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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
小学生編
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ごじゅういち 五年夏休み


 私の目の前で、クルッポーと陽気に鳩が鳴いた。



「お兄さん、なにしてるんです?」

「鳩が…頭の上に乗ったまま降りないんだ」


 体育祭も終わり、夏休みに入った私はなんとなく鳩のお兄さんを思い出したのでいつもの公園に来てみた。ら、例年の如く鳩のお兄さんは鳩に囲まれていた。のんびりとベンチに座っているお兄さんの頭には鳩が乗っている。年々鳩から遠慮がなくなってきている気がするのは気のせいだろうか。


「暖かそうですね…」

「いま夏だし、暑い……」


 聞けばいくら退けても鳩が頭の上に乗ってくるらしい。鳩の執念が凄まじい。何が鳩をそうさせるのか。


「たぶん今日はずっとこのままだけど気にしないで……」

「あ、はい」


 いや、無理だろう。どうしても鳩に目が行く。チラホラいる通行人もお兄さんが気になるのかちょいちょいこちらに視線を投げかけていた。


 その後は鳩を頭に乗せたままのお兄さんとなんてことない会話をいつも通り繰り広げていった。慣れってすごいね。


「へぇ、君クラゲ好きなんだ」

「綺麗だから好きです」

「そうだね。クラゲ綺麗だよね。それに食べられるし」

「……」


 いや、食べられるけど。中華料理とかで出されるけども。このお兄さん実は食い意地張ってたりしない?


「今度クラゲ味の飴探してくるね」

「いらないです」

「売ってるかなぁ」

 私の言葉を聞いてくれ。いらない。クラゲ味の飴とかすごくいらない。


「今日はこの二種類の飴しかないんだ」

 そう言って申し訳なさそうに出したのは氷味とごま味の飴だった。



 氷って水じゃん。水って基本無味じゃん。つまり氷味の飴は無味なのでは? あとごま味のってなんだ。ごまの風味でもあるのか。


 相変わらずツッコミどころ満載なそれをポケットにしまう。


「次は頑張ってクラゲ味用意しておくよ」

「しなくていいです」


 なんかこの人珍妙な味の飴を毎回用意してくるから本当にクラゲ味の飴持ってきそうで怖い。





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