01.勇者?…いいえ、違うようです。
思いがけないことがあると頭が真っ白になるらしい。
話には聞いていたが本当だった。
あ~ちょっと、思い出してみよう。
そう、…トラックにひかれた。
最後に見たライトがとても眩しかった記憶がある。
で…俺のほかに4人。
どうやら一緒にひかれてしまったようで、なぜか一緒にふわふわと浮いている。
ん?
ふわふわと浮いて…いるだと。
なぜ?
あれ?
俺以外の4人が光りはじめたのだが…。
何が起こっている??
俺は…光っていないな。
なぜだ?
『あ~どうしよう、どうしよう!!』
…どこからか随分と焦っている声が聞こえる。
どこだろう、周りはすべて真っ白で何も見えないのだが。
『ちょ…どうするの! このままだと失敗だよ!』
失敗のようです。
ちなみに俺以外の4人の姿が薄くなっている。
俺だけそのまま。
と、いうか起きているのも俺だけ。
ほかの4人は寝ているのか?
…死んでる???
いや違うか?
わからん。
『あ~元の世界に帰っちゃうよ~! 召喚術が~』
『せっかく勇者になれるのに~』
もとの世界、もと?…勇者?
勇者って妹がはまっている、漫画の世界の主人公?
え~っと、
『何をしとるか!!』
ぅわ!
なんだ、すごい大音量で怒鳴り声が。
あ、4人が消えた。
『ぁあ~見つかった~』
『やばい、どうしよう~』
『…あれ? もう1人いるよ?』
『『『えっ…え!!!』』』
ん~どうやら俺は予定外?
見えていなかったのか?
ずっと、4人と一緒にいたのに…
なんだか寂しい。
『見習いの分際で召喚術など使いおって~!』
『『『ぅわ~…』』』
『召喚術は世界の秩序を乱すからダメだとあれほど!!!』
『や、やばい』
『『…あっ…』』
あれ?
俺を包んでいた何かがなくなったような気がする。
って思ったら、落ちているよ。
…どこに??
俺はどうなるんだ~。
ゆっくり書き進めます。
ほのぼのになる予定の異世界生活。