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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
小学生編
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はち 1年体育祭 後半

 昼食を家族ととり、午後の部が始まる。またもやリレーは最後である。


 うちの組を応援しながら写真を撮る。今日は委員長としての仕事もない。たぶん体育祭終わった後の片づけには駆り出されるけど。

 早苗ちゃんが出場する玉入れはうちのが一位だった。玉入れって何気難しかった気がするけど早苗ちゃんはばんばん玉を入れていた。あれ、百発百中だったんじゃないかな。

 そういえば私は見ていなかったが赤坂はリレーに出ていたらしい。緊張しすぎてそれどころじゃなかった。木野村と辻村は二人三脚だった。とりあえず写真には収めておいた。赤坂は同じ競技に出るので写真に収めることはできない。残念。美少年と美少女は絵になるから撮っておきたかった。そういえば午前のリレーの四年生の部では兄がぶっちぎりの一位だった。あの人すごいな。あの人に欠点ってないんじゃないか?


 ところで体育祭といえば応援団だと思うんですよね。女子がチアの格好してポンポン持ったり、踊ったり。男子は学ランかな。


 この学校にも応援団は存在する。やりたい人がやる応援団。素晴らしい。写真のデータが潤うわ。もう私写真撮ることだけに専念したい。リレー出たくない。


 私が写真に夢中になっているとリレーに出る先輩に襟首をつかまれた。


 あ、はい。もう集合時間なんですね。すいみませんちゃんと行くんで手を放してください。そしてカメラを置かせてください。


 なんとかカメラは置かせてもらえた。




 リレーの最初の走者は私である。泣きたい。まぁアンカーよりはましだ。走る距離も短い。いける。頑張れ私。









 ぶっちぎりの一位でした。はい。この体のスペック高すぎやしませんかね。もう少し低くてもよかったのに。平凡な身体能力でよかったのに…。凄く目立ってた。嫌だ、いやすぎる。なんか赤坂がキラキラした目でこっちみてた。こっちみんな。


 私はリレー終了後即座に逃げ、校舎の裏手に引きこもった。私が走り終わった後の赤坂の瞳が脳裏にちらつく。恐怖しかない。何故私を見る。今頃赤坂は走っているころだろうか。女子の甲高い悲鳴が聞こえる。


 あの三人に興味を持たれるのは非常にまずい。ただでさえ同じ学校、学年にいるだけで高校での騒動に巻き込まれる確率が高いのに、関りでもしたらもっと確率が高くなる。私は平和に過ごしたい。というかぶっちゃけ赤坂とかかわるともれなく木野村が付いてくる。たぶん喧嘩売られる。そんなのごめんだ。私は口喧嘩弱いんだよ。


 そろそろ戻らなければならない。閉会のアナウンスが流れている。いきたくない…。それでも行かなきゃいけないとか…世知辛い。


 そのあと三人の誰とも話さずに済み、一日を終えた。片づけに駆り出され、ヘロヘロにはなったが。



 あ、優勝は白組だった。やったね。

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