41.岩人形…勝手に成長をしたようです。
糸が大量にまかれている毛糸玉。
巨大な虫を見る、元気に葉っぱを食事中。
見ていると食事をやめて見つめられた。
「ありがとう」
大量にまかれた毛糸玉は1つではなく合計200個。
巨大とはいえどこにこれだけの糸が?
不思議に思うが元気そうなので大丈夫なんだろう。
糸専用岩人形を見る。
俺が巻きつけ棒を作った数は50個。
残り150個は…あぁ元の岩人形か。
いつの間にか交流を持っていたらしい。
…三つ目と一つ目でいいか。
三つ目たちは俺を見つめている。
おそらく次の工程を請求していると見た。
が、イメージがどう頑張ってもごちゃごちゃした糸にしか。
どうするべきか。
着ているTシャツを脱いで手に持って確認してみる。
三つ目が近づいて一緒に確認。
何やら思案顔?
……糸部屋にいる一つ目と三つ目を見る。
なんだか表情があるんだが。
おかしいな人形だよね?
でも、確実に今困った表情をしている。
Tシャツが俺の手から三つ目の手の中に。
あ、Tシャツを裏返した。
10分ぐらいかな、手に返ってきたTシャツ。
そして一つ目三つ目が行動開始。
…命令を出してはいないのだが…
どうしよう、何が始まるのかわからない。
岩人形って成長するのか?
近くにいる親玉さんと子蜘蛛たちを見る。
みんな、それほどあわてている様子も??
なぜか岩人形たちを凝視しているように見える。
有名な青いロボットをもとにした岩人形。
日々、進化してとうとう自立をしたようだ。
大丈夫だと信じよう、いろいろ。
……
1階に移動してキッチン入口で立ち止まってしまった。
キッチンには岩のテーブルが置いてあっただけ。
まだまだ目指すキッチンからは程遠かった。
あれ?
何が起きているんだ?
見えるキッチンには俺が考えていた木のテーブルに木の椅子。
調理台は元の岩のものだがそれ以外は木で作られている。
というか、調理する場所と食べる場所が区切られている。
…一つ目たち8体が今もまだ作業中。
2体は糸部屋にいたな。
え~どうして何がこうなった?
確かキッチンにダイニングを作りたいなって話したのは2日ぐらい前。
話したのはコアに向けてだけど確かに隣にいたな、1体の一つ目が。
そういえば、どうしてあの時あそこにいたのか…。
まぁ大丈夫そうだからいいか。
それにしてもすごいな、俺の理想が詰まったダイニングが完成しそうなんだが。
そういえばどうしてコアたちは隅っこにいるんだろう?




