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脇役らしく平和に暮らしたい  作者: 櫻井 羊
小学生編
38/232

さんじゅうなな 3年学園祭 1





 今年の学園祭で劇をやるため、放課後に演劇部にお邪魔している弟を迎えに来たら弟がドレスを着て王子の格好をした東雲先輩に接待されていた。ここはホストクラブかな?

 衝撃的すぎて思わず無言でカメラのシャッターをきった。うちの弟がドレスを着て似合っているのはまぁわかる。うちの弟可愛いから。しかし、東雲先輩も似合うとは。


「あら、間切さん!」

「こんにちは東雲先輩。その格好似合いますね」

「そうでしょう! この私に似合わない服なんてありませんもの!」

 すごい自信だなぁ。

「圭も似合ってるよ」

「本当?」

「うん。本当」

 私が頷くと圭はえへへと笑った。天使かな?


「この子が間切ちゃんの弟君だったんだね」

「茜さん。お久しぶりです」

「久しぶりー。他の衣装を着た写真も撮ってあるけど、いる?」

「是非!!!」

 写真を得るために茜さんとメアドを交換する。送られてきた写真には様々な衣装を身にまとった圭が写っていた。かわいい。


「なんか毎年のように女装させられてる人いますけど、恒例行事か何かですか?」

「んー、姉さんが入ったときからずっとやってるらしいから恒例行事なんじゃないかな!」

 じゃあ来年は山内君あたりがやられそうだな。山内くんのクラスが劇をやったらだけど。

「まぁ上級生がすすんで衣装を着ることは少ないけど」

 あの人ノリノリだからな。

「間切ちゃんもドレス着てみる?」

「着ません」

 私がドレスを着ても何も楽しくない。

 私が茜さんと話している間も東雲先輩と圭は仲良くやっていた。東雲先輩はノリノリで王子を演じている。楽しそうで何よりだ。

「うーん。東雲ちゃん、間切くんのことお姫様抱っこできたりしない?」


「私にそんな腕力ありませんわね!」


 ですよね。




 その後すぐに完全下校時間になったので急いで圭を着替えさせて帰路についた。カメラでも携帯でも圭の写真を撮れたので満足だ。


「いろんな衣装着れて楽しかった!」

「そっか、よかったね」

 帰り道、私が来る前に着た衣装のことなどを話す圭は本当に楽しそうだった。




 ……これを機に圭が女装趣味に目覚めたらどうしよう。

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