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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
小学生編
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 男子生徒の殴り合いから一週間が経った日の放課後、私は図書館にいた。

 ここの図書館は広く、蔵書数が多い。小学校の図書館なので難しい本はあまり置いていないがそれは仕方ない。中等部、高等部の図書館に入ることもできるがそれは目立つのでしない。

 窓際で本を読んでいたらもう日が沈み始めていた。これは帰らなければまずい。まだ読み終わってない本は借りていくとしよう。

 本をカウンターで借りて、下駄箱に行くと上級生が数人帰っているところだった。彼らのジャケットの襟には銀杏のピンバッジ。あぁ、銀杏会の方々か。お茶会でもしていたのだろうか。

 彼らが学校から出て帰っていくのを見届けてから私は裏門の方へ向かった。こちらの方が家に近い。

 裏門の方には赤坂と辻村がいた。どうやら二人も裏門から帰るようだ。


 私が二人と鉢合わせぬよう、止まっていると裏門のところに黒いワンボックスカーが止まった。そして中から男が三人出てきて赤坂と辻村を車に押し込む。二人は抵抗したが、まだ小学生。適うはずもなかった。……あ、これ誘拐か。

 私は両親から持たされたケータイを取り出し、警察にかける。




 残念ながら二人を直接助け出すなどという凄いこと、私にできるわけがない。



 翌日のHRでうちの生徒が誘拐された、と先生からお達しがあった。勿論、生徒は無事だとも。犯人は捕まったが、十分に気をつけろとのことだ。私はしばらくの間兄と登下校を共にすることが決定した。ついでに護身術を習うことも。まぁ体を鍛えて損はないのでいいが。



「怖いねぇ」

「そうだね」

「兄さんは合気道やってるから平気だよね」

「どうかなぁ」


 帰り道、くだらないことを兄さんと話しながら帰っていると、校門のところに車が止まっているのが見えた。そしてその車に赤坂と辻村が乗り込む。あぁ……そりゃそうか。被害者だもんな。親は心配だろうよ。


 兄さんと帰る帰り道は新鮮で、楽しかった。思わず持っていたカメラで兄さんを激写するくらいには。



「波留、これを持っていなさい」

「…………父さん、これは?」

「ナイフとスタンガンだ」



 スタンガンはともかく、ナイフは防衛を目的とするには殺意高すぎやしませんかね。

 その日から私のカメラを入れているポシェットにはスタンガンが追加された。ナイフは家の机に仕舞っておく。使う日が来ないことを切に願う。



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