104.森へ…毛虫!
お茶を探しに行こう。
暇だからではない、けしてない。
お茶が飲みたいからだ。
お供がいてくれる。
アイとチャヤとササのようだ。
リスが2匹に子蜘蛛達が木の上から。
警護なのだろう。
ありがとう。
まだ探索した事のない森を疾走。
見たことのない実もまだまだあるようだ。
触りたくない色だが…大丈夫?
え、でも…紫に棘にところどころ黒いんだけど。
大丈夫なんだ。
…ごめん、今はいいかな。
もう少し勇気が出てから。
すごくおいしいそうな果実を発見。
え、毒?
これ毒アリなんだ。
桃のような表面ですごく甘いいい匂いがするのに。
毒なのか。
美味しそうだったのに、残念。
お供がいなかったらお試し食いで毒死だな、間違いなく。
いや、そっちの色のやばそうなのは…持って帰る?
分かった。
先ほどの果実より…赤黒いマーブルのような模様…あまり変わらないな。
大丈夫というのだから大丈夫なんだろう。
収穫を頑張った。
収穫した手を見たが変化なし。
大丈夫のようだ。
…いや、信用はしている。
ちょっと休憩。
持って来たハンバーガーもどきがうまい。
アイ達は…肉のボリュームが数倍を10個か。
果実水も美味い!
…子蜘蛛達はナスもどきを1本丸かじり…美味いのか、そうか。
リスは収穫したばかりの果実、問題ない?
大丈夫?
よかった。
…あれ?
俺、お茶の木を見た事ないな。
お茶も自分で入れたことが無い…ペットボトル最高!
…探すのは無理か。
どうしようか。
アイ、ちょっとお願いが。
果実水を飲んでから葉っぱを指さしてみる。
分かるかな?
…ハハハ、無理だよね。
ん~近くにある葉っぱをむしり取って水を出してその中に入れて飲むふりをする。
葉っぱを見せる。
お願いわかって…無理か。
魔法より難題だ。
どうすれば伝わるかな。
ん?
アイ?
どこかに行こうとしている。
とりあえずついて行こう。
結構な距離を走り続けているがどこに行くんだ?
着いた場所は…赤い湖。
…え、血?
違うのか。
浄化をかけても変化なし、呪いではなくこの色…。
そういえば地球にもあったよな…ピンクの湖とか、そんな感じか。
アイが1本の木を指す。
近づくと果実がなっている。
なんだ?
アイを見るが見つめ返される。
…収穫して匂いを嗅ぐ、香りはないな。
ん~なんだろう。
とりあえず割って…硬い。
岩ナイフ…滑りそうだな、魔法で真っ二つ。
中は種だけで空洞。
実はない。
さっきのジェスチャー伝わったのか?
とりあえず持ってきている水に種…違う?
皮の方なのか。
えっと削って…頑張った。
水の中に入れると色がうっすら赤に。
期待した目で見ないで欲しい。
一口、飲んでみる。
お茶ではないが何とも言えない清涼感がある。
しかもかすかに甘味もあって、おいしい。
少し薄いがちょっと加工すればもっとおいしくなる可能性があるな。
ありがとうと、アイの頭をなでてあげた。
あのジェスチャーでわかってくれてありがとう、本当に!
お茶ではないがそれに代わるものを見つけたみたいだ。
それにしてもこの清涼感、癖になる。
もう少し濃く出てくれれば…加工を頑張ろう。
満足いくまで収穫した。
……
あとは帰るだけ。
帰り道は行きとは違う道を探索しながら。
やはりまだまだ見たことのない果実は大量にある。
…手は出さない。
また毒に手を出しそうになった。
二度と1人では判断しない、絶対。
森を疾走していると目の前に何かが落ちる。
ビビった~。
急に落ちてくる……毛虫?
ものすごく敵対心を感じる毛虫…巨大な。
日本で見た茶色の毛のあるやつに牙と角をプラスした…見た目が凶暴すぎる!
上から落ちてきたよな。
上を見る…見なければよかった。
木の上には大量の毛虫。
それが一斉に下を向いて…やばい。
落ちてきたっと焦ったら空中で止まった。
?
あ、子蜘蛛達の糸が無数に木の間に張り巡らされている。
それに引っ掛かる毛虫。
気持ち悪い。
とりあえず逃げる。
子蜘蛛達ありがとう!
毛虫に埋もれた…夢だった。