ?

悪い事をしようとしたわけではなく?


「落ち神のしている事に気付いて、魂を利用されないようにしたみたいだ。命花が枯れれば、魂の欠片は砕けるから。それと、落ち神の事をカルアタ神がいる機関に報告していた事も分かった」


彼の機関がしっかり働いていたら、命花が呪いを生み出す事は無かったわけか。


「その神は?」


「落ち神の仲間に殺されていたよ」


アイオン神がため息を吐く。


「そうか」


落ち神の事を知っていたなら、この神の行動は命がけだっただろうな。

まともな神もいたんだな。


「まぁ、命花については解決策が見つかってよかったな」


呪いを閉じ込めた魔石を取り除けば、命花は元に戻ると。


「それが……」


俺の言葉に、苦笑するアイオン神。


「どうしたんだ?」


「魔石を移動させようとしたんだが、駄目だった」


「駄目?」


俺の言葉に頷くと、アイオン神はリーダーの傍を飛ぶのろくろちゃんを見た。


「呪いは集まると力を得るみたいだな」


あぁ、そうだな。

1個1個はとても弱い。

たまに強い子もいるけど、ほとんどが本当に弱い。

でも集まれば集まるほど、かなり強い力を持つ存在だ。


「魂を生み出す場所に、呪いが大量に集まっているんだ。そのせいで、神が近づけない。近づいたら攻撃されるからな」


あぁ、呪いにとって神は敵みたいなものだからな。

それは拒否されるだろう。

カルアタ神は、悲し気な表情でため息を吐いている。

拒否された事が、悲しいのか?


んっ? 

呪いは魔石に籠められているから、影響は少ないのでは?

……あっ、違うか。

魂の欠片に呪いが含まれているという事は、魔石から呪いは溢れているのか。


「元々の呪いと、命花で育った呪いも集まっているから、最初より呪いは増えているようだ」


アイオン神が、俺を見る。

これは助けて欲しいという事なんだろうな。


「その場所に、神以外が入っても問題ないのか?」


「「……」」


2柱が黙るという事は、駄目なんだな。


「『今回だけ特別に』と言っても大反対されている。全く先が読めないバカ共が」


アイオン神の言葉に、カルアタ神まで頷く。

やっぱりこの2柱、仲が良いと思うんだけどな。


「まぁ、結果が出たら教えてくれ」


呪いか。

苦しんでいないといいけど。


「分かった」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ