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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
中学生編
78/232

3話


「えっ、委員長が委員長やらないの!?」

「生徒会に入るつもりだからね」


 翌日の朝、教室で秋田くんに「委員長」と呼ばれたので、今年は委員長をやらないことを伝えると秋田くんは驚いていた。

 あの後、家に帰って生徒会の活動について詳しく兄に聞いたところ、明らかに人手不足だとわかったので生徒会に入ることにした。たぶん、前に兄が倒れたのはこれが原因の一端を担っているんだと思う。倒れられたくないので兄がいる間は生徒会に入っていることにした。兄が卒業したらやめるつもりだ。


「生徒会と兼任でやろうよ」

「んな無茶な。ていうか、君はなんで私に委員長やらせたいのさ……」


 小学校の時から思っていたが、何故秋田くんは私を委員長にゴリ押しするのか。よくわからん。

 私が問えば秋田くんは目を瞬かせた。




「委員長が委員長じゃなくなったら俺、委員長のこと委員長って呼べなくなっちゃうじゃん」

「名前で呼べばいいと思うんだ」

「え……」


 私の言葉に少しだけ驚いた表情を見せた秋田くんは目を少し反らした。なんだその反応は。


「………………波留?」

「恥ずかしがるなこっちも恥ずかしくなる。そして名字じゃないのか」


 私てっきり「間切」と呼ばれると思っていたんだが。

 私が言うと恥ずかしそうに私の名前を呼んだ秋田くんは「キャー」と小声で言いながら顔を両手で覆った。女子か。


「二人ともなにしてんの?」


 顔を覆った手をどかせようと手首を掴んで力を込めていると登校してきた美野里ちゃんが呆れたように言ってきた。畜生、秋田くん意外と力あるぞ。動かない。


「おはよう美野里ちゃん」


 挨拶をして、この状態になった原因を話すと美野里ちゃんはへぇー、と言いながら何やら考え込むように私を見てきた。何かね。……いや、ていうか本当に秋田くん力強いな。ビクともしない。


「まぎはる……いや、はるはる? ……何か違うな。まぎりん、いや、はるるん……」


 もしかしてそれ私のあだ名か?


 私は秋田くんの手をどかすことを諦めて手を離す。すると秋田くんも私の顔をじーっと見始めた。やめてほしい。


「まぎまぎ……まぎりーな、まぎっちはるっち……」

「……まぎぎ、まりりん、はるこ……」

「呼び辛い。やっぱり委員長でいい?」

「いいわけあるか」



 二人がブツブツつぶやく言葉からどんどん私の名前の原型が消えていったので、最終的にあだ名は保留となった。




 

「間切、今日生徒会いくか……っと、ごめん、話中だったか」


 今登校してきたんであろう篠崎が私に話しかけてくる。そして秋田くんと美野里ちゃんの視線が篠崎に集まった。


「お、篠崎くんか。おはよ〜」

「篠崎くんおはよう」

「おはよう。…………えっと、秋田くんと浅田さん、で合ってる?」

「「合ってる」」


 もうクラスメイトの名前覚えたのか。早いな。


「篠崎くんも生徒会入るの?」

「まぁ今のところは。折角だし」

「なんか今大変だって聞くけど」


 美野里ちゃんがそう言うと篠崎がこちらを見て苦笑いしてきた。うん。大変だよね。美野里ちゃんはよく知ってるね。


 その後は暫く4人で談笑して、ホームルームの時間になったので解散。今日はオリエンテーションなのでまだ授業はない。


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