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異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
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105.第1位の神2

―監視者 第1位の神視点―


「まただ、また失った」


私のために動く者が、また消された。


どうして?

情報が漏れないように、記憶装置には何重にも結界を張った。

それだけでは駄目だと、触れた者が死ぬようにもした。

なのに、なぜか情報が盗まれていく。

誰かが私を裏切っているのか?

だが、私の理想とする世界を支持する者ばかりが集まっているのに、私を裏切るのか?

分からない。


「どうしてこんな事に」


苦悶の声に視線を向ける。

目の前にいるのは、私にずっと仕えている部下。

私が最も信頼している者だ。


「なぜ情報が盗まれた?」


「えっ?」


私の問いに目を見開く様子をじっと見る。

この者が、私を裏切っているのか?

いや、待て。

落ち着け。


コンコンコン。


こんな時に誰だ?


「なんだ?」


「私です」


バシュリ神?

彼がここに来る用事は無かったはずだが。

何だろう、凄く嫌な予感がする。


「どうぞ」


部屋に入って来たバシュリ神の顔色は悪い。

嫌な予感は当たると言うが、最近はそれが本当なのだと実感するな。


「何があった?」


「まだ公表はされていませんが、ディスカル神とワピキュア神が創造神の指示で捕まりました」


ディスカル神とワピキュア神が?

私の大切な仲間が?


「…………捕まった?」


彼らの替わりはいる。

そう、だからそれほど大きな被害は被っていない。

本当にそうと言えるのか?

……替わりにしようと思っていた神達は、既に消されたのに。


「ふっ、あははははっ」


本当に、余計な事をしてくれる!


「…………」


「私の指示で動く神は今どれだけ残っている?」


「……30柱程かと」


ふっ、30か。

……おかしいな、その30柱が誰なのか思い出せない。

誰だった?


「大丈夫ですか?」


「大丈夫なわけがないだろうが! 私の作りあげてきた世界が、私の世界が壊されているんだぞ。あの無能な者達に! 今までこの世界のために動いて来た私を……排除……。排除など絶対にさせるか。この神々の世界は、私が作り上げてきたのだ。この世界は私の物だ。許さない」


誰が私の世界を壊した?

創造神がもっと私を正しく評価していれば、そうすればこの世界が壊される事は無かった。

そうだ、創造神の目を濁らせたのは誰だ?

……アイオン神か。

そうだ。

奴だ。


「残っている神達に、アイオン神を殺すように言え」


「……お待ちください。今は、動かれないほうが」


「黙れ」


私は意見など聞いていない。

バシュリ神は、私の指示に従えばいいのだ。


「申し訳ありません。ですが――」


「聞こえなかったのか?」


「いえ」


バシュリ神を睨み付けると、彼はスッと視線を下げ、その場で跪いた。


「すぐにアイオン神を始末しろ。いや、捕まえろ。奴の目の前で奴が大切にしている者を破壊してやる」


「……はい、わかりました」


そうだ。

「あれ」を使おう。

成功した勇者を飲み込んで、私の邪魔をした「あれ」。

最近は、大量の魂を消費したら現れる厄介な存在になってしまった。

そのせいで、何度も何度も邪魔をされた。

でも、今度は私が利用してやろう。


「確実に『あれ』を利用するためには、あの世界の魂を苦しめる必要があるな。消滅させるのは簡単だが、どうやって苦しめようかな」


私の邪魔をした世界の魂だ。

徹底的に苦しめてやる。

そして現れた「あれ」にアイオン神を放り込めばいい。

今までに神を放り込んだ事は無いが、きっとうまくいく。


「あぁそうか、これからは『あれ』を利用すればいいんだ」


私の攻撃さえ効かなかったのだから、利用できるようになればこの世界を牛耳る事だって簡単だ。

ふふっ。

極秘にされているが、創造神は「あれ」に何度も浄化を掛けている。

だが今まで、その効果が出た事は無い。


「創造神より強い存在を手にすれば、私がこの世界で最も偉大な神だ」


跪いているバシュリ神を見る。


「アイオン神をすぐに連れてこい」


「……はい」


バシュリ神の声に違和感を覚える。

今までと、何かが違う。

それが何か、全く分からない。

だが、喉に引っかかったような何かを感じた。


「ん?」


バシュリ神に声を掛けようとしたが、その前に私の記憶装置に異常を感じた。

何かが、私の記憶装置に入り込んだ?


「くそっ」


記憶装置がある空間に移動するため、荒れ狂う気持ちを抑える。

何が起こってもすぐに対処できるようにしておかなければ。


バシュリ神の姿が消え、真っ白な空間が視界に入る。

微かに感じる、自分以外の力。

その力を感じて首を傾げる。

創造神の加護を受けるこの世界は、神力で全てが動いている。

光の魔力は補助するような力で、主となる力ではない。

だから、記憶装置が置いてあるこの空間に入るためには、必ず神力が必要となる。

それなのに、感じた力は神力とは少し異なる物を感じた。


「神力以外の力でこの空間に入り込んだのか?」


そんな事が可能なのか?

いや、そんな事よりもどこだ?


「姿が無いのか?」


真っ白な空間に浮かぶ巨大な透明な石。

私の記憶装置だが、その傍に誰の姿もいない。

だが、確かに私以外の存在がいる事は分かる。


「誰だ?」


空間に私の神力を充満させる。

それは、私以外の者にとっては毒になる。

だから、必ず何かしらの反応が返って来るはず……なのだが。


「なぜ、何も起こらないんだ?」


記憶装置に手を当てて、神力を流す。


「えっ、あれ?」


どうして、反応しないんだ?

もう一度、掌に神力を集めて記憶装置に流していく。

間違いなく、記憶装置に私の神力は流れている。

それなのに、記憶装置が反応をしない。


「どうなっているんだ? 記憶装置が反応しない原因で考えられるのは……持ち主の力より強い力で制御されている時だ。私より強い力?」


私は、神々の最も一番上にいる存在。

つまり、どの神より強い力を持っている神だ。

第2位の神と私を比べても、その力は雲泥の差。

だから、表立って私に歯向かう神はいない。


「だから、違う原因だ」


私の力を抑え込める力など、あってはいけない。

消さなければ。


「ここはまた作ればいい」


全ての事が片付いたら、元通りになるから。

記憶装置だって、新たに作る事が出来るだろう。

だから、壊す事は禁止されているけど、大丈夫。


手に神力を集めていく。

私の指示に従わない物は、いらない。

集まった神力を、記憶装置に思いっきり叩き込む。


ビシビシビシッ。


「ふっ。これで情報も取れなくなったな」


記憶装置の透明な石にヒビが入り、ボロボロと欠片が落下していく。

その様子を見ていると、体がぐっと押しつぶされるような感覚に陥る。

何?

この空間から、急いで出ないと!


バンッ。


「きゃっ」


床に体を思いっきり打ち付ける。

痛みに顔を歪めながら、慌てて周りを見回す。


「執務室?」


見慣れた風景に、体から力が抜ける。

良かった。


立ち上がって、もう一度部屋を見回す。

バシュリ神の姿は無い。

おそらくアイオン神を捕まえるために、動き出したのだろう。


「私も動かないとね」


記憶装置が制御出来なかった事や、自分で作り上げた空間から追い出された事が頭をよぎる。

こんな事は、今まで一度も無かった。

私にとって良くない事が、起こっている気がする。


でも、まだ大丈夫。

そう、大丈夫。


「元に戻せばいいのよ。そのためには、邪魔な物を全て消してしまわないと」


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― 新着の感想 ―
[一言] 急に女っぽい口調になったな
[一言] 第一位の神ってもしかして女性⁉️
[一言] 場面によってノック回数を~とかいうのは日本だけという事実…
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